こんにちは。俣野成敏です。

 

春になると、慌ただしくなる会社が多いと思います。決算が3月であ

ったり、4月から新入社員を迎えるところも多いでしょう。国税庁の

2014年の統計によると、3月を決算にしている会社は、全体の19.49%

でもっとも多かったということです。

 

会社に新しい人が入ってくるというのは、嬉しいことである反面、新

人を教育しなければいけないため、「なかなか手間がかかる」と思って

いる人もいるかもしれません。2016年3月に産能大学が上場企業の課

長に対して行った調査によると、課長の悩みの第1位は「部下が育た

ない」42.7%というものでした。課長に限らず、「他人に教えるのは大

変」と思っている人は多いのではないでしょうか。

 

 

あなたは「働きアリの法則」という言葉をご存じでしょうか?これ

2:6:2の法則とも呼ばれ、「あらゆる組織で、2割はよく働き、6

割は標準的に働き、残りの2割はほとんど働かない」という自然の摂

理を説いたものです。実はこれは、マネジメントにも応用できます。

チームをまとめる役割を担うマネジャーは、それぞれの部下に対して、

これを当てはめて対応すればいいのです。

 

とくに上位2割のハイパフォーマーな部下に対しては「ほぼ放置」し

たほうが、成果も上がりやすくなります。逆に中途半端な指示や協調

性を求めて枠にハメようとしたりすれば、それが彼らの足かせとなり

かねません。「チームの成果を底上げすること」が役割となるマネ

ジャーは、上位2割に対しては「丸投げ状態」で仕事を任せるほうが

いいワケです。

 

「それじゃ、部下がどこで何をしているのか全くわからないじゃない

か!」

 

と、そう思いますよね。

でも安心してください。

 

上位2割は、自由に泳がせたほうが、あらゆる意味で良い仕事をしま

す。彼らの結果だけ、ちゃんと見るようにします。そうすることによ

って、彼らは無駄な時間を削減することができ、効率的に成果を上げ

ることができるのです。

 

しかし、実際の組織ではハイパフォーマーな彼らに対して、余計な管

理や「ちょっかい」を出そうとするマネジャーが大半を占めています。

なぜなら、上位2割の彼らが大きな成果を自主的に上げた場合、ちょ

っかい型のマネジャーは「あれはオレが育てた」と言えなくなってし

まうからです。このような行為を通称「あれオレ詐欺」と呼んでいま

す。

 

このようなマネジャーは、ハイパフォーマーな彼らの成果を、いかに

も自分が管理をして成績を上げさせたような状況を作り出そうとしま

す。しかし余計な「ちょっかい」を出すことで、逆に彼らのハイパ

フォーマンスが低下してしまう可能性が高いことは否めません。だか

ら総合得点が下がってしまうのです。

 

日本人は平等を良しとする考え方がありますが、組織の中では平等が

存在しません。かえって、成果を出している人と成果を出していない

人を平等に扱うほうが、よっぽど不平等だとは思いませんか?僕はサ

ラリーマンだった頃、ずっと「平等は不平等だ」と感じていました。

 

たとえば、営業職で常に予算ギリギリや赤字の社員と、常にトップ成

績の営業パーソンに対する扱いが同じだったら、組織はどうなるで

しょう?重要な仕事もそうでない仕事も関係なく、平等にわり振って

いたとしたら?

 

結果が違えば当然、それが給与や賞与にも関係してきます。この不平

等があるからこそ、中位の人材も上位に這い上がろうと努力するので

はないでしょうか。

 

マネジャーとは、部下の長所と短所を見極め、彼らに合ったマネジメ

ントを行い、組織全体の数字が底上げされるように管轄するのが腕の

見せどころとなります。今後、あなたがハイパフォーマーな部下を

持つことがあれば、ぜひ「おまかせで放置」するというマネジメント

を試してみてくださいね。


 

ありがとうございました。


 

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