「なんとなく不安なんです」

 

最近、こんな声をよく耳にします。

理由を聞いても、「収入が減ったわけでもない」「大きな問題が起きているわけでもない」。

それでも、不安だけが漠然と心に残る。

 

実はこの不安の正体は、

今が危ないからではありません。

 

多くの場合、

「この先に何が待っているのかが見えないこと」そのものが、不安を生み出しているのです。

 

人は、急激な変化が起きたときよりも、

何も起きない状態が続いているときのほうが、不安になります。

 

なぜならそこに、

「伸びしろ」や「物語の続き」を描けなくなるからです。

 

たとえば──

毎月の給料は安定している。

仕事も大きな不満はない。

 

けれど、5年後・10年後を想像したときに、

「この延長線上に、どんな未来があるのか」が思い浮かばない。

 

その瞬間、人は無意識にこう感じます。

「自分は、どこにも向かっていないのではないか」と。

 

以前の記事でも触れましたが、

いちばん危ないのは、

安心して動かなくなっている場所です。

 

止まっていれば、

状況は良くも悪くも変わっていないように見えます。

 

しかし、世の中は確実に動いています。

物価は上がり、価値観は変わり、

求められるスキルも静かに更新されていく。

 

自分だけが動いていないと、

そのズレが正体不明の不安として、心に現れるのです。

 

では、不安が薄れていく瞬間はいつか。

それはとても明確です。

 

「少し先の未来に、変化の兆しを置けたとき」。

 

いきなり副業や転職をしなくてもいい。

 

新しい勉強を始める。

違う価値観の人と話す。

これまで選ばなかった視点に触れてみる。

 

ほんの小さな行動で構いません。

 

行動とは、

結果を出すためだけのものではありません。

 

未来を“見える状態”にするための行為です。

 

予定表に、

いつもと違う予定が一つ増えるだけで、

人は「この先が続いている」と感じられるようになります。

 

この感覚こそが、

不安を安心へと変えていく正体です。

 

未来に一歩踏み出せた人は、

同じ現実にいながら、不安の質が変わります。

 

それは恐怖ではなく、

「手応えのある緊張感」に近いもの。

 

成長の入口に立った人だけが味わえる感覚です。

不安は、

あなたがまだ動ける状態にあるというサインでもあります。

 

大切なのは、

その不安を「止まる理由」にするのか、

「動く理由」に変えるのか。

 

止まっているから、不安になる。

動き始めた瞬間、

不安は“未来への違和感”へと姿を変えます。

 

未来は、待つものではありません。

小さな行動を置いた場所に、あとから現れるものです。

 

最後に、ひとつだけ問いを置いておきます。

 

「もし何も変えなかった場合、

今の延長線上に“望む未来”は本当にありますか?」

 

この問いに即答できないなら、

それ自体が、次の一歩のサインです。