こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

現在は人類史上、例を見ないほどの情報が氾濫している時代です。こうした時代になる前は、主に巨大メディアを中心に、一部の限られた者だけが情報を所有し、それ以外の人は与えられた情報の中だけで判断するしかありませんでした。

 

だったら、今の世の中になって「情報は無料でいくらでも手に入るようになったのだから、価値がなくなったのか?」と言うと、その逆です。むしろ、人々は貴重な情報を求めて、ますます探し回るようになっています。

 

たとえば、私は時々、サラリーマンの方を対象にセミナーなどを開催していますが、たいてい、質疑応答の場面で「そうした情報を、どこで手に入れているのですか?」という質問を受けます。

 

今は大企業でさえも、情報の管理が難しいのが実情です。先日、日用品でお馴染みのユニリーバが、SNSへの広告打ち切りを検討している、という報道が流れました。

 

ユニリーバがフェイスブックなどへの広告中止を検討

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26818980T10C18A2000000/

 

記事によると、近頃SNS上で偽ニュースや違法コンテンツが増えているため、同社はそこに自社の広告を打つことによるマイナス面を憂慮しての対処だということです。これに関しては、フェイスブック自身も最近、「虚偽を含む行為と密接に関係している」として仮想通貨、バイナリーオプション、ICOの広告を禁止しています。このように、情報の発信側でさえも、情報の質を保つことに苦労している様子が伺えます。

 

それでは、情報の受け手側としては、何を基準に情報と接していけばいいのでしょうか。一番手っ取り早いのは、「信頼の置けるところからの情報を購入する」ということです。こういうと、中には「情報が無料で手に入るこの時代に、お金を出して買う必要があるの?」と思われる方もいるでしょう。しかし、このような時代だからこそ、お金を払ってでも買う情報には価値があるのです。

 

情報の発信者の立場になってみればわかりますが、そもそも自分の大切な情報を無料で流そう、などという人はいません。価値ある情報であればあるほど、無料で流すことはないはずです。なぜなら、その情報を得るためにもコストがかかっているのですから。

 

実を言うと、私も1平社員だった頃は「情報は無料なのが当たり前だ」とか「無料のほうが得だ」と思っていました。当時は先輩や上司の特技や知恵、経験などをマネしてその技を盗むことがセオリーだと考え、そうしていました。ところが社内ベンチャーに応募し、自分でビジネスを始めるに際し、社内にはそのモデルとなる人がいませんでした。「メーカー内で小売流通業を興す」というのは、社内の誰も経験したことがなかったからです。

 

しかし、会社の外になら、その道のスペシャリストはいくらでもいました。それまでの私は、同じ会社の先輩や上司から教わるのにお金を払うことはありませんでした。けれど起業に際しては必要に迫られてお金を支払い、スペシャリストの持つ情報に学んだことによって、その良さに開眼したのです。

 

それ以来、「欲しい情報は、その分野の知識と経験を持つスペシャリストから得る」というのが私のやり方です。そのスペシャリストとはもちろん、実績と実力を兼ね備えた人でなければなりませんが。

 

確かに、無料の情報の中にも良い情報は混じっています。けれどあまりにも情報が氾濫しているために、どれが良い情報なのかが見分けづらくなっています。有料の情報とは、そうした不要の情報をある程度は省く効果があります。結局、「無料」と言っても、その中から探したり読んだりする際に“自分の時間”という貴重な資源を費やしている、ということを、どうか忘れないでいただきたいと思います。


 

ありがとうございました。


 

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