コバルトブルー色の兄弟 第二章 ラブレター 1 | 一期一会

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本も人の出会いも一期一会。時々読者、時々物書き。好きな本やコミック感想を中心に、日常のつれづれと共につぶやいていきます。

第二章   ラブレター 


<ルーク・クリフォードside>



「どうして兄さんはいつもそうなの?」
「オレの知った事か!」
「もう……そうやっていつもごまかすんだから!」
「お前こそ、どうなんだよ。オレより貰っているんじゃないか?」
「そんな事ないよ。ボクのことはいいの。兄さんはどうするの?」
 兄弟喧嘩はいつものこと。
 ただ、今回は少しばかり状況が違っていただけ。
 ビリーがルークに、文句を言うのも判らなくはなかったが、そう易々とは謝りたくなかった。本当はそんな事を言いたくはないのに。つい、照れと、常日頃のやり取りが身に付いていて、条件反射で軽口を叩いてしまう。
 ビリーは返事をしないまま、手にした手紙をぎゅっと握り締めると、踵を返して部屋を出て行った。文句を言う代わりに、バタンと大きな音をたてて、扉を締めた。
 後ろ姿をを見送ったルークは、一人後悔していた。どうしてビリーにあんなことを言ってしまったのだろう。これでは、ただのヤツあたりだ。
 喧嘩の発端は、約十日前に遡る。
    *
 両親のいない兄弟は、とある施設で暮らしている。
 今年から中学生になる弟のルークと、一つ上の兄のビリーは、施設でも、中学校でも、本人の意図しないところで注目を浴びることが多かった。理由は二つある。
 一つめの理由は、二人とも学年一秀才で、勉強がよく出来たこと。二つめの理由は、日本人ではなかったからだ。
 金髪に碧色の瞳。兄弟そろってモデルだと言っても過言ではないくらい、美形な顔立ちをしている。スポーツも得意で勉強もできるとなると、田舎町の公立の中学校で、目立たないはずはなかった。
 特に女の子の間では、いつも話題にのぼらない日はない。
 兄のビリーだけでも十分目立っていたのに、弟のルークが中学に入学したとたん、それは加速度を増した。
 兄弟ともラブレターの類は吐いて捨てるほど貰っていたのは、言うまでもない。直接女の子に呼び出されて告白される事も少なくなかったが、ビリーもルークも、今は他にやりたいことがあるからと、特定の女の子と付き合うような事はなかった。



to be  continued……