「独立したい!」


という野心を描いたサラリーマンから最もよく受ける質問の一つは、

「準備期間に会社にばれたらどうしよう?」というものです。

つまり、


・準備不十分な状態で会社にバレたら干されてしまうのではないか?


・準備期間中に会社とはどのような距離感を保てば良いのだろうか?



というような悩みです。

たとえば、私の場合で言えば、サラリーマンでありながら書籍を商業出版しましたし、起業も果たしました。
そうすると、決まって

「会社にどうやって許可を得たのですか?」


「よく会社から承認が得られましたね!」


というお言葉をいただきます。


しかし、私はどうもこの発想自体に違和感があります。


その理由は、大きく分けて3つあります。



独立したいサラリーマンがとるべき距離感とは?



一つ目は、「会社に許可を得ようとしてしまうこと」です。

というのも、そもそも「独立」とは、文字通り「独」りで「立」つことです。
会社から自分の志で旅立とうという人が、なぜこの期に及んでまだ許可を貰うという発想なのでしょうか。
先の事例(出版や起業)で言うと、私の場合、どちらも許可なんか得ていません

もっと言うと、会社に許可を得ること自体がお門違いだと思うのです。

と言うのも、会社の立場で考えてみると分かるはずなのですが、会社の業務とは直接関係がないことをやろうと言う人に公に許可なんて出せるはずがありません。
大手企業だったり、老舗企業だったりすれば、その傾向は尚さらです。
許可を求められた決裁権者としては、「前例がないこと」や「他社がやってないこと」は、許可をしないことが、サラリーマンとして絶対に失敗しないための最大の防御策であり、処世術でもあるのです。さらに、許可をするということは、そこに責任の一端が伴うということでもあります。
会社を離れた後の相談をされ、安易に許可を出すということも見方によってはリスクなのです。


二つ目は、「ルールを知らないこと」です。

雇用する側もされる側も終身雇用が当たり前だった古き良き時代は、会社も定年までの雇用を保証する代わりに副業禁止規定を就業規則に入れていました。

しかし、今は時代が違います。
年々、正社員比率は下がり、企業側も副業禁止規定を就業規則から外す傾向にあります。
実際、就業規則は法律よりも強めのことを書いてあることが多く、法律的にはそこまでやる必要はないということもあるのです。

世の中の判例では、副業禁止規定があった企業の従業員が解雇されるのは、本業に悪影響がある場合のみで、企業の秘密漏洩に繋がることだったり、商標や意匠を汚すことだったりするのは、御法度であることは言うまでもありません。
副業でもこんな状態ですから、起業はもっとややこしくなるのかと懸念される方もいらっしゃるかも知れません。


しかし、起業の場合はもっとシンプルです。

法人を設立して社長になり、役員報酬を無報酬として会社に蓄えるか、家族を役員に入れ、家族に報酬を支払うかすれば、あなたは単なる株主です。
どういうわけか、株式投資と不動産投資だけは、サラリーマンでも堂々とできる副業というのが暗黙値となっていますが、会社の株を所有するのは株式投資と同じ理屈です。


三つ目は、「今が不満だから起業する」という動機付けです。


今の場所が不満だから飛び出すという人は、次の職場でもやはり無意識で不満を探してしまいがちです。

起業は、ハローワークではありません

正直、今の会社に不満があるからとか、他に就職先が無いからという理由とかで仕方なく起業でもしてみるかというマインドが通用するほど世間は甘くありません。

サラリーマンのうちに、サラリーマンでありながら、いつでも起業できる状態にすることが最優先なのです。





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