こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

広く世間を見渡してみるに、意外に勉強熱心な方ほど、「習ったことを上手く活かせない」「行動しても変わらない」「すぐに忘れてしまう」といった悩みをお持ちであるように感じられます。もちろん、頑張っているからこそ、このような悩みが出てくるわけですが、そこからもう一歩先に進むためには、どうしたらいいのでしょうか?

 

頑張っているのに、なかなか成果が出ない人に共通して見られる特徴とは、「1回で成功しないといけない」と思っていることではないでしょうか。それは、学校教育で「失敗は悪いことだ」と教えられてきたせいでもありますが、実際、失敗するのは怖いものです。

 

逆に、うまくいっている人に共通して見られる特徴としては、「1回で成功するはずがない」と思っていることが挙げられます。要は、成果を出している人とそうでない人とでは、前提条件が違います。うまくいっている人たちが、異口同音に口にするのは「1番のリスクは行動しないこと」だ、です。なぜなら、行動しないと経験が積めませんから。実は、知識の習得もさりながら、経験こそがもっとも大事な“資産”なのです。

 

アメリカのベストセラー作家であるロバート・キヨサキ氏の、『金持ち父さんの起業する前に読む本』の中に、このような話が出てきます。ある日、キヨサキ氏がラジオ番組に出演します。そこで、氏はインタビューに答えてこのように話します。「急速に変化する今日の世界では、リスクを取らない人こそがリスクを取っている」のだ、と。

 

司会者の「あなたは失敗が怖くはない?」という質問に対して、キヨサキ氏は「私も、失敗するのは大嫌いです。けれど、失敗がビジネスの成功に至るプロセスの一部であることを理解しています。私にとって、失敗とは何かを飛躍的に学習するチャンスが目の前にあることを意味します。失敗すると、『新しい私』になるためのスタート地点に立っていることがわかるのです」と言いました。

 

それを聞いた司会者は、「私は間違いを犯すのはとてもイヤです。自分がバカだと感じるのがイヤなのです。すべてを正しいやり方でやる。つまり会社がやれと言うやり方でやることが大事だと思っています」と言いました。

 

その時、氏は「従業員と起業家の1番の違いはここにある」、と口にします。「従業員としての仕事は失敗しないことであり、対する起業家の仕事とは失敗し、リスクを取ること」なのだ、と。

 

私がサラリーマン時代に、社内ベンチャーを立ち上げたことは、これまでにも度々お伝えしてきました。この話をすると、「メーカー内にそれまでなかった流通業を立ち上げるのは怖くはなかったですか?」とか「社内に誰も流通を知っている者がいないのに、どうやったのですか?」といった質問をよく頂戴します。

 

その答えは、「社外の人に聞く」ということです。社内では初めてのことであっても、社外であれば、ほとんどの答えは用意されているはずです。「だったら、社外の誰に聞けば?」という質問については、普段からセミナーに参加したり、コミュニティに加入したりして、そういうことを聞ける相手を見つけておくことでしょう。逆に言うと、史上初のことなどそうそうない、ということです。

 

元来、すべての行動には「武勲と教訓」しかありません。成功すれば自分の武勲になり、失敗すればそこから教訓を得られる、ということです。もし、これをお読みの方の中で、「失敗するのが怖い」という方がいれば、まずは「経験する」ことを目標にしてみてはいかがでしょうか。そうすれば、行動する前に固まってしまうのを、ある程度は防げるかもしれません。


 

ありがとうございました。


 

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