こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 金融広報中央委員会が毎年行なっている「家計の金融行動に関する世論調査」の2021年版によると、2人以上の世帯の借入金残高は平均1393万円でした。

 そのうち、定年する60代で借入金のある世帯の割合は15.7%で、平均借入残高は1013万円でした。借り入れの内訳は住宅ローン残高が平均661万円と、半分以上を占めています。

 

 これを読んで、「定年間際に住宅ローン残高が600万円以上も残っているなんて」と思う人もいるかもしれません。しかしローンが残っているからといって、必ずしも“老後貧乏”とは限りません。

 この数字の中には、住宅ローンを活用して、しっかりと資産形成を行なっている方々も、少なからず含まれていると考えられるからです。

 

 今年から、住宅ローン減税の見直しが行われ、かつてのような逆ざや(住宅ローンを借りて税還付を受けると、差益が生まれていた)現象はなくなりました。とはいえ、住宅ローンに限らず、投資用物件も含めて、今はまだ史上空前の低金利が続いており、借り手に有利な状況です。

 

 けれど、この状態もいつまで続くのかは分かりません。なぜなら、2月より始まったウクライナ危機に端を発したインフレや為替市場の混乱を抑えるために、すでに先進国の間では“利上げ競争”が始まっているからです。

 

 日本でも、固定金利はすでに上昇局面にあり、変動金利は「最期の追い込み」と言わんばかりに、地銀を中心に金利競争が激化しています。地銀はビジネスモデルが疲弊しており、目の前の売上(貸付)を上げるために必死の形相です。

 

住宅ローン消耗戦 地銀で金利引き下げ、上昇リスクも

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB27DWE0X20C22A4000000/

 

 “ローン”というと、「借金=悪いもの」という印象をお持ちの方も多いでしょう。けれど、ローン自体は「一時的に借りる」という意味ですから、良いも悪いもありません。何事も、大事なのは活かし方です。

 たとえば超低金利を活かしてローンで不動産を購入すれば、手元の資金を温存することができます。

 

 住宅を購入した場合は住宅ローン減税も活用しつつ、ローンは毎月のキャッシュフローの中から返済していく一方、手元の資金は資産運用に回して、住宅ローン金利以上の金利を得られれば、資金を有効に活用することができるわけです。

 

 注意すべきなのは、「借り入れがいくらあるか?」ではありません。「資産-負債=純資産」で、大事なのは純資産なのです。

 

 もし、この文章をお読みの方の中で、「不動産投資に興味がある」「賢く住宅を購入したい」「資産を増やしたい」などとお考えの人がいるのであれば、下記のセミナーがお役に立つかもしれません。

 

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 最初の話に戻ると、60代で借り入れがあることが良いのか悪いのかについては、状況によるでしょう。ただ、個人的には「リタイアする際に、純資産がマイナスになっていないこと」が、もっとも重要なのではないかと思っています。


 

 ありがとうございました。


 

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