こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 仕事をしていれば、誰しも「みんなに認められたい」「選ばれた存在になりたい」と思うものです。ところが、そう思うあまりに、他人の機嫌を取るような行動へと走ってしまう人をしばしば見かけます。

 

 たとえば、「周りから浮くのが嫌だから、行きたくない飲み会に行く」とか、「怖い先輩に取り入るためにお歳暮やお中元を贈る」といった行動などがそうでしょう。

 もちろんこれらの行動に、きちんとした目的があるのであれば、何も問題はありません。ですが、もし嫌々やっているのであれば、やらない勇気も必要なのではないでしょうか。

 私自身、若い頃は先輩の機嫌を取ったりしたこともありましたが、そういう人とは、結局のところ大した仕事はできなかったように思います。

 

 私は、サラリーマン人生の前半では、特にこれといった成果を上げることができませんでした。

 そんな私が、初めて上司に引き上げてもらったのは、28歳で海外駐在員になった時のこと。一部上場企業の老舗メーカーに勤めていた私には、同期が123名いましたが、幸運なことに、その中で最初の駐在員に選ばれたのです。

 

 海外駐在員として派遣される前の私は、生産管理部に2年在籍していました。メーカーにとって、生産管理とは業務の中でも中核に位置する仕事です。

 同じ部署の中には、生産管理一筋の大ベテランもいましたから、その部署に居続けていたら、そのまま埋もれてしまっていたかもしれません。

 

 ではなぜ、そうしたベテランを押しのけて、私が海外駐在員に選ばれたのかというと、実は、その部署で英語が話せたのは、ほぼ私1人だったからです。

 

 業務に関しては、長くやればその分、経験知を蓄積することができます。しかし、同じ仕事をしている人が複数いる以上、基本的にそこでは差別化できません。

「業務ができる」「仕事に精通している」以外に、別の差別化要因が必要なのです。

 

 私が勤めていたメーカーは、海外での売り上げが大きな比重を占めていましたので、当然、社内に英語を話せる人はいました。ところが、そういう人はみんな営業として現場に出てしまい、後方支援の生産管理には、カタコトで話せる人しかいませんでした。

 とはいえ、原材料の調達や、現地工場の製造管理などについて、海外とやり取りする場面は度々ありました。ここに、需給ギャップが生まれていたわけです。

 

 もし、あなたが今いる部署で、なかなか芽が出ないのであれば、その部署で必要とされていながら、誰も手をつけていないような業務やスキルを探してみてはいかがでしょうか。

 社内で供給不足になっているものを、あなたが満たすことができれば、周りから注目され、それが新たなチャンスを呼び込むに違いありません。


 

★サラリーマンの基本スキルについてはこちら↓

『プロフェッショナルサラリーマン:「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術』

 

 


 

 ありがとうございました。