こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 今日の話題はこちらから。

 

カリスマ投資家が金を推奨し、価格が高騰

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47465610Y9A710C1000000/

 

 アメリカのレイ・ダリオ氏は、世界最大のヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者にして、著名な投資家です。

 ダリオ氏は、リーマン・ショックや欧州債務危機などの予測を的中させ、その意見には中央銀行も耳を傾けると言われている人物です。

 

 そのダリオ氏が、SNSのリンクトインに、「金を自身のポートフォリオに組み込むべき」ことを書き込んだのは、7月17日のことでした。

 一投資家の書き込みによって、NY金が1トロイオンス1400ドル近辺だった価格が、1420ドルにまで上昇した、というのは驚くべきことです。

 

 とはいえ、こうした発言に右往左往した挙句に、他人の投資判断に従ってしまうことほど危険なことはありません。

 私たちが耳を傾けるべきなのは、ダリオ氏の「アメリカが利上げ局面から利下げ局面に入る=投資環境が変化するから、戦略を見直すべきだ」ということであって、誰に対しても「今は金投資がいい」と言っているわけではない点に注意すべきでしょう。

 

 金は、いわゆる実物資産の一種ですが、考え方としては「通貨と同じようなもの」とイメージしていただいたほうが実際に近いと思います。

 過去、通貨に今ほどの信用力がなかった時代は、金本位制と言って、金で通貨を裏付けることがしばしば行われてきました。アメリカも、日本も、かつては金本位制を採用していた時期がありました。

 いまだに「金本位制にしよう」という意見が出るくらい、通貨の価値は移ろいやすいわけです。

 

 今、先進国を中心に、“金余り現象”が起きています。リーマン・ショック以降、多くの国が金融緩和を行った結果、ダブついたマネーが行き場を失っている状態です。

 量が多くなれば、当然、通貨の価値が下がっていきますので、「経済や歴史を知っているならば、金をまったく持たないということの合理的な説明は成り立たない」(『カリスマ投資家の教え』川上穣著、2017年、日本経済新聞出版社)というダリオ氏の言葉には一理あります。

 

 それでは、私たちのような一般投資家は、金投資をどのように捉えればいいのでしょうか。

 もともと、金は「価値が減りにくい」というのが最大のメリットです。その一方で、利子が付きません。

 一般的な話をするのであれば、資産形成がこれからの人は、金のように値上がりするかどうかわからないものよりは、増えていく可能性のある金融資産に投資をするほうがいいでしょう。

 

 本来、金投資が向いている人とは、マネープランが完成し、資産形成も完成に近づいている人とか、目指すゴールに一応は到達している人などです。そういう方は、円・ドル・ポンドなどに分散投資をする一環として、金を持つのがいいのではないでしょうか。

 金は、ポートフォリオの完成が間近で、安定的な運用に切り替えていくタイミングとしてであれば、活用できるのではないかと思います。

 

 もし、「まだその状態になっていない」という方がいましたら、まずはご自身のマネープランの作成・もしくはプランの見直しから検討してみてはいかがでしょうか。その際には、以下の書籍が参考になるかもしれません。

 

★好評発売中!

『トップ1%の人だけが知っている「最高のマネープラン」』

https://www.amazon.co.jp/dp/4532358221/winwinproject-22

 

 本書は、「マネープランの作成手順書」という位置付けです。もちろん、それだけにとどまらず、マネープラン作成時に必要な知識や考え方なども一通り網羅してありますので、ご安心いただければと思います。

 この本には、私が共催しているマネーコミュニティのノウハウをふんだんに取り入れてあります。

 

「これから自分の資産を築いていきたい」「マネーリテラシーを向上させたい」「安心した老後を迎えたい」といったご希望にも応えられる一冊です。よろしければ、一度お手に取っていただけますと幸いです。


 

 ありがとうございました。