こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

2017年の年末から18年の年始にかけて、大きな盛り上がりを見せていた仮想通貨。日本では1月末に発生したコインチェックの仮想通貨流出事件が世間に大きなインパクトを与えました。

 

それ以外にも、世界各地で頻発するハッカーとの攻防や、3月に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議上で、仮想通貨に対する監視の強化が呼びかけられるなど、常に話題には事欠かないできました。しかし今、仮想通貨に対する規制が、日一日と強まっています。元祖・仮想通貨のビットコインは、2017年12月に最高値の1BTC200万円を超えたものの、現在(2018年7月)ではその3分の1ほどの値段で推移しています。

 

その最高価格が、実は操作されていたのではないかという疑惑が持たれています。アメリカ・テキサス大学のジョン・グリフィン教授らが仮想通貨テザーの取引記録を分析したところ、テザーを売ってビットコインを買い支えしていたことが、年末に起きたビットコイン高騰の一因なのではないか、との結論に達したと言うのです。

 

ビットコイン価格操作疑惑

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32739790X00C18A7EA1000/

 

なぜ、このようなことができるのかといえば、もともと仮想通貨の市場規模が小さいために、容易に価格操作をすることが可能だからです。市場規模が大きければ、売りたい人と買いたい人が大勢いるため、1人の市場に与える影響は小さくなります。しかし小さい市場で1度に大きな金額を動かそうとすると、それが市場心理を大きく左右するのです。

 

結局のところ、世の中があれほどまでに熱狂した仮想通貨とは何なのでしょうか?

 

仮想通貨とは、その名の通り「通貨」です。通貨とは、人間同士が価値のやりとりをするために使われる“媒介”です。現在の通貨は主に紙か鉱物でつくられていますが、通貨自体にはやりとりする金額分の価値はありません。たとえば、1万円札には1万円分の価値はありません。

 

かつて、通貨は金や銀で鋳造されていましたが、それでは持ち運びに不便で、常に盗難の危険がつきまといました。それに比べれば、紙幣は軽くて持ち運びが簡単です。だから金や銀に代わって、今では紙幣が通貨の主流になっています。とはいえ、なぜ所詮は紙に過ぎない紙幣を、誰も不安に思うことなく使っているのかと言うと、国が「この紙幣には1万円分の価値があると見なします」と保証しているからです。

 

それまで通貨は、金や政府など、何かしらの裏打ちを必要としてきました。実は通貨の発行権は、国家の最大の利権です。何せ、“ただの紙”に保証をつけるだけで、価値あるものに早変わりするのですから。ところがここに突如として、金で担保する必要もなく、国家の保証も必要としない、新しい通貨が誕生しました。

 

仮想通貨はデジタル通貨ですので、紙よりもさらに便利です。財布などを必要とせず、物理的な保管場所もいりません。けれど仮想通貨は、新たな問題も引き起こし始めています。それは仮想通貨が、場合によっては国に止まらず個人でさえも、その仕組みを使うことによって「通貨を発行できる」という可能性を開いたからです。

 

これまで、少なくとも数百年は続いてきた通貨の仕組みが、今、変わろうとしています。国が発行する通貨でさえも、いずれはデジタル通貨の比率がリアル通貨を超えるでしょう。「これから、仮想通貨とどのように付き合っていけばいいのか?」「自分の資産形成を考える際に、どのような影響が考えられるのか?」といったことをお知りになりたい方は、よろしければ、以下の書籍がお役に立つかもしれません。

 

『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』

https://www.amazon.co.jp/dp/4532321735/winwinproject-22

 

ご興味のある方は、ぜひお手に取ってみていただければと思います。


 

ありがとうございました。