こんにちは。俣野成敏です。

 

人には誰しも、夢や目標、目指す姿などがあるものです。あなたは、いかがでしょうか?

 

以前、社会人向けのセミナーを開催した際に、受講生の方からこう質問されたことがあります。

 

「俣野さんは最年少で一部上場企業の上級顧問にまでいかれたということなのですが、そのままその会社にいれば、本社の社長になることも夢ではなかったのではないでしょうか。どうしてその地位を捨てて、あえて独立されたですか?」と。

 

その可能性はあったとは思います。老舗の一部上場企業では、40歳くらいで課長になるのが最短の出世コースです。大企業にはいろいろな専門家がいますが、ことマネジメントに関しては、最短の出世コースでようやくマネジメント(それも中間管理職)の入口に立つ段階です。

 

私は40歳になった頃には、社内ベンチャーの事業化を通じてすでに10年のマネジメント経験がありました。マネジメントという専門分野においては、同世代の誰にも負ける気はしませんでした。

 

当時の私が考えたのは、「すでに確定した利益と、未来の利益のどちらがより大きくなる可能性があるか?」ということでした。たとえば、上場企業の社長になったとしたら、年収4000万円くらいはもらえていたでしょう。片や起業に失敗すれば、収入はゼロになります。

 

確定利益と未来利益について、もしその二つがどう考えてもイコールなのだとしたら、それは絶対、確定利益を選んだほうがいいでしょう。そこに居さえすれば生じる権利ですから。しかし、未来の展望がもっと開けていて、ワクワクするような未来があるのだとしたら、あなただったらどちらを選びますか?

 

 

ずいぶん昔のことです。ある時、知り合った50代のサラリーマンの方が、私にこのように話したことがあります。「あと10年、今の会社でガマンすれば、退職金が1000万円増えます。だから本当は、明日にでも会社を辞めたいのですが、仕事は続けるつもりです」。

 

この話を聞いて、私はとても「惜しいな」と思いました。なぜなら、大事なのは地位でも名誉でもお金でもなくて、その方の時間だからです。

 

「大事なのは時間」と言っても、本当に価値があるのは時間ではありません。時間を費やすことによって「生み出す価値」こそが貴重なのです。知り合った方は、残念ながら「10年あれば、自分は一体どれだけの価値を生み出すことができるのか?」ということには目を向けていませんでした。

 

実のところ、会社とは基本的に「自分が価値を生み出す際に利用するシステム」の一つであるに過ぎません。会社が持っているブランド、商品、設備、人材等々。すべてが価値を生み出すための資源です。

 

ですから、今の会社に留まることによって、より多くの価値が生み出せるのであれば、そこにいればいいことですし、「ここよりも、もっと自分を活かせる場所がある」というのであれば、そちらへ行ったほうがいいのかもしれません。いずれにせよ、私が言いたいのは「場所は関係ない」ということです。

 

重要なのは社長になることではありません。「その地位、その資源を使って何ができるか?」のほうです。私は、当時いた世界よりも、新しい世界に飛び出すほうが、未来利益は大きいと判断しました。

 

もし、あなたが「自分はどうだろう?」ということであれば、ぜひ「実験してみる」ことをオススメします。実験とは、具体的には「副業をする」ことです。私も、サラリーマンを卒業する前には、本を出版したり、フランチャイズ店を出店したりといった実験をしました。実際にやってみると、いろいろなことがわかるのではないかと思います。

 

幸い、今は副業もオープンになって、いろいろ実験できる社会的な風土は整いつつあります。ぜひ、一人でも多くの方が果敢に挑戦し、自分の未来の可能性に気づいてくださることを願ってやみません。

 

 

ありがとうございました。

 

 

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