こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 今日は最近、気になったニュースを取り上げてみたいと思います。

 

JTBやスカイマークが減資 大企業が減資をして中小企業に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK035F40T00C21A3000000/

 

「旅行大手のJTBや、格安航空会社のスカイマークなどが、減資を実施したことで、税区分上は中小企業になった」というこのニュース。減資とは、企業が資本金の額を減少させる手続きのことを言います。これを行うことで、主に税金面でのメリットがあります。

 

「それが一体、何なの?」と思う人もいるかもしれませんが、実は、このニュースが示しているのは「企業規模を測るための指標が、今、揺らいでいる」ということです。

 これまで、サラリーマンにとっての勝ちパターンとは、「一流大学を卒業→大企業に就職→充実した福利厚生の恩恵に浴する」というものでした。

 日本では長い間、“大企業信仰”があったことから、「大きいことは良いことだ」と見なされ、「安全の象徴」とされてきた感がありました。

 

 しかし今、その基準が崩れてきているということは、「大企業に入れば高待遇が約束される」という図式も崩れつつある、ということを意味します。企業に、それだけの余裕がなくなってきているからです。

 

 こんな話があります。以前、大手不動産会社に勤める社員から聞いた話です。その人が勤めている会社は、誰もが知っている老舗企業だったため、「何もしなくても、顧客が向こうからやってくる」のだと話していました。

 企業ブランドに多くの顧客が引き寄せられ、他の企業と比較されることもなく、言い値で商売ができることほど楽なことはありません。

 

 もちろん、そのために企業は毎年、多額の広告宣伝費やブランド維持費などを支払い、それらのコストは、すべて商品・サービスに上乗せされています。

 今までの日本では、「自社ビルを建て、タレントを起用したCMを流し、多くの支店を持つ企業が良い企業」だと見なされてきました。けれど、そうした莫大なコストを負担させられているのは、実は、ユーザーである私たちです。

 

 世の中に生じた歪みは、長い時間をかけ、やがて是正されていきます。

 人々は、今や無料のSNSで情報を交換し合い、インターネットで自分の拾いたい情報だけを拾うようになっています。テレビでも、素人芸人のYouTuberを見かけない日はありません。

 今後は、大企業によるマス・マーケティングの影響力が相対的に小さくなり、代わりに口コミマーケティングや、スモールマーケットなどが台頭してくるでしょう。

 

 これまで、大企業といえば、大量の人材を雇って、大規模に事業を展開するのが当たり前とされてきました。

 しかし、昨今はITが普及したことにより、必ずしも大量の人員を必要としなくなってきています。コロナ禍でテレワークが進行したこともあって、オフィスビルを売却するところも出始めています。

 

 昭和の時代、社員は福利厚生や退職金、年金などと引き換えに、企業と運命を共にすることを求められてきました。

 しかし令和の世では、数十年後の自社がどうなっているのかなど、誰も想像できません。社員も、転職することが前提になっています。

 今後は、日本でも個人事業主の比率が高まり、会社とプロジェクト単位の契約を結ぶ人も増えていくでしょう。

 

 仮に今後、会社に頼らない生き方を選択するようになったとしても、プロジェクト単位でのまとまりは必要です。ビジネスとは、必ず相手がいることで成り立っていますので。

 とはいえ、フリーランスで行動するようになれば、「いかに個を活かすか?」という問いかけが、より重要になるのは間違いありません。


 

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https://www.mag2.com/m/0001673621


 

 ありがとうございました。