こんにちは。俣野成敏です。

 

これをお読みの方の中で、「今の収入に満足している」という方はおそらくいら

っしゃらないのではないでしょうか。しかも、今までの経験から、「以後はどれ

くらいのペースで昇給していくか?」というのも、ある程度は予測がつくことと

思います。そこでもし、「これではやっていけない」と感じた時に、多くの人が

次に考えることといえば、やはり「転職」の2文字なのかもしれません。

 

実際、現在の転職市場は活況となっています。転職サービス「DODA」の調査に

よると、2017年2月の有効求人倍率は調査開始以来(2008年1月)の過去最高

を更新し、2.38倍になったと伝えております。最近の人手不足を反映し、極端

なことを言うと、職を選ばなければ「誰でも転職できる」状態となっています。

 

DODA 転職有効求人倍率

http://www.inte.co.jp/library/recruit/20170313.html

 

そうなってしまうと、「少しでも会社に不満を持てば転職を繰り返し、職を転々

としても理論上、生活ができてしまう」状態になっていると言えます。労働者に

とっては完全に売り手市場だとはいえ、「給料が少ない」とか「仕事がつまらな

い」という理由だけで転職を繰り返しているようでは、本人にも良いことはあり

ません。一時的な評価や年収のことだけを考えるのではなく、もっと長期的に見

て「自分のキャリアにとってプラスになっているか?」と考えることが大切です。

 

私の受講生の方の中に、東京都内でサラリーマンとして忙しい毎日を過ごして

いる方がいました。ところがある時突然、地方転勤を命じられ、それに従いまし

た。地方も大阪、名古屋のような地方大都市でもなく、県庁所在地でもない本当

の田舎です。

 

東京での生活は忙しかったのですが、メリハリもあり充実していました。そんな

中で突然、田舎へ転勤など、ほとんど転職と同じです。給料は、単身赴任手当な

どで増えましたが、仕事量も激減し、毎日暇を持て余す生活が始まりました。あ

る日、同窓会で東京に戻った折りにその話を友人にしたところ、「楽な上に給料

も上がったなんて羨ましい」と言われてしまいました。

 

それでもその人は頑張って、その地域の主管支店などからも、自主的に仕事を請

け負い、業務なども引き受けたりしましたが、評価は上がりませんでした。どう

もその人は仕事ができたために、東京にいた時は上司からライバル視され、地方

に行っては、周りとペースが合わずに浮いた存在になってしまったようでした。

 

実はその人も、東京にいる時は給料に不満を持っていました。「こんなに忙しく

しているのだから、もっと給料が上がらなければおかしい」と思っていました。

けれど、自分がいざ「楽で給料も良い」仕事に就いてみると、全然楽しくない

とに気づきました。

 

田舎暮らしが2年を過ぎ、「ここにいても先はない」と感じたその人は、転職活

動の結果、ある企業への中途採用が決まり、転職しました。転職先は、以前の会

社と給料はさほど変わりませんでしたが、会社の将来性に着目し、そこに決めま

した。新しい会社では様々な業務を行い、時には海外企業との取引なども担当し、

田舎で腐りかけていた状態から脱することができたということです。

 

ご本人は、「どん底を味わい、何をしても結果が出ない状態があったからこそ、

会社からチャンスを与えてもらえる今を大事にできる」と話しています。

 

年収は、確かにバロメーターのひとつになります。しかし人の能力は正しく努力

すれば、青天井で成長していくことが可能です。「楽に給料のもらえるいい会社」

は、安泰に見えて、いつリストラなどの憂き目に遭うかもしれません。

 

カギは、「自分が成長できるかどうか?」なのです。

 

もし、今の待遇に不満を感じて「転職」の2文字が頭をよぎったら、まずは10

年スパンで自分の姿を思い描いた上で判断してみてください。「年収は結果的な

もの」と考えた方が、むしろ自分の可能性を広げることができるのではないで

しょうか?


 

ありがとうございました。


 

本日のお話はここから

『残業しないのに給料が上がる人がやめた33のコト』

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