こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。
たいていの人は、「お金持ちになるには、お金をたくさん稼がなければならない」と思っているのではないでしょうか。
もともと、“お金持ち”とはお金を持っている人、という意味です。それは、「手からお金を離さない状態にしている人」ということですから、必ずしもお金をたくさん稼いでいるとは限りません。
要は、お金持ちとは「お金を残すのがとびきり上手な人」のことです。
たとえば、世界的大富豪の1人にウォーレン・バフェット氏がいます。世間では、バフェット氏が「投資で財を成した」というので、博打的な手法で大金持ちになったと勘違いしている人が多いようです。
バフェット氏自身は、投資をどう考えているのかというと、「投資とは消費を延期することだ」と述べています(『スノーボール(改訂新版)』)。
私は、これこそ投資を本質的に言い表した言葉だと思います。
投資は、目の前の消費よりも、将来の可能性を選択する行為です。資金がなくては、投資を始めることができません。
最初に、消費を延期して元金を貯めない限り、そもそも投資を始めることができないわけです。
バフェット氏が、お金持ちの思考法を持っていることがわかる名言を挙げてみましょう。それは、こんな言葉です。
「ほんとうに私はこの散髪に三〇万ドルを費やしたいだろうか」(『スノーボール(改訂新版)』アリス・シュローダー著、日経ビジネス人文庫)
仮に1ドルを110円と換算すると、30万ドルとは3300万円になりますから、とても散髪代の金額とは思えません。実はこれは、1回の散髪代のことではないのです。
アメリカでは、1回の散髪が200ドル(2万2000円)だとすると、65年間毎月通った場合、合計1716万円になります。
「もし、そのお金を散髪に使わずに、元金として年利7%の複利で回したとすれば、だいたい3000万円相当になる」というのが、バフェット氏の言いたいことです。
つまり、この名言は「お金の運用の仕方を学び、時間をかけて運用していくことで、200ドルが200ドル以上の価値になる」ということを伝えようとしたものなのです。
もちろん、「散髪代を節約してお金持ちになろう」というのは、現実的ではありません。人が生きていくためには、最低限の消費は必要です。
しかし、お金が有限である以上、生活に必要な消費を除いた分に関しては、「何にお金を使うべきか?」と考えなくてはなりません。本来であれば、自分にとって優先順位の高いものに、より多くのお金を投じるべきなのです。
以後、お金を使う時は、ぜひ「この出費は、自分の人生における生涯コストとして見合っているか?」という目線から考えてみてください。そうすることで、目先の利益だけに惑わされることも少なくなるのではないでしょうか。
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ありがとうございました。