そこには、やはり、
掘立て小屋が建っていた。 
外壁に少々傷みがあるようだ。

渡辺綱太郎は注意深く近付き、
小屋に入っていった。

奥には太い柱があり、
その近くに
状態が悪い屏風があるだけで
他には何にもない。

そうして、太い柱に近付き、
あたりの壁や床などの
状態を軽く調べ、
「これなら大丈夫だろう」と
太い柱に背をもたれた。
それから両脚を投げ出し、
差していた刀と包まれた風呂敷を
右側に置き、座った。

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