今回は、上司の立場から見て、


「こんな部下は絶対に引っ張り上げたくない!」と思われてしまう

「上司を脱力させる3箇条」と題してお届けします。


もちろん、皆さんにはそれを回避していただきたいということの裏返しからのアプローチです。

これは、ある程度キャリアを積んで中間管理職といわれる職責に就いている人こそ気をつけなくてはならないことかもしれません。

逆に言うと、ここさえ回避できれば上司のキレポイントを刺激してしまう機会は激減するでしょう。






《上司を脱力させる3箇条》
 



⑴ 伝書鳩になってしまう。 
 


⑵ 決まったことをやらない。 
 


⑶ できるのにやらない。
 

では、ひとつ一つ解説しましょう。



⑴ 伝書鳩になってしまう。

ここで言う「伝書鳩になる」とは...
言われたことをそのまま誰かにスルーパスしてしまうことです。
これは、上司からの指示を自分の仕事として捉えず、なんの付加価値をつけていないということになりますから、上司に「こいつに頼んでも意味がないな」とか「こいつに頼むなら自分でやったほうがマシだ」と思われたとしても仕方ありません。

例えるなら、

上司からのメールや議事録をそのまま部下に転送する

上司からの伝言を「とにかくやれば分かるから」とやる。



というようなことです。



これを回避するためには、常に何か一つでも良いので、自分なりの味付けをする癖を付けることです。

言葉を換えると、あなたを経由したほうが良いと思ってもらうことです。

これは大切なことなので、日ごろからいちいちこんな自問自答をしてください。



「この仕事における自分の付加価値はなんだろう?」


こう自問自答することによって、あなたの仕事に対する信頼感が増していくのはもちろん、その仕事が会社にとってどの程度の意味があるものかということも少しずつ分かってきます。


その結果、どうしても自分なりの付加価値が付けられないと判断した場合は、どうすれば良いか?

答えはひとつ。


その仕事が、自分を一切経由しなくて済むようにするしかありません

それが自分のみならず、会社全体のためだからです。  



⑵ 決まったことをやらない。


仕事の流れには、大きな境界線があります。
それは「意思決定前」「意思決定後」です。
どんな業務にでも2つの「しこう期間」があります。



そう、「思考期間」と「試行期間」です。



つまり、検討協議試験運転というようなプロセスです。



いまやろうとしている仕事が


意思決定の「ビフォー」なのか「アフター」なのか?


この見極めは、とても重要です。


「仕事が速い」というのは、意思決定後(アフター)の領域のみで評価されます。

まだ意思決定もしていない「しこう期間」のことをいくら音速でやったって、この期間の拙速は、命取りになる可能性があります。
ただし、組織として意思決定したものは、四の五の言わずに徹底する。
この境界線の前後での立ち振る舞いが分かっていないと、上司は脱力します。


⑶ できるのにやらない。


人間には必ず得手不得手がありますから、人には「できること」と「できないこと」があります。


組織では、自分の強みだけに集中して、その他は他人の力を借りるのが基本です。

しかも、思いっきり遠慮なく。
遠慮してしまうのは


「自分がどう思われるか?」


という保身の現れであり、本当に会社全体の向上を考えているのなら、組織を俯瞰(ふかん)して見てベストな駒を動かすという感覚になるのです。

自分自身も含め、会社の人材はすべて会社のリソース(資源)ですから、ここで遠慮なく協力を仰ぐことができる人が、自分の仕事の可能性を最大化していきます


それに反して、自分の得意分野で手抜きをしてしまうこと

つまり、できるのにやらない。

これは、最悪のことです。
上司は、あなたが逆立ちしてもできないという仕事を渡すことはありません。
それは、指示を出す上司のリスクに他ならないからです。

もしあなたが部下を持つ立場なら、部下ができないことを叱ってはなりません。
できないのは指導する側か指示した問題と捉え、むしろその部下を教育するか、指示する内容を変えなくてはいけません


こうして、できないことは許しても、やらないことは厳しく追求すべきです。

その組織はもちろん、その本人のためにならないからです。

ですから、「できるできない」「やるやらない」を区別するのは、マネージャーの重要な仕事です。


以上が「上司を脱力させる3箇条」です。


頭の片隅にでも置いて仕事をしていただけると幸いです。



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