こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 金融庁の「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」という報告書に端を発した、いわゆる“2000万円問題”が社会に与えた衝撃は大きなものでした。麻生金融相が謝罪したり、安倍首相が釈明したりしたものの、その火種は依然、くすぶり続けています。

 

 とはいえ実際のところ、公的年金だけで安心した老後を送ることができないのは周知の事実であり、各自でも老後に向けた資金を確保しておくべきことは、言うまでもありません。

 

 さて。そうなると、必要とされるのは貯金ですが、こう言われると、途端にトーンダウンしてしまう人が結構います。ほとんどの人は、貯金が大事であることを認識してはいても、なかなか思うようにいかないのが実情ではないでしょうか。

 

 多くの人が、「貯金をしよう」「貯金をしたい」と思いながら、結局、できていないのは、おそらく「余ったら貯金しよう」と考えていることが要因の1つなのだと思います。あなたにも思い当たる節があるのではないかと思いますが、「余ったら貯金」といっても、実施に余った試しなどないでしょう。だったら、どうすれば貯金ができるのかというと、もっとも手っ取り早いのは、「先に取り分けてしまうこと」です。

 

 たとえば、こんな方法があります。サラリーマンの方であれば、給与は銀行振込となっているところがほとんどだと思います。実は、会社の中には「給与の振込先は、第2口座や第3口座までOK」、というところがあります。仮に毎月の給与が30万円であったとして、「15万円を第1口座に、残りを第2口座へ」、といったことが可能だ、ということです。

 

 これを聞いて、「へぇ〜、そんなことができる会社があるんだ」と思った人もいるでしょう。私が以前、大手出版社の編集者に内情を聞いてみたところ、「ウチの会社は第2口座まで指定できるのですが、実際にそれをやると、人事から相当嫌な顔をされます」という裏事情を話してくれたことがあります。

 

 人事に嫌がられるかどうかはともかく、給与の振込先を複数に分けられる一番の利点は、利便性です。これであれば、引き落とし口座と、当座の資金を入れておく口座とをそれぞれ指定でき、いちいち自分で移し替える必要がなくなります。貯金できない人は、この制度を積立預金のようにして使う、という方法もあります。もちろん、実際の定期預金などを利用してもいいのですが、「申し込むのが面倒」、という人には、最初から給与を分けて振り込んでもらうのも1つの手だ、ということです。

 

 貯金をするコツとしては、「お金を使う順番がすごく大事」です。世の中には、「自己投資をしたいけれど、そのためのお金がない」と言って、無料セミナーばかりに通っているような人がいます。もし、本当にセミナーに行くことが、自分の将来にとって大事なのであれば、最初にその金額を確保してしまうことが一番です。

 

 それでは「いくらまでなら自己投資に充ててもいいのか?」ということに関しては、家計簿を付けない限り、正確な数字はわかりません。もし、それが難しいようなら、まずは毎月の収入の10%を充てられるよう、徐々に調整してみていただければと思います。

 

 自分の資金には限りがある以上、残念ながら「あれも「これも」…というわけにはいきません。そうなれば、必然的に自分にとって優先順位の高い順に、資金を割り当てていくしかありません。それが、“順番が大切”の意味するところなのです。よかったら早速、「自分にとって何がもっとも大切か?」と自問するところから始めてみてくださいね。

 

 あなたの中で、貯金はどれくらい優先順位が高いですか?


 

 ありがとうございました。


 

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