こんにちは。俣野成敏です。

お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)に寄せられる質問
の中でも、特に多いのが「退職後の老後資金をどれくらい貯めたらいいです
か?」というものです。

本日は、この「老後の資金」について「私たちは、どれくらい準備すれば安心な
のか?」を、少し考えてみたいと思います。


総務省統計局が出している「平成26年度の家計調査年報」によれば、高齢
夫婦無職世帯の平均生活費は、1ヶ月あたり約27万円弱ということです。

老後の収入といえば、誰もが思いつくのが「年金」です。

では、その年金って一体どれくらいもらえるのでしょうか?

厚生労働省が発表している、「平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の
概況について」によると、平成25年度の老齢年金受給者のうち、厚生年金
受給者の受給している年金は、月額平均14万8000円、国民年金受給者が
受給している年金が、月額平均5万5000円という結果が出ています。

そうすると、毎月受けとれる年金額は、夫妻とも厚生年金の場合が月額29万
6000円、組み合わせペアの場合で20万3000円、両方国民年金の場合は11
万円です。(実際は、加入月などにより異なります)

1ヶ月に必要な生活費を27万円と仮定した場合、年金だけで問題ないのは
厚生年金のペアだけとなり、厚生年金と国民年金の組み合わせペアは毎月
6万7000円の不足、両方国民年金のペアに至っては、月16万円ものお金が
不足することになります。



厚生労働省が発表した、「平成26年簡易生命表」によると、2013年の日本
人男性の平均寿命が80.21歳、女性が86.61歳となっています。

退職を65歳とし、仮に男性が81歳でお亡くなりになり、女性が87歳まで
生きた場合、女性お一人の生活費を、半分の13万5000円で計算してみると、
退職後に夫婦が必要な資金は6156万円。

このうち、年金支給額を差し引いてみると、厚生年金と国民年金のペアで、
1862万4000円の不足(女性を国民年金と仮定した場合)となり、両方国民
年金のペアでは、3648万円が不足することになります。


これらの数字は、あくまでも予測です。私たちが年金世代になった際に、
実際はどれくらいの年金がもらえるのか、見通しは立っていません。

私たちの年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、
ここのところ運用の失敗続きで、2015年度は5兆円の損失を出し、さらに
今年の4〜6月の2ヶ月だけで、再び5兆円の損失を出しています。

国民から「年金」として集めた10兆円を、たった1年ちょっとで失って
しまったわけです。


大切なお金を預けている先が、このような有り様で、あなたは安心して
老後を迎えられるでしょうか?

年金をあてにしていて、いざ働けなくなってから「期待していた分の額が
もらえない」となったら、大変なことになります。

老後に関しては、このような調査結果も出ています。

アメリカのワシントン大学などの研究チームが、「人が健康に暮らせる期間」
である「健康寿命」について、世界88カ国を調査したところ、2013年の
日本の健康寿命は、男性が71.11歳で、女性が75.56歳でした。

つまり、男性は9年、女性は11年もの間、健康な老後を過ごせない可能性が
あるということなのです。


自分の老後を誰かに託して、ハラハラしているよりは、いっそ「年金は、出た
らラッキー」くらいに考えておいて、自ら老後の準備をしておくべき
では
ないでしょうか?


人が抱える多くの不安は、「知らない」ことにより、もたらされます。

実のところ、不安を消す一番の方法とは、「知らないことを理解する」ことに
尽きる
のです。


私が現在、共催しているマネースクールで、最初にご自身の資産の
守り方をお教えしているのは、このような理由からです。

他に単発セミナーも随時開催中です。よろしければ一度、覗いてみて
いただければと思います。


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ありがとうございました。