こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 人々が殺到しているビジネスは、一見、羽振りが良さそうに見えるものです。けれど現実は、ライバルとの間でしのぎを削る壮絶な闘いが行われていることが少なくありません。
 そういう時は、あえて賑わっている市場での競争を捨てて、そのすぐ近くにある派生ビジネスを取りに行くことで、成功率が上がる場合があります。

 コロナ禍で急成長したフードデリバリー業界。コロナ収束後も残ると考えられてはいるものの、すでに参入が難しくなっています。
 では、フードデリバリー業界から派生してきたビジネスには、どのようなものがあるのでしょうか。たとえば、こちらです。

ゴーストレストラン「1つのキッチンで25店分」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/79006

 ゴーストレストランとは、オンライン完結型の飲食店のこと。間借りしたキッチンでネット登録をし、注文が入った際に、商品をつくって配達員に渡す、というビジネスモデルになっています。

 通常、飲食店を開業するには、専用の設備が必要です。衛生的な料理を提供するために、床や壁を耐水性にしたり、きちんとした換気システムなどを装備する必要があります。

 ゴーストレストランとは、要はシェアキッチンです。客席がないことから、このように呼ばれます。
 料理の提供までをオンラインで完結してしまえば、3密回避等の制限を受けることもなくなります。まさにコロナに対応した新しい飲食店の形が、ゴーストレストランなのです。

 1つ、事例を挙げましょう。私の知り合いの中に、ジューススタンドを経営している人がいます。その人は、ゴーストレストランの存在を知ってから、自店のキッチンを使って、焼き餃子のテイクアウトも始めました。

 もともと飲食店は、顧客が押し寄せる時間と、そうでない時間の差が激しい業界です。
 ジューススタンドを例に挙げると、朝や夕方などの需要が大きく、それ以外は、たまにしかお客さんが来ません。一方、餃子屋さんは、昼や夜のほうが大きな売り上げが見込めます。

 これまで、「アイドルタイムにどう生産性を高めるか?」というのが、飲食店に共通する課題でした。この長年の問題に解決の糸口を提供したのが、ゴーストレストランなのです。

 飲食店の開業が、以前よりもグッとハードルが低くなったことのメリットは、他にもあります。たとえば「副業として、土日だけキッチンを借りて飲食店を経営する」といったことも可能になります。
 もし、腕に自信のある人は、開業を検討してみてもいいかもしれません。

 ゴーストレストランは、コロナ後も間違いなく残ります。
 確かに今は、法制度が整っていないため、多くの問題が噴出しています。けれど市場の拡大に伴い、何らかの解決策が提示されていくでしょう。
 ゴーストレストランが市民権を得た暁には、この不名誉な名称も改善されるに違いありません。


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