こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 たとえどのような世の中になろうとも、人の衣食住に対する欲求がなくなることはありません。

 

 コロナ禍で急速にテレワークが進んだことから、一時は「今後、郊外への移住が進む」と考えられた時期もありました。

 しかし蓋を開けてみると、「どこに住んでも問題ない」というのは一部の人だけであり、それ以外の人は、出社とテレワークを組み合わせた出勤スタイルが定着しつつあるようです。

 

 不動産経済研究所が10月に発表したマンション市場動向調査によると、9月の首都圏の発売戸数は前年同月比6.7%減の2311戸でした。

 一方、21年4月から9月のマンション平均価格は6702万円と、同期間の過去最高を更新。特に、発売戸数が減少している東京23区の平均価格は8686万円と、対前年同期比で17%も上昇しています。

 契約率も首都圏で70.6%と、好調の目安とされる70%を上回った模様です。(日経新聞Web版、2021年10月18日)

 

 好調な住宅需要は、中古市場にも向かっています。

 

 東日本不動産流通機構の調査によると、9月の首都圏中古マンションの在庫件数は前年同月比で15.5%の減少となりました。住宅への高い欲求から、値上がりも続いており、10年前と比べて、東京都千代田区の中古物件の3.3平方メートルあたりの単価が約4割の上昇となっています(日経新聞Web版、2021年10月14日)。

 

 日本では長年、“新築神話”がまかり通ってきましたが、「中古物件を購入し、自分たちの好みにリフォームして住む」というスタイルが、ようやく広まりつつあります。近年では、細かい需要にも対応できるリフォーム業者や、古い住宅の再生に注力するリノベーション業者等も増えてきています。

 中古といっても、今は前の所有者の生活感を感じさせない状態にまでリノベーションすることも可能だったり、広めの物件を購入して、在宅勤務ができる作業スペースを設けたりできるなど、中古物件ならではのメリットもあります。

 

 事例をお話しましょう。東京都心に住む会社員の女性も、中古マンションを購入後、フルリノベーションを行なった1人です。2020年11月から入居して1年近くになりますが、「住み心地には満足している」と言います。

 その女性は「当初、中古マンションを購入することに不安もありましたが、将来的に資産価値が下がりにくいエリアを選んだことや、『管理状態や修繕計画等のポイントを抑えれば中古でも問題ない』という話を聞き、購入を決めました」と笑顔で話してくれました。

 

 単に、「新築が高いから中古を」ということではなく、自分好みの独自性の高い住まいを実現するための“ハコ”としての需要が、中古住宅の価格を押し上げる一因にもなっているようです。

 もし、自宅について考えている人がいるのであれば、中古物件にも視野を広げることで、選択肢の幅が広がるのは間違いありません。


 

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 ありがとうございました。