皆さん、こんにちは。俣野成敏です。

以前、こんな質問を受けたことがあります。

「俣野さんは著書の中で、『仕事を必死でやっていれば周囲の人が救ってくれる』とおっしゃっています。私も仕事を一生懸命やっているのに、評価も高くなく、周りが救ってくれることもありません。なぜでしょうか?」


僕は「サラリーマンの育成」をライフワークにしています。当然、僕一人の力で成し遂げられることではありませんが、何も言わなくても、たくさんの方が僕を応援し、サポートしてくださっています。


僕がいつも仕事のことを思うときに考えているのは、「どうしたら相手のお役に立てるだろう?」ということです。


夜、次の日のスケジュールを確認しながら(明日、会うこの人にどんなメリットをもたらせるだろう?)と想像し、いつも一人でほくそ笑んでいます。(笑)


なぜ、他人に与えることを考えるのが楽しいのか?

それは相手を喜ばせ、感謝されることが嬉しいからです。


自分の幸せというのは、決して自己の欲求を満たして得られるものではありません。

自分の仕事を通じて他人が喜び、役に立つ。


人は、自分のしたことで他人がHappyになっている姿を見て、初めて自分の仕事に意義を見出し、「楽しい」と感じるものなのです。

残念ながら、人は他人の苦しみには興味がありません。他人から「助けてあげたい」と思ってもらうには、「IからWeへ」の発想の転換が必要です。

それはつまり「自分ゴト」を「会社ゴト化」してゆくこと。そしてそれをさらに「社会ゴト化」してゆくことです。


例えば、自分の今、いる会社が人手不足だとします。人がいないのですから当然、自分自身も手一杯です。ここで自分が忙しいのを会社のせいにしたり、愚痴を言って終わらせているようでは、ただの「自分ごと」に過ぎません。

ここで考えなければいけないのは、「どうしたら今のこの状況を変えられるのか?」(自分ゴト化)。そして、「自分にできることは何なのか?」。これでようやく会社ゴト化です。これを社会ゴト化してゆくには、もっと大きな視野が必要です。





(うちの会社に必要なのは、将来性の見込める分野の専門家がいないことだ。)

(でもそれはうちだけの問題じゃない。業界全体でまだ、その分野の専門家が育っていない。)

(将来性があるのに取り組めていないのは、目の前のことにかかりっきりになっているからだ。)

(現状に対応しつつ、もっと業界全体を底上げできる方法は何だろう?)…


大切なのは、どちらかに偏らないことです。今のこの状況を改善するための短期的な視野と、業界全体を見据えた長期的な視野の両方を考えてゆくことです。

いかがですか?このように考え、行動している人が困っていたならば、必ず手を差し伸べる人が現れるものです。ですから、自分が困ったと思っているのに助けが現れないのは、自分ごとのままなのか、真に困っていないかのどちらかだと言えるでしょう。


今回、僕の出版した『一流シリーズ』の3部作が出揃いました。この3部作は、それまでの「ビジネス書の共著は売れない」という出版界の常識に、一石を投じることができたのではないかと思っています。

共著とは「自分にはない他人の良さを見抜いて活用する」こと。それこそ、まさにサラリーマンが持つ能力です。


我々一般人は、特殊技能を持っていないからこそ、サラリーマンをしているのです。

サラリーマンは、特別な才能を持っている必要はありません。自分以外の人にどう活躍してもらうか?自分自身も会社の1リソースとして、そこにどう関わっていくのか?


こう考えたときに、サラリーマンの可能性というものが、無限に広がってゆくのです。



◆俣野成敏の『一流シリーズ』

『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』
本書の詳細につきましては、この文章をクリックしてご覧ください。

『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』
本書の詳細につきましては、この文章をクリックしてご覧ください。

『一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか?』
本書の詳細につきましては、この文章をクリックしてご覧ください。



ありがとうございました。