こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 サラリーマンの方のよくある悩みの1つに「社内に尊敬できる上司や先輩がいない」というのがあります。それは多くの場合、残念ながら事実です。

 むしろ「社内に尊敬できる上司や先輩がいる」という人は、非常にラッキーだと思ったほうがいいでしょう。

 

 一般的には、社内に憧れの存在などいないのが普通です。「だったら、サラリーマンは憧れを持つことすら許されないのか?」というと、もちろんそんなことはありません。要は社内ではなく、社外で探せばいいわけです。

 

 憧れの相手は、実際に会える人でなくても構いません。書籍とか、映画の中の人物でも、全然構いません。

 私は、これを「勝手に入門」と言っています。わざわざ相手に知ってもらう必要はありません。ただ、自分の心の中で、一方的に弟子入りしているイメージです。「ああなりたい」と憧れて、真似して、結果が出ればOKです。

 

 憧れの対象というのは、自分よりも先に、自分の成し遂げたいことを達成している人のことです。

 私で言うと、たとえばセブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文さんとか、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正さん、パナソニック創業者の松下幸之助さん等々。

 

 この方々は、私が経営者の立場から目標にしている人たちです。それ以外の、個人事業主として活動する際や、セールスの技能を伸ばすために目標としている人は、また別にいます。

 つまり憧れの対象は何人いてもいいし、むしろ部分的に「この人のこの部分を見習いたい」というほうがいいと思っています。その人物のすべてを知ることは不可能ですし、またすべてをマネすべき人物など存在しません。

 要は、自分の成し遂げたい目的のために設定したベンチマーク的存在、というわけです。

 

 ところであなたは、引き寄せの法則というのをご存じでしょうか?自分の考えていることが、あたかも引き寄せられるように実現していく、という法則のことです。私の「勝手に入門」も、この引き寄せの法則に通じていると考えています。

 

 私が処女作『プロフェッショナルサラリーマン』を発売した時の話です。本書を、すでに発売していた『プロフェッショナルシリーズ』の第3作として発売したことで、書籍の帯の裏側に柳井さんの写真を載せてもらうことができました。

 先に出ていた『プロフェッショナルマネジャー』という書籍は、もともと絶版になっていたのを、柳井さんの希望で再版したものです。私の書籍とはまったく関係ありませんでしたが、“プロフェッショナル”つながりで私からシリーズ化を提案し、採用されました。

 

 ありがたいことに、この『プロフェッショナルサラリーマン』が売れたことで、『プロフェッショナルサラリーマン実践Q&A編』と『図解プロフェッショナルサラリーマン』も発売されました。この図解版はセブン-イレブンとのコラボ企画で、店頭にも並べていただきました。

 さらに、書籍が売れたことで他社からも多く出版の依頼をいただき、その中の1社であるPHP研究所からも書籍を出させていただきました。PHP研究所は、松下幸之助さんがつくった会社です。

 

 ご当人方は、私と接点を持ったことなどまったくご存じないでしょうが、私は「これは引き寄せの法則によって得たご縁だ」と思っています。

 何の縁もゆかりもない方々であっても、目指して追いかけることで自身の成長につながり、思いがけずご縁を結ぶこともできた。これが、ビジネスの面白いところではないでしょうか。

 

 このように「勝手に入門」の効果は保障付きですから、あなたもぜひ、憧れの存在を持つことをオススメします。あなただったら、誰をベンチマークにしますか?


 

 ありがとうございました。


 

★こちらは弘兼憲史先生との対談付きです