こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 昨年も、一時期1コイン700万円を超えるなど、話題の多かったビットコイン。2022年1月現在は、下落が続いています。

 コロナや各国政府の金融緩和を背景に、値上がりが続いてきたものの、世界的に政情不安が増していることから、下落に転じた模様です。

 

 特に今年に入り、カザフスタンで燃料高騰に市民の不満が爆発し、大規模なデモが発生しています。

 もともと暗号通貨で先行しているのは中国ですが、昨年の春に規制が厳しくなって以来、民間業者の多くが隣国カザフスタンに逃げ込んでいました。彼らが再び逃げ出すような事態になれば、さらにビットコイン価格が下落する可能性もあるといいます(日経新聞Web版、2022年1月7日)。

 

 一方、ビットコインを法定通貨に加えた国もあります。

 昨年9月、南米のエルサルバドルが、世界で初めてビットコインを法定通貨に加えたことで話題を集めました。当国のブケレ大統領は、さすが元起業家だけあって、他にもビットコイン債券の発行や暗号通貨推進特区「ビットコインシティ」の設立構想など、新しいプランを次々と打ち出しています(日経新聞Web版、2021年12月21日他)。

 

 一般に、現行の金融サービスが行き渡っていない国ほど、キャッシュレス決済が浸透しやすいと言われています。キャッシュレス化が導入される背景には、自国通貨が十分に機能していなかったり、政府の信用が低かったり、求心力を維持するためであったりと、それぞれ何かしらの理由があるわけです。

 

 なぜ、ビットコインには地政学的リスクが付いて回るのかというと、どこの国にも属していない、いわゆる無政府通貨であるためです。

 これは、「ビットコインが危険なのかどうか?」ということとは、まったく関係ありません。要は、使う側の問題であって、ビットコインの仕組み上の問題ではない、という点には注意が必要です。

 

 目下、暗号通貨後進国の日本でも、日銀が2021年の4月より1年間の予定で実証実験を始めています。しかし、これは以後、国際決済に暗号通貨が使われる場合を想定してのことであり、その後の具体的な日程は未定になっています(日経新聞Web版、2021年8月19日)。

 日本のように、「高度な金融システムと信頼性の高い通貨が使われている国では、かえってデジタル通貨への移行が進まない」というのも皮肉な話です。

 

 市場を見ると、まだ実用に適さない暗号通貨を人々が持っている理由は、“新しモノ好き”か“値上がり目当て”がほとんどです。

 でも、個人的にはそれでいいのだと思っています。どんな理由にせよ、参加者が増えることによって、環境が整備されていくわけですから。

 

 暗号通貨は、まだ誕生してから10年ほどしか経っていない新しい技術です。「果たして、暗号通貨は世の中を変えるのか?」ぜひ、今後に期待したいと思います。


 

★本日の記事は、有料メルマガの一部抜粋です。初月無料でお試し可↓

『俣野成敏の「サラリーマンを『副業』にしよう」実践編』

https://www.mag2.com/m/0001673621

 

 

 ありがとうございました。