こんにちは。俣野成敏です。
(2017年)7月18日、くるべき日本の超高齢化社会に備えて、内閣府の有識者検討会が開かれました。会では主に、公的年金を受け取る年齢を70歳以降にする仕組みづくりについての具体的検討に入ったということです。ここでまとめられた高齢社会対策大綱の改定案をもとに、政府が年内に決定し、中長期的な課題として打ち出される予定になっています。
検討会では、「年金の受給開始年齢を75歳とか、もっと繰り下げてもいい」といった意見も出されました。働ける元気な高齢者を支援するのが狙いだということです。
内閣府の検討会で意見
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170719-00000017-asahi-soci
これを行う理由は明白で、日本の財政が厳しいからです。とはいえ、ただ、年金の受給開始年齢を繰り下げるだけでは多くの人が生活できなくなってしまいます。そこで政府が経済界に働きかけているのが「雇用の延長」です。
厚生労働省は2016年10月、「平成28年高年齢者の雇用状況」の結果を発表しています。それによると、2016年6月1日現在、調査した従業員31人〜300人以下の中小企業のうち3982社と、従業員301人以上の大企業の82社が「定年制を廃止している」と回答しました。また、それ以外の中小企業2万3187社と、大企業の297社が「定年を65歳以上に定めている」と答えたということです。
「現状のままでは、年金制度が維持できない」ということは既に分かっています。だから制度を1日でも、1年でも長持ちさせるために、さまざまな延命措置を図っているワケです。
最近、話題の働き方改革にしても同じことです。多くの人は「残業が減る」「副業ができる」というので喜んでいるかもしれませんが、実はその裏には「副業でも何でもして、自分の老後資金は自分で稼いでください」というメッセージがあります。
どのようなものごとにも、必ず表と裏があるものです。私はこれを「A面とB面」と呼んでいます。たとえば、「少子高齢化で労働力が減るから、ベテランの力を借りましょう」というのがA面です。対するB面とは「65歳の年金支給開始を70歳にしたい」ということです。
冒頭の検討会で、すでに「年金開始を75歳から」という声が挙がっていたように、おそらく、現在50代半ば以下の方々は、年金の支給開始がさらに遅れることでしょう。
それは、すでにわかっている未来です。だったら、見ない振りをするのではなく「すでに見えている未来に対して、今、何をするべきなのか?」ということを念頭に行動すべきなのではないでしょうか?つまり「自分たちが高齢に達した時には、年金が出ない可能性がある」と想定した上で、それに備えて準備をしておくことです。
「未来を変えるための一歩」と言うと、たいていの方は大げさに考えます。たとえば「将来に向けて、今日から月5万円ずつ貯金する」「年金保険に加入する」等々。しかしそうなると、行動するまでのハードルが高くなるのではないでしょうか?
もっとも効果的なのは、まずは考え方から変えることです。その第一歩として、以後は何かニュースが流れる度に「根底で動いているものは何だろう?」「このニュースのB面には、どのような真意が隠されているのか?」と考えることを習慣にしてみてください。小さいけれど、今すぐできる確実な一歩が、あなたを変える原動力となるのです。
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ありがとうございました。