こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、2019年のサラリーマンの平均給与は436万円。対前年比で言うと1%減となり、4万3000円の減少でした。

「ああ、もっと収入があったらなぁ」というのは、誰しも思うところですが、本当に収入が多ければ、上手くいくのでしょうか。

 

 これは以前、知り合いのFPから聞いた話です。ある日、そのFPのところに「お金が貯められない」という悩み相談が持ち込まれました。相談者は医師をしている人で、年収は3000万円あります。

 相談者の懐には、毎月200万円ほどの手取り収入が入ってくるにもかかわらず、貯金がないどころか、さらに友人からお金を借りている状態でした。本来であれば、数万円の借金など、翌月には返せる額なのに、「お金が足りなくて返せない」と言うのです。

 

 悩み相談を受けたFPは、相談者を説得し、本人の隣でスマホの操作方法を教えて、自分で銀行の自動積立定期預金に申し込んでもらいました。強制的にお金を積み立てることで、本人にも「貯金の喜びを感じてもらえるだろう」と思ってのことでした。

 ところが数ヶ月後、FPが相談者に貯金ができたか尋ねてみると、自ら定期預金を解約していたことがわかりました。申し込む時は、「FPが隣にいないと申し込めない」との話だったのに、自力で解約していたのです。

 

 お金について、よくある悩みとして「モチベーションが続かない」という声を聞きます。「お金を貯めるモチベーションが続かない」「我慢した反動で、かえってお金を使ってしまう」等々。

 実は、必要なのはモチベーションではありません。モチベーションに頼っていては、続かないのも無理ないでしょう。ポイントは、気合いでお金を貯めようとするのではなく、「お金を貯めることを習慣にすること」です。

 

 だったら、「どうやって習慣化すればいいのか?」というと、自分の欲や恐怖と向き合うしかありません。「このままでは、自分の欲しいものが手に入らない」ということを認識することが大切です。

 その上で、「貯金をすれば、自分の希望が叶う」ということがわかれば、行動につながります。1度習慣化してしまえば、後は考えなくてもお金は貯まっていきます。

 

 もちろん、無理は禁物です。「今月から、給料の半分を貯金しよう」などと当てずっぽうに決めたところで、挫折するのがオチでしょう。

 必要なのは、マイルールです。貯金の場合でいうと、“予算化”です。

 

 サラリーマンであれば、歩合制の人を除いて、毎月の収入はだいたい一定ですから、収入に対して、何にいくら使うのかを決めます。

 予算化を行うに当たっては、2ヶ月だけでいいので、家計簿をつけてみてください。2ヶ月つければ、何にいくら使っているのかが、おおよそわかりますし、改善点もある程度、見えてくるのではないかと思います。

 

 マイルールの代表的なものとしては、著名な林学者にして大投資家でもあった本田静六さんの「月給4分の1天引き法」があります。

「給料の4分の1を強制的に貯蓄に回す」というものですが、これを実現するために、本田さんが他の費用もきっちり管理していたのは、言うまでもありません。

 私がサラリーマンの頃に行っていたのは、予算化した金額を、給料が出た直後に下ろして、封筒に小分けにして入れておくことです。こうしておけば、使える分だけが封筒に入っているので、予算以上の金額を使いにくくなります。

 

 いろいろな方法があると思いますので、ぜひご自分に相応しい方法を見つけていただければと思います。


 

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 ありがとうございました。