こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

最近、特に言われるようになったキーワードが「人生100年時代」ではないでしょうか。よく考えてみれば、これまでは約40年と言われてきたサラリーマン人生が、これからは定年が後ろ倒しになることによって、50年、あるいはそれ以上になる可能性もあります。

 

それだけではありません。「人生100年時代」の先駆けとなった書籍『ライフシフト 100年時代の人生戦略』によると、日本で2007年に生まれた子供の半分は107年以上生きると予想されており、2050年までに100歳以上の人口は100万人を突破する見込みだということです。こうなってくると、たとえ定年が75歳になったとしても、その後の無収入状態が25年以上も続くことになります。

 

私が共催しているマネースクールでは、基礎講座以外にも最新情報をお伝えしたり、サミットや懇親会などを通じて、コミュニティメンバーとの交流を図っています。たとえば先日は、サラリーマンをしている会員の方から、このような質問が出ました。

 

質問:「マネースクールに入って、お金のことに関してはだいぶ道筋が見えてきたのですが、この先『65歳まで働くのか』と思うと「先が長いな」と感じます。これだけ長いと、『仕事にやりがいがなければ、続けるのが難しいのではないか』とも考えています。俣野さんはどう考えているのでしょうか?」

 

私は、「自分の人生設計は、自分でできるようになることを目指しましょう」と答えました。定年や再雇用などは、あくまでも制度上の話でしかありません。与えられるのを待つのではなくて、「自分の定年は自分で決める」ことをゴールにするわけです。それができれば、老後の安心感だけではなくて、現役時代の充実感にもつながります。

 

これは「マネープランの策定と実践」という、当スクールの大きなテーマでもあります。要は、「準備段階として助走期間を設ける」ということです。たいていの人は、「忙しいから後で考えよう」とか「辞めて、少しゆっくりしてからにしよう」と考えがちです。しかし“老後の安心”というのは、なかなかの難敵です。何が起こるかわからない未来の安心感を得るためには、準備期間を長く設けて、徐々に近づいて行かなければなりません。

 

そもそも、今までサラリーマンしかしたことのない方が、いきなりセカンドキャリアのことを考えようとしても、難しいでしょう。それこそ、「副業が解禁になったから、副業でもっと稼ごう」と思っても、何をしたらいいのかわからないのと同じです。ですから、いきなり「何をしよう?」ではなくて、まずはそれを考えるための時間を確保するところから始めてみてはいかがでしょうか

 

実は、意外に時間がないほうが集中できて、よい結果をもたらす場合があります。たとえば、ソフトバンクの孫正義社長は、アメリカに留学していた時代は、朝から晩まで教科書から目を離さず、脳がちぎれるほど勉強した、といわれています。そんな中で1日に5分間だけ、自分のためにビジネスを考える時間をつくります。そこから翻訳機を発明し、シャープに1億円で売却、現在のソフトバンクの基礎をつくりました。

 

本来、セカンドキャリアというのは、考えてもすぐに思い浮かぶようなものではありません。けれど、サラリーマンには「仕事が安定しているからこそ、小さくトライできる」という利点があります。一方、独立後に失敗すると、命取りになる可能性もあります。「生活の糧を確保しながら試行錯誤ができ、仕事との相乗効果も狙える」というのが、サラリーマンをしている大きなメリットなのです。


 

ありがとうございました。


 

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