こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

人は誰しも、失敗するのはイヤなものです。多くの人は、「何とか失敗しないで済む方法はないか」とか、「1度で成功する方法があったらぜひ知りたい」と思っているかもしれません。

 

実は、早く成功に近づく方法の1つが「失敗すること」です。事例をお話しましょう。」世界的ベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』でおなじみの、ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さんの起業家になる本』の中に、このような話が出てきます。もともと、キヨサキ氏は内気な性格であり、セールスなどとてもできない、と躊躇していました。けれど金持ち父さん(氏の友人マイクの父親)は、「起業家になりたければ、セールスは必須の技能だ」と氏を励まします。

 

当時、キヨサキ氏はゼロックス社の社員でしたが、営業成績はいつもビリ。氏は、金持ち父さんの「早く失敗すれば、早くその状態から脱出できる」というアドバイスに従い、ゼロックス社の仕事が終わった後で、さらに寄付団体の事務所に行き、電話で寄付を募るボランティアの仕事を始めます。営業の仕事は、足を棒にして歩き回っても、1日3軒から7軒を回るのがやっと。けれど、寄付の電話は2時間半で、多ければ20件ほどの電話をかけることが可能でした。

 

キヨサキ氏は、電話をかけ続けることによって、他人から拒否されることの恐怖を克服し、さらに成功事例と失敗事例を研究して、成功確率をアップさせました。するとそれが昼間の仕事にも好影響をもたらし、やがて社内でトップの営業成績をキープするようになったのです。

 

私は「早く成長する」、かつ「大きく成長する」ための方法としては、主に2つのアプローチ法があると思っています。その2つとは「お金」と「時間」です。このいずれか、または両方で損をしないと、人はなかなか突出した成長というのはできません。もちろん、この2つで損をしなくても成長自体はできますが、おそらくその成長スピードは、著しく遅いものとなるでしょう。「次元の違う成長をしたい」と思ったなら、これらのアプローチが不可欠だと考えます。

 

私自身の経験で言うと、社内ベンチャーを立ち上げた時がそうでしょう。この時は、会社が自分の事業資金を出してくれる代わりに、正社員から契約社員に格下げされ、さらに2年後に事業が軌道に乗っていなければ契約の更新はなし、という内容でした。当時、多くの同僚は「なぜ、正社員を辞めて部の悪い社内ベンチャーを選ぶのか?」という感覚だったと思います。けれど私にとっては、正社員のほうが部の悪い賭けに感じられました。

 

私はこの与えられた2年間に、自分の時間を使いました。資金は会社が出してくれましたが、それは自分の残り30年分のサラリーマン給与を賭けていたようなものでした。代わりに「会社はその間、事業に口を挟まない」という約束です。だから私はこの間にたくさん失敗して、そこから学び、最短の時間で経営者としての経験を積みました。仮に私が社内ベンチャーに応募せず、そのまま正社員を続けていたとしたら、今頃はせいぜい課長止まりだったのではないでしょうか。

 

実はこれは、投資の世界にも通じています。つまり、早く小さく失敗することが、成功への早道、というわけです。最初のうちに失敗しておけば、大きな負けをしないで済みますが、これは「一攫千金を狙って、いきなり大金を投じない」という意味でもあります。

 

失敗しながら学ぶことの利点は、1度そこから学ぶと、他へも応用が効くことです。たとえば会社の危機管理は、そのまま投資の危機管理にも通じるでしょう。成功法則の多くは、汎用性があるのです。


 

ありがとうございました。


 

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