作曲家の成瀬英樹です!君はメロディー」「君は僕だ」「タイムマシンなんていらない

と3曲の「ビルボードJAPAN」1位曲があります。

 

現在は作曲家のみなさんにチャンスを共有する「合同会社BINGO!」を立ち上げ、「IではなくWe」で挑戦するチームを主宰しています。

プロ作家養成の「ソングライターズ・ホーム」もご好評いただいております。

 

そんなぼくたちのチーム結成から1年!ついにやりました!

名ギタリスト「nelo」45歳にして作曲家デビューです!

 

 

neloのこれまでの経歴、音楽への想い、そして楽曲コンペというシステムの公平さを語ってくれました。作曲家を目指す方は必見!たくさんのご視聴ありがとうございます!

 

弊社「BINGO!」には19歳から58歳まで、今は無名ですが才能のある作家が揃っております。nelo先輩に負けないように、これからも挑戦してまいりますよ!

 

 

さあ、それでは今日も「ソングライターズ・ホーム」のZoomセッションの模様を日誌形式で書いていきます。

 

 

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9月23日(金)14:00  Sちゃん(20代 男性 学生)

 

Sちゃんはまだ「ソングライターズ・ホーム」ができる前から、ぼくのサロンに入ってくれていて、「合同会社BINGO!」の作家としても活躍していただいていた。就職活動の忙しい最中にも貪欲にコンペに挑戦する姿勢や、どんなアドバイスもしっかりと受けて止めてくれる度量の広さなど、ぼくが信頼する作家の一人である。

 

トラックを作るのがとても得意な彼だけど、実のところ「メロディ」を書く「トップライナー」志望とのこと。BINGO!の作家でありながらなお、ぼくの「メロディの書き方」について学んでおきたい、と、「ソングライターズ・ホーム」に入ってくれたのだ。嬉しいじゃないですか。

 

今回の作品も素晴らしい。タイトルからご機嫌で、そのタイトルをどこに配するかで決まる楽曲のキャッチーさの本質もしっかり捉えている。これで十分完成はしているのだが、「もしぼくならこうする」という提案を全編に渡ってお見せする。

 

いつものように細かくMIDIメロディを動かしながら、基本的には元のメロディの譜割りのままで、音だけを上下していき「きらり」と光るポイントを探す。構成も少し整えるようにご提案。

 

 Sちゃん曰く「全体的に締まった感じがします!」とのこと。そう、ぼくはよく「曲のネジを締める」という表現を使うのだが、まさにそういうこと。その楽曲にはそれぞれ落ち着きたい、その曲が行きたい方向がある。それを見極めて、しっかりネジを締めてあげることが大切である。

 

Sちゃんは勘がいい人。仕上がりが楽しみだ。

 

 

20:00  TTさん(50代 男性 会社員)

 

TTさん、今回は、前回の「モータウンビート」を使った楽曲をブラッシュアップしたものを持ってきてくれた。TTさんが「サビ」として提案してくれたメロを「Aメロ」にして、そこに新たにサビをつけることを提案したのだ。

 

しかしながら、今回のメロディがぼくにはどうしても素晴らしい楽曲だとは思えない。歌詞もついていないまま、ただ「シンセメロ」を連打しているだけではないのか、と思ってしまう。メロディがあっちこっちに動いているだけで、なぜこう動くのか、その根拠がない。

 

そして一番良くないことに、サビの転調が無茶苦茶である(笑)そこはこうやってやると綺麗ですよ、と例を提案し、転調のあたりは整えた。その他のパーツも時間内でなんとかブラッシュアップを試みたが、ギブアップ。

 

これ以上やると、これはぼくとの共作になってしまうし、TTさんは今その段階ではない、次のステージにいなくてはいけない。

 

自分のアイデアはとても可愛いもの。一回作るとどうしても愛してしまう。しかし、クールにドライに自分の曲を聴き、「これは違う」と早めに見切りをつけることって実はすごく大切なのだ。

 

「TTさん、この歌、ヒットすると思いますか?」

「思いません...」

「じゃ、やめましょう!」

 

となりました。

 

時間がないのはわかりますが、その時間内にせめて自分だけでも心から愛してあげられる楽曲を作ってほしい。そのためには、自分のアイデアを可愛がりすぎないで、ダメだと思ったらすぐに捨てる勇気がほしい。

 

実のところ、作曲とは「作る」より「選ぶ」作業なんです。