こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

2018年5月30日、総理大臣官邸で阿部首相を中心とした第2回「ニッポン一億総活躍プラン」フォローアップ会合が開催されました。

 

ところで、このニッポン一億総活躍プランって何でしょうか?それは、政府が打ち出した「⼥性も男性も、お年寄りも若者も、⼀度失敗を経験した⽅も、障害や難病のある⽅も、家庭、職場、地域等のあらゆる場で、誰もが活躍できる全員参加型の社会を実現する」というプランのことです。これが実現すれば、

 

(1)名目GDP600億円の達成(アベノミクス三本の矢の強化)

(2)それによって得られる成果を子育てや介護分野等、社会に還元していく

(3)成長と分配の好循環を実現し、日本を持続性のある成長軌道に乗せる

 

…というのが、プランの趣旨になります。

 

ここには、今の日本が直面する喫緊の課題が詰め込まれています。たとえば、「子育て→人口減の問題」「介護→高齢化の問題」「名目GDP600億円→経済の活性化」等々。挙げたらキリがないでしょう。現状、日本社会において、もっとも大きな影響を与えると考えられるのが人口問題です。人口動態を見れば、未来はほぼ正確に予測することができます。

 

もちろん、このプランが実現してくれればそれに越したことはありませんが、未来に関する予測は「万一、それが希望通りの展開にならなかった場合はどうするか?」ということも考えておかなくてはいけません。マクロ的な取り組みについては、政府にお願いするしかないとして、我々個人レベルにおいては、どのようなことができるのでしょうか?

 

まず、国が「名目GDP600億円の実現」を掲げているのは、それが上がらないことには、社会保障費が捻出できないからです。つまり、GDPとは国にとっての“売上”に相当します。けれど人口が増えない現状においては、残念ながら「内需は減り続ける」という予測がつきます。

 

結局のところ、経済を上向かせるには「内需を増やすか外需を増やす」しかありません。ですから、このままでいくようであれば、「今後、日本の国としての価値は下がっていく」ということになります。

 

この見通しの下で、私たちに大きな影響を与えると思われるのが“為替”です。それは「日本円の価値が下がる」ということですが、もしかしたら、あなたはこれを読んで「自分は海外に行かないから関係ない」と思われたかもしれません。しかし資源の少ない日本は、物資の多くを輸入に頼っています。よって、海外に行くことがないとしても、物価の面で大きな影響を受けることになります。

 

物価が上がるということは、「買えるものが少なくなる」ということを意味します。それは、「銀行に預けておいたあなたの貯金が目減りする」ということです。見た目は、同じ100万円のままであっても、国の価値が下がるというのは、そういうことなのです。

 

誤解しないでいただきたいのですが、これは「今すぐ日本円が下がる」という話ではありません。以後、政府が採る施策やその成否によって、未来が変わる可能性は大いにあります。1つ言えるのは、「未来がどう動くのかは誰にもわからないけれど、大事なのは『どちらに転んでもいいようにしておく』」ということではないでしょうか。たとえば、資産運用をする際に、一部を海外で運用することも検討するとか、資産の一部を外貨で持つ、などです。

 

今回は、身近なニュースに解説を加えてみました。あなたも以後はぜひ、国が打ち出す政策などからも、未来がどうなるのかを読み取るクセをつけてみてください。もちろん、それを実際にご自身の行動に反映させることも忘れずに。


 

ありがとうございました。


 

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