こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 私は仕事柄、お金の相談を受けることも多くあります。その際、しばしば「この投資をどう思われますか?」といったことを聞かれます。

「ビットコインは、今、買うべきでしょうか?」

「株は、いつまで上がり続けると思いますか?」等々。

 

 そもそも、未来がどうなるのかなど、誰にもわかりません。専門家を名乗っている人たちですら、度々予想を外しているほどですから。

 

 相談者の多くは、「この商品は上がるか?下がるか?」といったことばかりに注意を向けがちです。

 こう書くと、「投資をする目的は、お金を増やしたいからに決まっているのだから、上がるか下がるかを気にするのは、当然じゃないですか?」と思われた方もいるかもしれません。

 

 事例をお話ししましょう。先日、私の元にやってきたNさんの事例です。

 Nさんは、投資を始めて1年近くになります。Nさんの相談とは、「この投資は、1年経ってもまったく増えません。もう、やめたほうがいいでしょうか?」というものでした。

 

 私がNさんに「なぜ、その投資を始めたのですか?」と聞くと、「銀行に置いておくよりはいいと思って始めました」とおっしゃいます。

 さらに、「どういう理由でその投資にたどり着いたのですか?」と質問したところ、「知人に勧められて始めました」とNさん。

「だったら、ご自身の大切なお金を投じているその商品の、どこに魅力を感じて投資をされましたか?」という質問に対しては、「う〜ん。よくわかりません」と答えました。

 なんと、自分でもよくわからないモノに、大事なお金を投じていたのです。

 

「なぜ、投資をしたいのか?」

「本当に投資をすべきなのか?」

「投資をすることで、何年後にどういう資産をつくりたいのか?」etc

 といった問いには一切答えず、ただ「1円でも多くお金を増やしたい」との思いから、とりあえず投資をする人が非常に多いのが実情です。

 

 資産形成というと、投資を思い浮かべる方が多いとは思います。しかし、それが必ずしも正しいとは限りません。

 投資を考えること自体は、悪いことではないのですが、忘れてはいけないのは、「投資は必ずリスクを伴う」という点です。

 

 リスクを伴う以上、「そのリスクを取ってでも、それ以上の見返りが期待できる」という場合にのみ、投資を検討すべきです。つまり、投資をするメリットとデメリットを天秤にかける必要があります。

 

 資産形成を行う時に、一番大切なのは“ゴール設定”です。

 現在の収入から支出を差し引いた金額を、定年までの年数でかければ、老後資金が計算できます。

 収入から支出を差し引いて出た金額は、おそらく必要な額に満たないことが多いでしょう。

「そのギャップをどうやって埋めるか?」という段になって、初めて「足りないのであれば、こういう手段をとったらどうだろう?」という話ができるのです。

 

 投資をする際には、ご自身の状況を踏まえた上で、

「いくらを投じることが可能か?」

「どれだけのリスクを許容できるか?」

「満期はいつのものを選べばいいか?」

「商品の流動性はどうなのか?」等々、

 考えるべきポイントは複数にわたります。

 

 こうしたポイントを1つ1つクリアしない限り、「何が自分にとって本当に相応しい投資商品なのか?」がわからないのです。

 

 仮に「お金を増やすために投資を行う」のが正しい道だったとしても、どんな人にも「なぜ、お金を増やしたいのか?」という理由があるはずです。

 まずは、そこを明確にしてみることが大切です。

 そうすれば、自分がお金を増やしたい目的も、自ずと見えてくるのではないでしょうか?


 

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 ありがとうございました。