こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 世の中には、仕事ができない上司もいるようですが、基本的には、上の地位に行けば行くほど、利他の精神で仕事をすることが求められるようになります。

 当然、昇進することに対して尻込みをする社員も出てきます。「自分なんか、とても上の地位に行くような人間ではありません」というわけです。

 

 上の立場になれば、それだけ責任も重くなりますから、怖いのは当然でしょう。ただし1つ言えるのは、「環境が人を成長させる」ということです。

 

 かくいう私も、最初から崇高な理想を掲げて起業したわけではありません。サラリーマン経営者を10年経験した後、「これなら独立してもできるのではないか」と思ったのがきっかけでした。

 もちろん会社の理念も、スタート時から用意できていたわけではありません。人を雇って、雇用主としての責任が出てきてから、徐々に形成されていったのです。

 

 1つ、事例をお話ししましょう。

 マクドナルド創業者のレイ・クロック氏が、マクドナルド兄弟が始めた小さなハンバーガーショップに将来性を見出したのは、52歳の時のこと。ハンバーガーをつくるオペレーションを考え出したのはマクドナルド兄弟でしたが、それをフランチャイズ化し、世界的な企業に育て上げたのはクロック氏でした。

 

 もともと行動派だったクロック氏は、高校卒業も待たずに、セールスとピアノの演奏で生きていく決心をします。世の中は、第一次世界大戦から第二次世界大戦へと続く暗い時代でしたが、氏はセールスを続けます。

 マクドナルドと運命的な出会いをするキッカケとなったのは、クロック氏がミルクシェイクをつくるミキサーの販売員に転向したことでした。

 

 クロック氏は、回想録『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝』の冒頭で、こう述べています。

 

「人は誰でも、幸福になる資格があり、幸福をつかむかどうかは自分次第。(中略)巨万の富を築いたのも、『チャンスを逃すな』を信条にして、これまで生きてきた結果といえる」と。(『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝』レイ・A・クロック、他1名著、2007年、プレジデント社)

 

 経営者としては遅咲きだったクロック氏ですが、驚いたことに、52歳にしてマクドナルドと出会った時、氏は「私は未熟で、成長の途中にあった」と述べています。

「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」のだと。

 

 決して諦めず、チャンスを待ち続けて、最後は粘り勝ちをしたクロック氏から学ぶことは多いのではないかと思います。

 

 クロック氏の話を参考に、今の私たちにもできることには何があるでしょうか。まずは会社や世間から与えられたチャンスを確実にキャッチすることではないでしょうか。キャッチできて初めて、投げ返すことができるのです。

 

「ビジネスは戦い」とはいうものの、実際は戦う前に落ちていく人がほとんどです。ですから、まずは地に足を付けて、しっかりチャンスを受け止めるところから始めてみてはいかがでしょうか。


 

★仕事でチャンスを掴むための参考にどうぞ↓

『一流の人は上手にパクる』

 

 

 


 

 ありがとうございました。