ペナントレースはまだ始まったばかり。とはいえ、4勝1敗同士の好調チーム対決となれば、やっぱり胸が躍るもの。エスコンフィールドにオリックス・バファローズを迎えての三連戦。その第一戦、バファローズのエース宮城に8回まで3点に抑えられて、惜しくも敗戦となりました。
宮城は実に先発投手らしい、まるで大ベテランのおっさんみたいな投球。粘り強く、要所に強い。得点もほとんどがソロホームランですから、大きなケガもない。さすがWBC戦士、いい投手ですね。
ファイターズからすると昨日は4対3、たった1点差の惜敗。ミスのぶんだけその僅差に追いつけなかったのか。
試合序盤、2回の攻撃の場面。松本がライト前ヒットで出塁し、続く奈良間もセンター前へ。エースを打ち崩そうかという勢いのある良い流れだったが、ここで三塁を狙った松本が悠々タッチアウト。ワンアウト1・2塁でじっくり攻める形になっていれば、展開は変わっていた。とはいえ、これは次の塁を狙った、いわば前向きなミス。攻める姿勢の表れ。もう割り切って「しょうがない」で。
3回のバファローズの攻撃、ワンアウトから大城のライトフェンス際への打球を、ライトの万波がクッションボールを誤り、大城を三塁まで進めてしまった。万波のような名手であってもミスはある。これもまた「しょうがない」。
それよりも、その後に自分のバットで取り返した彼の熱さが好きです。
「野球に流れなんてないよ」なんて言う人もいますけど、それは球場で試合を見たことのない人、あるいは自分で野球をやったことのない人の意見かも。野球は、間違いなく“流れ”のスポーツだと、あらためて僕は思うけどな。
しかしながら、いつも驚かされるのはエスコンフィールドの観客のマナーの良さ。どんなにミスが出ようとも、凡退を繰り返そうとも、観客が選手を大声でやじるのを僕は一度も聞いたことないです。いや正直なところ、僕が育った関西では考えられないことです。もしこれが甲子園だったら…想像したくありません。
ファイターズが今、好調な理由のひとつは、その流れを引き戻す力があることで、レイエスと吉田のソロホームランでじわじわと1点ずつ詰めていきました。そう、昨日の収穫は吉田の覚醒を確認できたこと。まるで前の試合のリプレイを見ているかのように、またもやライトのブルペンにホームランを放ちました。宮城から打ったんだもん、これ本物ですぜ。
そして中継ぎ陣の安定感。松岡、杉浦、山本。このあたりの投手たちが踏ん張ってくれるおかげで、試合が大差にならず、接戦に持ち込めています。
松岡は頓宮にホームランを打たれはしましたが、3-2からの勝負球を叩かれたもの。これは不要意な球ではなく、勝負に行った結果ですから、責められるものではありません。むしろ、これからも恐れずにどんどん腕を振っていってほしい。昨日のピッチング、1回1失点、1四球、2三振。内容は悪くなかったと思います。
杉浦はまったく危なげなく、山本にいたってはクローザーかと見まごう豪速球。ブルペンが強いのがファイターズ。
長いシーズン、全試合勝つなんてことはありえません。大事なのは、その「負け方」。昨日はミスもありましたが、前向きなミス、そして最後まで試合を壊さなかった粘りがありました。内容としては「良い負け方」だったと思います。僕としてもとても気持ちよく球場を後にしました。
さて、今日はデーゲーム。どんな展開になるのか、また楽しみです。