こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

「自分を律する」ことの難しさを、感じたことのない人はいないでしょう。それがどれだけ困難なことなのかを知りたければ、日々、流れてくるニュースを聞いていればわかります。人生が失敗と改善の繰り返しであることは、論を待つまでもありません。とはいえ、ものごとが思うように運ばず、人が自分のことさえままならないのは、世間で普通に見られることです。

 

ずいぶん昔の話になりますが、アメリカ合衆国建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンは、自分に対するマイルールを作成し、それを週替わりで実践していたといいます。そのルールとは、「暴飲暴食をしない」「自分にも他人にも不利になる話はしない」「人をダマしたり危害を加えない」「不正を行わない」といった13ヶ条からなっていました。

 

ところが、そのどれもが実行するのに理性を必要としたため、フランクリン自身も「完全実行どころか、それに近い域に達することさえできなかった」というような言葉を残しています。アメリカの100ドル札に印刷されている偉人でさえも、守るのが難しかったというマイルール。短期的であれば理性で自分を抑えることができても、長期的目標の達成にも理性を前提にしていては、挫折するのは目に見えているわけです。

 

このメルマガはビジネスマンの方向けに書かれていますので、今回はビジネスに特化したマイルールについてお話することにしましょう。ビジネス上のマイルールとは、人生のマイルールとは少し違い、一般に「成功法則をパターン化する」ことを言います。ビジネスは長期的視野から考えることが基本となるため、理性は当てにはなりません。ですから、コツは仕事を仕組み化することにあります。マイルールを作成するに際しては、以下の3ステップを経て行われます。

 

《仕事でマイルールを作成するための3ステップ》

 

(1)仕事を飽きるまでやる(習熟する)

(2)自分の中で行動をパターン化する(経験の共通点などを探してまとめる)

(3)過去の経験をもとに想定内のことを増やしていく(経験知を積み上げる)

 

仕組み化することの第1の条件は、「飽きるまで仕事をする」ことです。つまり「目をつぶっていてもできるくらい」の状態にまで仕事に習熟します。それだけやっていれば、ある程度は自分の中に仕事のパターンができているはずですが、より意識を向けてブラッシュアップするようにします。自分の行動をパターン化したら、さらに仕事の応用範囲を広げ、同時に経験知を蓄積していきます。

 

マイルールが出来上がった後は、常に改善を繰り返します。ルールはあるだけでは意味をなさず、使いながらより精度を高めていくことが大切です。

 

実は、これで終わりではありません。一流と呼ばれる人たちは、ここからさらに飛躍することを目指します。それは何かと言うと、「つくったマイルールを改定すること」です。改定するとは、「決め直す」という意味ですが、なぜ、わざわざつくったものを新しくする必要があるのかというと、“現状に安住しないため”です。

 

人は、環境が出来上がってしまうと、やがてそれに慣れ、新しいことにチャレンジするのが億劫になってしまいます。そうなると始まるのが“退化”です。成長し続けるためには改善だけではこと足りず、革新が必要になります。そうは言っても、おそらくすべてを刷新、ということにはならないでしょう。良いものは残し、古くなったもの、通用しなくなったものを新しいものと入れ替える、というイメージです。

 

マイルールを改定する方法の一つが、「自分とは違うルールを持つ人に会ってみる」ことです。そうすることによって、良い意味で自分の中の常識を壊し、それが刺激となって、新しいルールが定義付けされるのです。


 

ありがとうございました。


 

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