こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

巷では、「最近は打たれ弱い人が多くなった」と言われています。とはいえ、実のところ、人間には感情がある以上、もともと気分に浮き沈みがあるのは当然のことです。つまり、人のメンタルに弱い部分があるのは、ある意味、当たり前のことだとも言えます。

 

先日、私のセミナー受講生の方から、このような質問を受けました。質問してきた方は、新卒入社して数年になる販売店の社員です。

 

「私は、『自分はメンタルが弱い』と感じています。それがもとで、周りに迷惑をかけていることが多いように思います。人は誰しも仕事をしていると、落ち込んだり、上手くいかなかったり、感情的になったりすることがあると思いますが、そうなった時はどのようにカバーしていけばいいのでしょうか?」

 

この方の場合は、自らメンタルが弱いと自覚しているので、話は早いと思います。先ほど申しました通り、たいていの人は、メンタル的に弱い部分を持っています。ところが、そのうちの多くの人は、自分がメンタル面で弱い部分を抱えていることを認識していません。

 

そもそも、世の中に存在している問題のうち、大部分のものは、当事者がそれを認識するだけで、ある程度は解決できるのではないか、と私は思っています。要は、本人が問題を認識していないために、解消できずにいるのです。

 

私の自らの経験をもとにお話しますと、通常、状況を改善するためには、自分で自分の弱点を自覚することから始めなくてはなりません。私に相談してきた質問者は、ご自身で自分の弱点を認識できていましたから、後は相応しい対応策を採ればいいだけです。

 

次に「弱いメンタルをカバーする方法」についてですが、まずは「自分はどういう時に落ち込むのか?」ということを知る必要があります。問題を深掘りすると同時に、場合によっては一緒に働いている仲間の助けが必要です。1日の中で、どういう時に自分のメンタルが落ちるのか?がわかれば、あらかじめそれを仲間とシェアしておくことで、適切な対処やアドバイスなどももらえるようになります。

 

周りを見回してみても、自分以外の人には不安などなさそうに見えるかもしれません。しかし不安とは、もともと生命を維持するために人間に備わっている本能なのです。あえて、人による違いを挙げるのであれば、対処がビフォーなのか、ナウなのか、アフターになるのか、ということくらいでしょう。なるべく、不安はビフォーで解消しておきたいものです。

 

そのための手段として、まずは自分を客観的に見るよう意識してみてください。それは、“自分”という操り人形を操っている自分がもう一人いる、というような感覚です。このように自分を客観視することを、メタ認知と言います。これができれば、メンタルが下がった時にも冷静に対処できるようになります。

 

たとえるなら、私たちの体は、ちょうど“レンタカー”のようなものです。私たちの意識は、車に乗っている“人”に相当します。車も、ずっと乗っていればガタがくるように、私たちの体も病気になったり、事故に遭ったりします。今は「人生100年」と言いますが、丁寧に扱っていれば長く使えるのは、車も人の体も同じです。

 

結局のところ、自分自身も車と同じように、「自分のクセを知り、上手く運転する」しかありません。自分の特性がわかれば、それを伸ばすことで評価につながります。自分の特性を知るためには、これまで自分が評価を受けてきたことに、まずは向き合うことが大切です。評価を受けた要因を、ぜひ自分なりに分析してみることをオススメいたします。


 

ありがとうございました。


 

★俣野成敏最新セミナー★

http://www.matano.asia/seminar/