昨夜は私の新しいアルバム「Hideki Naruse With Friends」発売記念ライヴ@下北沢・風知空知でした。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

おかげさまで立ち見が出るほどの大盛況!

 

数年前、ご縁があって憧れの忠英さんと知り合うことができ、共通のお世話になっている方に何度か共演をすすめられたのですが、私の方が気後れしてしまって、なかなか決断できなかったのです。

 

だってそりゃそうですよね、忠英さんのギターをコピーして私は演奏を学んだのですから。

 

そんなある日、忠英さんとLINEのやり取りをしている中でこのようなメッセージをいただきました。

 

僕も少しずつギターが上手くなってきているんですよ」と。

 

その音楽に対する謙虚さに私は感激してしまって、ライヴにお誘いさせていただいた次第です。本当にお誘いしてよかった。

 

 

2019.6.29 下北沢 風知空知

 

1st Stage

 

01 『雨のウェンズデイ』(大滝詠一)

 

忠英さんのギタリストとしての参加作品の中でも私が思い入れがある一曲。歴代最高の歌手である大滝さんの曲を忠英さんの前で歌う図々しさをお許し下さい。私なりに丁寧に歌えたと思います。弾き語りということでキーを半音落としたのですが、オリジナルキーでもよかったかな、とも思います。またいつか挑戦したい難曲です。

 

02 『A Slack Day』(with 吉川忠英)

 

そして吉川忠英さんのご登場。まずは忠英さんの選曲でこのハワイアン的ナンバーを。きっと私がウクレレを弾くことを知ってこの曲をチョイスされたのだと思います。忠英さんとの初セッション。

 

そしてここから吉川忠英さんのステージ。あっという間の50分、圧巻でした。心に響く歌。素晴らしい演奏。鳴り止まない拍手に涙があふれました。どの曲も印象的で。

 

「僕はこの後に出る必要があるのだろうか」と自問しました。しかしすぐに思い直しました。自分らしいライヴをやろうじゃないか、と。頭の中でセットリストを書き換えました。

 

そして臨んだ2nd ステージ。

 

2nd Stage

01『悲しみをぶっとばせ』(提供曲/まちだガールズクワイア)

 

石田ショーキチさんプロデュースのまちだガールズクワイア に提供した曲を初めてセルフカバーしました。間奏でThe Who「Kids Are Alright」後奏に「Substitute」のリフを挟んで。

 

02『Darlin’』(提供曲/里於奈)

 

つい先日提供したばかりのこのナンバー。Needsというアイドルユニットの里於奈さんの卒業ステージ曲として制作しましたが「成瀬英樹 ft. Riona」として残させていただけないか、という提案をご快諾いただきました。いつかちゃんとリリースしたい曲です。もちろん初めて自分で歌いました。

 

 

 

03『あめりか』

 

 

90年代に私はFOUR TRIPSというバンドをやっておりました。その頃のステージナンバーを2017年にセルフカバーしたものです。その音源では素晴らしいシンガーLacoさんにお手伝いいただきました。はっぴいえんど的なリフをあてはめるアイデアから一気に曲がブラッシュアップ出来ました。あの頃、これを思いついていたなら。

 

04『FM』

 

こちらもFOUR TRIPS時代のナンバー。今でも頻繁に歌います。オリジナルキーはDですがBフラットまで落として、語るように歌ってみました。FMラジオから流れる歌として間に挟んだフレーズはシュガーベイブ「Down Town」、大滝詠一「君は天然色」、そして、L⇔R「Knockin' On Your Door」でした。

 

05『恋におちたら』(The Beatles) (with 黒沢秀樹)

 

そのL⇔Rのメンバーとしてバンドを支え、現在もマルチな音楽家として活躍中のご存知、黒沢秀樹さんがサプライズで飛び入りしてくれました。この日のライヴを観に来てくれるとの連絡をいただいたので、それならよかったら歌ってもらえませんか? とお願いすると「僕でよかったら」と快諾してくれました。

 

私がこうして下北沢でライヴが出来るのも、近年共演する機会の多い前述の石田ショーキチさんやマエソワヒロユキさん、そして黒沢秀樹さんのお客様が私のライヴにも来ていただいているという流れが非常に大きいのです。いつも本当に感謝をしています。

