こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

「人生100年時代」と言われる高齢化社会が現実のものになりつつある中で、先日、金融庁が資産形成など国民に自助を求める報告書をまとめました。

 

公的年金だけでは不安 国は自助を求めるけれど…

https://www.asahi.com/articles/ASM5Q5W0CM5QULFA048.html

 

老後に関して、特に重要なのが「長くなった老後を支えるだけの資金を、どのようにして確保するか?」ということです。かつては、老後のことを「余生」と言いましたが、余生どころか、今ではメインテーマになりつつある、と言っても過言ではありません。

 

ところで、人生設計を考える際に、世の中で流布している誤った考え方が2つあります。1つ目は「老後は支出が減る」、という誤解です。これは老年期に入れば、たいてい住宅ローンが終わっていたり、子供が自立して教育費がかからなくなったりすることから、現役時代に比べて生活費がかからないイメージがあるのでしょう。

 

しかし、気をつけなければならないのが、「老後は労働しなくなった分だけ、自由な時間が多くなる」という点です。老後に入るまで、ほとんどの方は、労働に1日の大半の時間を費やしています。それがいきなり自由になってしまうと、余った時間を埋めようとして、お金を使うことになります。「趣味を始める」「仲間との集まりに顔を出す」「今まで行けなかったところに旅行に行く」等々。

 

それが悪いという意味ではありませんが、「老後に入ったからと言って、必ずしも支出が減るとは限らない」、ということを念頭に置いておいていただければと思います。最初から支出が減るつもりで準備をしておくと、下手をすれば、後で資金が底をつく可能性があります。基本的に、「老後資金は現状維持」くらいのつもりで準備をしたほうがいいでしょう。

 

続いて、世の中によくある誤った考え方の2つ目ですが、「リタイア後は資産を切り崩すことを前提にする」、ということです。実は、こう言うFPは結構いますし、Webの記事でもよく見かけます。なぜ、この考え方に気をつけたほうがいいのかと言うと、「資産を切り崩すだけでは、いずれなくなってしまう可能性がある」からです。

 

たとえば、寿命を80歳と仮定して、生活費を月々30万円と見積もったとしましょう。65歳から80歳までの資産5400万円を準備したとします。計算通りに毎月30万円ずつ使っていき、80歳の誕生日を迎えた場合、その後はどうなるのでしょうか?(公的年金は、さらなる後ろ倒しが必至のため、あえて資産には入れていません)

 

ポイントは、「寿命は自分では決められない」ということです。自分で自分の寿命を選べないからには、長生きすることが不幸にならないよう、準備しておかなくてはなりません。仮に労働収入が入ってこなくても、投資による運用利回りを得られるようにしておけば、資産を減らさなくて済むか、もしくはなくなるのを遅らせることができます。

 

実際、そうした状態を、いきなりつくることはできません。ある程度の運用利回りを得られるようになるためには、「投資について勉強する」、「投資を始めるための資金を用意する」、等の事前準備が必要になります。老後というのは、労働収入を得られない分、「今までに蓄えたお金と運用益で生きていく」、ということであり、なるべく原資が減らないのが理想です。

 

「老後に必要となる金額はいくらなのか?」ということをあらかじめ把握し、そこに向けた準備をするのは、早ければ早いほど有利になります。私が共催しているマネーコミュニティでは、受講生の方に、まさにこの観点からお話をするようにしています。


 

※このメルマガは、まぐまぐメルマガスタンドで現在連載中の有料メルマガ「俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編」の一部を抜粋したものです。メルマガは月に3回配信され、価格は毎月ワンコイン(税別500円)です。初月は無料で購読いただけますので、ご興味のある方は、この機会にぜひお試しになってみてください。

 

 

「俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編」

https://www.mag2.com/m/0001673621.html

 

 

ありがとうございました。