こんにちは。俣野成敏です。

皆さんは、ご自身のリスクヘッジについて、どのような対策を考えているでしょうか?

参考までに、まずは会社の行っている事例を見てみましょう。


銀行の主要な業務の一つに、融資があります。

会社で設備投資などが必要な場合、通常は銀行に融資を依頼することになります。

ところが中小企業は大企業に比べて信用力が低いため、融資を受けられないことがあります。

そういう場合に代わって企業の信用保証を行うのが、保証協会です。

銀行は、そういった担保がないとなかなか融資をしません。つまり、かなり手堅い商売をしているわけです。



このように、極力リスクを取ろうとしない銀行でさえも、焦げ付き防止策をとっています。それが貸倒引当金です。

ある都市銀行では、平成23年度の決算書で1,800億円あまりも計上しています。

要は、貸す時点で最初から全部返ってくるとは思っていないということです。


こうした考え方は、いろんな業界で自衛策として採用されています。

たとえば出版社では、各社で本の返品引当金というのを積んでいるそうです。一種の保険のようなものです。


企業ではこのようなリスクヘッジを行っていますが、個人レベルになると、まだまだそうした考え方は浸透していないのが実情ではないでしょうか。

特にサラリーマンの場合、お金とは基本的に「給料日に毎月入ってくるもの」という認識です。

そのため、お金は「入ってきた分の中でやりくりする」という固定観念ができ上がっています。

サラリーマンにとってお金は自分の労働の対価であり、投資のように「減るかもしれない」リスクに対しては、必要以上に恐れを感じてしまうのです。


給料が右肩上がりにベースアップしていた時ならまだしも、今はすでにサラリーマンが安定の象徴だった時代は終わりを告げています。

リストラ、吸収合併、買収、倒産…

サラリーマンの給与だけに、収入を100%依存しているのは危険な世の中です。

僕が『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』の中で提唱しているのは、サラリーマンといえども、これからは「ハイブリッド・クワドラント」を目指すべきだという考え方です。

※キャッシュフロー・クワドラントの記事
詳しくはこちら

ハイブリッド・クワドラントとは、1箇所のクワドラントに偏ることなく、リスクを分散させることを指します。


サラリーマンがもっとも両立しやすいのは、Iクワドラントの投資家です。実際、株式投資や不動産投資をしていらっしゃる人もいるでしょう。

しかし大概の人が投資に二の足を踏んでしまうのは、そのリスクのためです。


リスクを回避する方法の一つとして、分散投資があります。

投資は、トータルでプラスになるように考えるのが基本。

10個の投資案件があったら、10個すべてが上手くいくとは思わないことです。

もちろん、投資する際にはよく吟味する必要があります。調べて、比較し、他人の意見も考慮し、自分が「これだ」と思うものに託します。

しかしどんなに気をつけても、いろいろな要素から、10個のうちの2、3個は焦げ付いてしまうものです。

ですから、それをリスクヘッジだと思うのです。


投資とは、始めなければリターンは得られず、「完全に安全な案件」を探そうと思ったら、いつまで経ってもスタートすることができません。

それよりは、全体を通じてプラスになりさえすればいいのです。


「クワドラントを軸にして、ポートフォリオを組む」こと。これが、これからのワーク・ライフ・バランスにおいての重要な考え方です。

ここで言うワーク・ライフ・バランスとは、一般に考えられているような「仕事」と「プライベート」の区別のことではありません。

僕がお伝えしたいのは、クワドラント四区分中のどこで自分の時間とお金のポートフォリオを組むのか?ということです。

これこそが、真に「仕事(ワーク)」と「人生(ライフ)」のバランスを決めるものなのではないでしょうか。


以後は、国にも会社にも頼れない世の中となります。

僕は、これからはハイブリッド・クワドラントを目指すことが、一人の自立した人間として生きて行く際の、必須の条件になるのではないかと思っています。


ありがとうございました。


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