こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 誰しも、自らお金を失おうとする人はいないでしょう。それなのに、お金を失ってしまうのは、失う危険性に目を向けないことが一因です。

 

世界3大投資家の1人であるウォーレン・バフェット氏は、かつてこのように述べています。

 

「ルール1:お金を失わない ルール2:ルール1を忘れない ルール3:借金をしない」(『カリスマ投資家の教え』川上穣著 日経ビジネス人文庫)

 

 2018年7月、日本証券業協会調査部が全国の20歳以上の投資家に対して行った「平成30年度個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」というのがあります。

 

 回答者の年収は300万円未満が45.4%と多く、500万円未満(23.8%)も含めると7割近くになります。職業も「無職・年金のみ(24.9%)」「役職なしの会社員(19.5%)」「専業主婦(夫)(18.9%)」と続いています。

 彼らが証券投資に興味を持ったキッカケは、「今の収入を増やしたいと思った(38.4%)」「株主優待があるから(35.6%)」「将来の生活に不安があり、必要性を感じた(23.6%)」といったものでした。

 

 この調査から見えてくるのは、多くの人が、労働収入の代替え手段として投資を捉えている、ということです。

 中でも、労働収入がなくなり、年金も思うように出ない方々にとっては、投資が最後の頼みの綱になっている、ということです。だから余計に、少ない元手を何とかして増やそうと、信用取引などに走ってしまうのでしょう。

 

 ご存じの通り、投資にはリスクがあります。つまりお金を失う可能性があるため、基本はお金を失っても大丈夫な状態にしてから、投資を行うことが鉄則となります。

 要は、投資を行う際は「労働or事業収入か、お金を失っても問題ないだけの資産があること」という前提条件があるのです。

 

 バフェット氏が、わざわざ「ルール2  ルール1を忘れない」と念押ししているのも、人々が簡単にお金の増えそうな話に乗ってしまい、結果、お金を失うことが多いからなのでしょう。ルール3の借金に至っては、お金を失う行為に等しい、というわけです。

 

 実際、投資を行えば、お金は増える可能性も、減る可能性もあります。「投資をしない」という選択肢もある中で、「投資をする」という決断を下し、かつ成功を収めたければ、正しいリスクの取り方を知っている必要があります。

 仮に、これから投資をしようとしている人が、商品のリターンしか目に入っておらず、リスクについて理解できていないとしたら、これほど恐ろしいことはありません。

 

 結論を述べますと、「私たちのような兼業投資家が、大きなリスクを取るべきなのは、投資ではない」ということです。

 プロとしての勘や経験を培ってきた本業(仕事)においてであれば、ある程度、未来の予測ができ、勝負時がいつなのかも熟知しているでしょう。しかし、それをそのまま投資の世界に持ち込んでしまうと、思わぬ火傷を負いがちですから、くれぐれもご注意いただければと思います。


 

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 ありがとうございました。