 

秀樹さんのご登場前に少し時間を稼ぐ必要があったので(もちろん私の段取りのミスのせいです)お客様にクイズを出しました。「さて、今から出てくるサプライズゲストは誰でしょう?」と。

 

お客様「前田敦子さん!」

私「正解!では前田敦子さんです!どうぞ!!... なワケないでしょ!」

 

といったベタなやり取りがあった後に「黒沢秀樹さんです!」と紹介すると大きな拍手!「あっちゃんじゃなくてごめんなさい」となんとも粋なツカミの秀樹さん。でも、あっちゃんよりもこの日のお客様には秀樹さんの方が嬉しかったのでしょう!皆さんの笑顔が本当に嬉しかったです。

 

『恋におちたら』はビートルズの映画「A Hard Days Night」で印象的なシーンで歌われたナンバー。リハーサルなしでもバッチリ歌ってくれました。彼のような歌の上手いシンガーとハモるのは本当に楽しいです。

 

 

 

06『君はメロディー』(提供曲/AKB48)

07『夢』

 

アルバム「Hideki Naruse With Friends」からニ曲。トラックを流して立ち上がってハンドマイクで歌いました。ミュージシャンがいわゆる「カラオケ」で歌うことはそう多くはないはずですが、APAZZIさんや牧戸太郎さんの作ったサウンドを良い音で大きな音量で聴いていただきたいという思いもあり挑戦しました。ものすごく気持ちよかったです。いつもと違う趣向を楽しんでいただけていたら嬉しいのですが。

 

アンコール

 

01『You've Got a Friend』(with 吉川忠英)

 

アンコールにもう一度、吉川忠英さんにご登場いただき、楽しいおしゃべりと素敵な演奏をご一緒しました。私にとっても忠英さんにとっても特別な一曲、キャロル・キング作の「You've Got a Friend」はジェームス・テイラーの歌唱により1971年全米1位の大ヒットになったとともに、シンガーソングライターの象徴的な一曲です。

 

 

忠英さんとこの曲をご一緒できる日が来るなんて、まさに夢のようです。比喩の使いようがありません。まさに夢のようです。

 

02『赤いスイートピー』(with 吉川忠英/黒沢秀樹)

 

女性の声域までカバーする黒沢秀樹さんの歌手としての才能は圧倒的なものです。彼の歌を聴くと私はいつもスモーキー・ロビンソンを思い出してしまいます。もちろんそれは最大級の賛辞なのです。

 

 

松田聖子さんのレコーディングで忠英さんがアコースティックギターをプレイされた「赤いスイートピー」を、大好きな友人であり素晴らしいシンガーの秀樹さんと演奏する、しかもキーは聖子さんが歌ったキーそのままで。忠英さんと合わせるのも本番がはじめてのぶっつけでしたが、秀樹さんが歌い出した瞬間、忠英さんが楽しそうに微笑まれたのが印象的でした。空気が一瞬にして変わりましたよね。爽やかな風のように秀樹さんが歌う「赤いスイートピー」、素晴らしかったです。私はお二人の邪魔にならないように、しかし心の中で非常に盛り上がりながら、ギターのアルペジオを弾きました。

 

03『君は僕だ』(提供曲/前田敦子)with (吉川忠英)

 

そして忠英さんと私で『君は僕だ』を。歌いながらずっと横目で忠英さんの左手を見ていました。本当に賞賛の語彙が尽きてきました。すごかったです。ずっと一緒に歌っていたかった。

 

04『TSU NA GU』

 

ダブルアンコールをいただき、新しいアルバムからAPAZZIさんとの共作「16茶」のネットCMに使っていただいたお気に入りの一曲『TSU NA GU』をトラックをバックに歌いました。

 

ご来場いただいた最高のお客様のおかげで、この日のライヴは大成功に終わりました。忠英さんの名演も、秀樹さんの名唱も、そして私がなんとか歌いきれたのも、みなさんのおかげです。本当にありがとうございました。楽しんでいただけていたら本当に嬉しいです。

 

これからも、頑張ります。長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

成瀬英樹