こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。
ソニー生命が2020年6月にインターネット上で行なった「コミュニケーションに関する意識調査」があります。それによると、人がコミュニケーションをする際に気をつけていることのトップ3は、上から「相手の目を見て話す(37.6%)」「適度に相槌を打つ(37.0%)」「相手への興味・関心を持つ(35.9%)」という結果になりました。
ソニー生命「コミュニケーションに関する意識調査2020」
https://www.sonylife.co.jp/company/news/2020/nr_200721.html
この結果に、異論を唱える人はいないでしょう。
ところが、コミュニケーションのコツを理解しているかどうかと、実際にそれができているかどうかは別の話です。依然、多くの人が、コミュニケーションを苦手としている現状に変わりはありません。
先日、このような質問を受けました。
「私は生来、口下手で、仕事面でも、人生でも、損をしていると感じています。自分で話しながら、相手のリアクションばかりが気になります。相手の話しに対しても、機転の効いた答えができなくて、話しが盛り上がらない時もあります。
俣野さんは、誰かと話しをする時に、気をつけていることはありますか?」
先に挙げた調査を見てもお分かりのように、問題は、ノウハウを知らないことではありません。実際は、「知らないこと」ではなくて、「使えないこと」ことが真の問題なのだと思います。
結局、「何のためにそれをするのか?」ということが、自分の中でわかっていない限り、ノウハウだけを覚えても、使いこなせないわけです。
たとえば、あなたがお店のスタッフで、お客さんが商品について聞いてきたとします。あなたは張り切って、ここぞとばかりに商品知識を披露したとしましょう。
すると、お客さんは喜ぶどころか、かえって引いてしまったり、「買わされる」と思って身構えたりすることが多いのが実情ではないでしょうか。
せっかく相手のためを思って話しているのに、このような結果になってしまうのは、「相手はなぜ、この質問をしてきたのか?」ということがわかっていないからです。
コミュニケーションで大事なのは、「相手がそう言ってきた意図」をつかむことにあります。相手がその話しをしてきたのには、必ず理由があるからです。
ですから「相手はなぜ、この質問をしてきたのだろう?」と自分の中で考える。
そして、相手が話した内容を咀嚼して、「あなたが知りたいのはこういうことでしょうか?」と質問の意図を聞く。
これが、私のコミュニケーションにおけるノウハウです。
実際のところ、多くの人は、相手が話していることをよく聞いていません。
代わりに考えているのは、「次に何をしゃべろう?」ということ。だから会話が盛り上がらなかったり、上手く噛み合わなかったりするのです。
相手の話の核を捉えるには、真剣に話を聞く必要があります。話し手にとっても、自分の話を真剣に聞いてもらえたら、嬉しくないはずがありません。
相手の話の意図を推測し、それに応えようと努力する。これが、真のコミュニケーションではないでしょうか。
この方法のメリットは、相手の話の要点をつかむことで、お互いの頭の中が整理されること。
相手の話を聞いている間、こちらには考える時間が与えられます。「自分が待っている状態をつくる」というのが、コミュニケーションのコツなのです。
もし、あなたが「自分はコミュニケーションが苦手だ」と感じているのであれば、次に誰かと話す際は、ぜひ「相手の話を一言でまとめるとどうだろう?」と考えるようにしてみてください。
お互い通じ合った時の喜びこそが、コミュニケーションの醍醐味ではないでしょうか?
ありがとうございました。
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