こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

「好きなことをしてお金を稼ぐことができたら…」というのは、多くの人にとっての夢かもしれません。

 手前味噌で恐縮ですが、私も現在、嫌いなことは一切せず、自分の好きなことだけをして生きています。

 自分が働かなくても、お金を生み出せるビジネスを構築し、好きな人とだけ付き合い、好きなビジネスだけをお受けし、虫の好かない取引先の話はお断りすることもできます。

 これを聞いた人の多くが、「どうしたら、そんなことができるの?」と思われたかもしれません。

 

 基本的な話にはなりますが、そもそもビジネスとは、お金を稼ぐことです。

 お金を稼ぐためには、絶対にお金をくれる相手が必要です。しかも、喜んでお金を払ってくれる人でなければ、ビジネスが先細りしてしまいます。

「それが難しい」という声が聞こえてきそうですが、実はここにヒントがあります。事例をお話ししましょう。

 

 ファッション通販サイトZOZOTOWNを立ち上げた起業家の前澤友作氏は、日本でも著名な経営者の1人です。

 前澤氏は、同サイトを運営する株式会社ZOZOを、昨年(2019年)9月にソフトバンク傘下のヤフーに売却し、CEOを退任しました。

 実は、前澤氏は元ミュージシャンという、異色の経歴の持ち主です。

 氏は、高校在学中に音楽に目覚め、卒業後は大学に進学せず、半年間アメリカに音楽留学をします。帰国後もバンド活動を続け、一応、メジャーデビューも果たしました。

 まさに好きなことを仕事にした典型例のようにも見えますが、現在はバンドを仕事にしていない点に注意してください。

 

 実は、前澤氏はバンドをしていた当時、活動の傍ら、海外バンドのCDを収集していました。それこそ生活費を切り詰めてでも買っていたわけですが、それによって海外バンドに詳しくなり、目利きもできるようになります。

 やがて「そのCDを売ってくれないか」と言う人が現れ始め、試しにライブハウスで目録を配ったところ、注文が次々に舞い込みます。

 それで、友人の手などを借りながら、「自宅でCDを梱包し、発送する」日々を繰り返し、ついには全国から注文が来るようになったのです。

 

 これが前澤氏にとって、ビジネスでの原体験となりました。そこには「他人が欲しいと思うものを揃えて、手元まで届ける」というZOZOTOWNの原型が、すでに見られます。

 おそらく、前澤氏がバンドを続けていたら、多くの人に知られることはなかったでしょう。大事なのは、「自分の好きなことを仕事にするのではなく、他人が好きなことを仕事にする」ことです。

 

 こう言うと、「でも俣野さんは今、自分の好きなことをして生きているって言っていましたよね?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

 確かに、私は現在、自分の好きなことだけをしています。でも、最初から好きなことをしていたわけではありません。どちらかというと、「最初は好きでも嫌いでもなかった」と言ったほうが、より現実に近いかもしれません。

 私は長年、マネジメントを生業としてきましたが、始めは「必要だからやっていた」、それだけです。これがポイントの1つ目。

 

 ポイントの2つ目は、「たとえ嫌いなことでも、やっているうちに好きになる」ということです。自分がやることで、他人が喜んでくれたり、賞賛を受けるようになれば、自然とその仕事が好きになります。

 逆に、最初は好きだったのに、誰も評価してくれなければ、その仕事が嫌いになります。こと仕事に関しては、自分の好き嫌いは関係ないのです。

 

 誤解しないでいただきたいのですが、決して「自分の好みや趣味には価値がない」という意味ではありません。ただ、仕事が上手くいけば、その分、余暇も思いきりエンジョイできるようになるのではないでしょうか?


 

 ありがとうございました。

 

 

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