こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 俗に言う、生涯の3大支出と言われているのが「マイホーム」「生命保険」「教育費」の3つです。ところが最近、この状況が変わりつつあります。

 かつて、理想とされていた生涯プランは、「高学歴→大手企業に就職→結婚しマイホーム→子育て→退職金と年金で悠々自適の老後」…というものでした。

 けれどそれも、今は昔。社会の変化と、人々の意識が変わったことによって、従来の前提が通用しなくなってきています。

 

 一例を挙げると、マイホームがそうでしょう。近年、20〜40代の年齢層の間で、持ち家比率が顕著に低下してきています。

 総務省統計局のHPによれば、1968年と2008年の持ち家比率を比較した場合、それぞれ25〜29歳で27.9%→11.5%、30代で48.9%→38.8%、40代で67.4%→62.2%へと下がっていることがわかります。

 要は、生涯の3大支出とは、上記の理想としてきた生涯プランがベースにあってこその支出だったわけです。

 

 そうはいっても、依然、世の中には「社会人になったら生命保険に入るのが当たり前」「家はやっぱり持ち家に住むべき」「大学まで行くのが当然」と考えている人が多いのが実情です。

 もちろん、自分が本当にそれを希望しているのであればいいでしょう。しかし、「周りの人がそうしているから」とか、「世間の目があるから」といった理由で、何となく周囲に合わせている人も少なからずいるのではないでしょうか。

 

 実際、“プラン”というからには、必ずそれをつくった人がいるはずです。上記の生涯プランでいうと、それをグランドデザインしたのは官僚だと言われています。

 事例をお話ししましょう。以前、ある編集者と雑談をしていた際に、こんな話を聞いたことがあります。

 

 ある雑誌の企画で、その編集者は、作家の堺屋太一(さかいやたいち)さんにインタビューをしたことがあるそうです。

 堺屋さんは通産省(現経済産業省)のご出身で、後には経済企画庁長官、内閣官房参与などを歴任された方です(堺屋さんは2019年2月に逝去)。

 伺った話によると、サラリーマンの“通勤モデル”は、もとは官僚が考え出したものなのだとか。

 通勤モデルとは、「郊外のベッドタウンに住み、そこから都心の勤務地に通う」という生活スタイルのことです。官僚の方たちは、想定したモデルに沿って、電車の敷設計画を立てたり、街づくりを設計したりしたのだということです。

 

 よくよく考えてみれば、これは決して不思議な話ではありません。

 私たち一般のビジネスパーソンでも、ビジネスを行うに当たって想定顧客を決め、「彼らがどのような場所にいて、どのような生活をしているのか?」「どのようなシーンで自社商品を使ってもらいたいか?」「そのために必要な機能は?顧客が喜ぶ仕掛けとは?」…といったことを詰めていきます。

 官僚の方たちは、それを日本全体に当てはめて考えていた、ということです。

 

 お伝えしたいのは、「あなたが今、やろうとしていることは、本当にあなたがやりたいと思っていることなのか?」ということです。

 

 私たちは、環境から大きな影響を受けています。日々、流れてくるスローガンやメディアからの情報、何気なく見ているテレビや広告などから、知らない間に、「これが正しい」と刷り込まれているわけです。

 マイホームを例にすると、確かに、最新設備の揃った新築一軒家に住むのは気持ちのいいことかもしれません。

 けれど、そのために夜遅くまで働いて、家には寝に帰ってくるような生活で本当にいいのか?ということを、ぜひ考えてみて欲しいのです。


 

 ありがとうございました。


 

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