こんにちは。俣野成敏です。

 

サラリーマンをしていると、「職場の人間関係」というのは非常に重要なファク

ターとなってくるでしょう。実際、仕事よりも人間関係の方に悩んでいる人も多

く、本屋に行けば、コミュニケーションに関する本が山積みになっています。け

れど、いまだに新しい本が出版され続けているということは、「それだけでは問

題が解決できない」ということの証なのかもしれません。

 

 

ここでちょっと、例題をお出ししましょう。あなたが上司だったとします。

もし、部下に対して仕事を依頼する場合、次の言い方のどれが正しいと思います

か?

 

(1)「これ、明日までにやっといて」

(2)「申し訳ないがこれを明日までに終わる様に対応してくれないかな」

(3)「忙しい所大変申し訳ない。○○の理由でどうしてもこれを明日までに仕上

げる必要があるから、君の力を貸してくれないか」

 

多くの人が、(3)が答えだと思うのではないでしょうか。実際、これが言えるの

であれば、何の問題もありません。けれど、働いている時は、他のことに気を取

られていたり、顧客との交渉がうまくいかなかったり、いろいろあります。

「(3)を言うべきだ」と頭ではわかっていても、ほとんどの人がそれを実践でき

ないから、悩んでいるのだと思います。

 

だとしたら、これに代わる方法はないものでしょうか?実は、あります。それは、

行動に一貫性を持つ」ということです。

 

もう、ずいぶん前の話になりますが、まだ私が役職なしのサラリーマンだった頃

の話です。お昼休みの時に、女性社員が給湯室で噂話をしているのに出くわした

ことがあります。「○○さんは、上司の受けはいいけど、実際はこうだよね」「わ

かるわかる」「△△さんっていいよね」「うんうん」・・・その時、私は彼女たち

が話している評価と、実際の役職との間に差があることに気づきました。

 

そこで、噂の対象だった人たちの様子を注意深く伺ってみると、女性社員の評価

が実に的を得ていることがわかりました。それはおそらく、彼女たちが彼らの仕

事を引き継ぎ、業務を処理する立場だからなのでしょう。もし、「これ、やっと

いて」と渡された資料が間違いだらけだったりすれば、受けた人はそれを直すだ

けでも時間を取られることになってしまいます。けれど、下の人たちは「それも

仕事の一部」としてやるしかありません。

 

確かに、上の人は「自分の時給に見合った、より重要な仕事に専念するべき」で

す。だからといって、中途半端な仕事をしていいワケではありません。そんな仕

事を下の人に引き継ぐということは、自分の時間も使いながら、下の人の時間や

労力まで無駄遣いさせているのと同じことです。

 

上司として「自分でやる」と判断したのであれば、下の人が本領を発揮できるよ

うにきちんと引き継ぐべきですし、万一「自分ではうまくやれない」ということ

なのであれば、自分よりもっと上手にやれる人に、最初から仕事を渡すべきで

しょう。

 

もちろん、丁寧に仕事を頼めるのであれば、それに越したことはありません。で

すが、そこが問題の本質ではありません。人間ですから、一言二言言いすぎたり、

上の空の返事をしてしまったりすることは、当然あります。

 

以前、知人からこんな話を聞いたことがあります。知人が初めて管理職になった

時に、上司であるグローバルエグゼクティブから「上司たる者、自分の影まで演

じろ」と言われたそうです。これが、「行動に一貫性を持つ」ということです。

結局、「お客さんは大事にしろよ」と言っている本人が部下を大事にしないよう

では、「誰もその言葉を真に受けない」ということなのです。

 

産能大学が2016年4月に調査した「新入社員の考える理想の上司」による

と、男性の1位が松岡修造さんで、女性が天海祐希さんでした。お二方とも、

自分のイメージを確立しており、それを「人前で演じきっている」という点が

共通しています。

 

あなたもぜひ、「自分はどうありたいのか?」と考えてみてください。

それを決めて、「自分の在り方」を軸として行動するようにすれば、自然に

行動にブレがなくなっていくのではないでしょうか。


 

ありがとうございました。


 

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