S15 シルビア クラッチ交換No.1 | ナルズ工場長の出来事

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皆様コンニチハ('ω')ノ

 

 

 

 

 

昨日定休日で

久しぶりに予定もなかったんで

全然行けてなかった家の物などの

買い出しに行きました。

 

けっこう遠くまで色々車で回って

買い物をしたんで帰りにガソリン入れて

帰るかーって事で

いつもとは違うスタンドに行ったのですが

めちゃくちゃ高い!!

 

今世間ではガソリン高騰ですが

いつも入れてるスタンドと8円位の差が。

 

 

じゃあいつものスタンドまでガソリン持つから

そっちで入れた貧乏性なオイラです(´・ω・`)

 

 

外食とかプライベートな物を買う時って

少しの差額だったらまぁいいっか!ってなるけど

ガソリンって数円上がっただけでも

すごい高い印象があるよね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はS15シルビアの

クラッチ交換作業です。

 

 

 

正確にはクラッチ・フライホイール交換で入庫。

 

今現状は買ってからクラッチ1回もやってないし

走行距離もけっこういってるのでクラッチ交換

しておきましょうと言う事で依頼されました。

 

なので今現在何のクラッチが入っているか

不明です。

 

 

 

まぁ降ろしてみればわかるんですが。

 

 

 

シルビア系は外から何のクラッチが組んであるか

わかりません。

 

 

でもある程度はわかります。

レリーズフォークのブーツを取り隙間から覗くと

ほんのちょっとだけカバーが見えます。

社外クラッチとかだどカバーに色がついていますので

何なく判断ができると思います。

 

あとミッションベルハウジングの下の小窓。

あれを空けるとフライホイールの裏が見えます。

社外の軽量フライホイールとかだと穴あき加工されて

いたりする物だとここから判断できますね。

 

あとはちと面倒だけどセルモーターを外せば

フライホイールの確認ができそうですね。

 

 

まぁ降ろしちゃうのが確実なんですが('◇')ゞ

 

 

 

 

 

 

 

てな事で

作業を進めていきます。

 

※シルビアのクラッチ交換作業の内容は

他でもあげておりますので細かいところは割愛します。

クラッチ交換の詳しい内容は他のブログを見ていただけると

幸いです。

 

 

例によってシルビアは室内からバラし始めます。

 

後から室内やっても問題ないのですが

どうせ室内を触るのであれば作業前のキレイな手で

バラシていった方がいいと思います。

 

 

 


シフトブーツ

 

 

S15の6速車は他のシルビア5速車とブーツの造りが

違います。

S15の6速の場合、ブーツがたくさんあります。

 

大体ここでクラッチ交換を1回でもやってるか

どうかが判断できます。確実ではないけどね。

 

画像のブーツの造りをよく見てみて下さい。

取り付け部がオイルシールみたいに叩き込みに

なっております。

なのでブーツを外すのにマイナスなどで

こじって外さないといけない訳です。

すると外す際に微妙に曲がる訳です。

 

なのでマイナスでこじった跡があったり

ブーツの取り付け部が微妙に浮いていたり

するとクラッチ交換やってんなーって感じです。

 

まぁブーツ新品交換されていたら

わかりにくいんですけどね。

でもここのブーツ、ほとんどの車屋さんは変えないから。

 

 

 

 

シフトが取れると、こんな感じです。

 

やっぱりS15の6速ミッションの方が

フロアからシフトのベースが飛び出し量が多い気がする。

 

 

 

 

 

ミッション取り外し

 

 

ミッション降りました。

 

外してる最中や、ベルハウジング内の汚れや

スラストベアリングの消耗具合をよくチェックしましたが

初めてクラッチ交換なのか1回でもやってるか

ちょっと判断しにくい感じでした。

 

ボルトの頭に回した形跡があるかないかとか

注意深く見ましたが、よくわからんちん。

やっぱりバラして確認しないとわかりません。

 

 

外したクラッチ類、フライホイール

 

 

まごうことなき純正クラッチと純正フライホイールです。

 

 

御存知の通り、S15の6速の純正フライホイールは

ダンパー付きです。

振動や軽いジャダーを消す機構とは謳ってますが

ぶっちゃけ半クラしやすい機構です。

ちょっと違うかな? ミートしやすいって言った方が

いいのかな?

 

うちら修理屋などはこの機構がついている

クラッチの事を「軟弱クラッチ」と呼んでますねw

この軟弱クラッチ、いろんな車種に採用されて

いるのですが最近だと86/BRZの純正もこれですね。

 

 

 

軟弱クラッチだからってダメって事ではないですよ。

 

市販車って色んな人が乗る訳で。

女の子から老人まで色々な方が乗られる訳ですよ。

やっぱり乗りやすいクラッチの方がいい訳なんですよ。

 

 

兎に角、このダンバー付きはメリットは前記した通り、

デメリットは重い。けっこうな重さ。

この機構のせいで重いのです。

 

 

なのでクラッチ交換の際に

軽量のフライホイールに交換して

漢仕様クラッチにしましょう٩( ''ω'' )و

 

そんなん言ってもフライホイールをダンパー無しに

してもクラッチディスクにダンパーがあれば

普通に乗れるしね。

全然問題ない。

 

もっと言うと最近の社外クラッチ

かなり乗りやすいのが増えてきましたね。

ひと昔前のメタルとか半クラやばいくらい無いし

ペダルもめっちゃ重かったし。

渋滞で左足死ねるしw

坂道発進マジ大嫌いになるしww

 

 

 

 

 

 

また脱線しましたね(+o+)

作業に戻ります。

 

 

 

 

 

 

クラッチディスク

 

 

外したディスクの状態です。

画像の面はフライホイール側となります。

 

少し荒れてますが、けっこうキレイに減ってますね。

残量もまだ少しある感じ。

 

 

 

 

カバー側

 

 

ディスクのカバー側面。

 

こちらの方が減ってる感じもするし

リベットまでの段差も僅かにある感じでした。

でもあんまり変わらんかw

 

 

 

距離が距離だけに

これだけ残っているってちょっと不思議。

 

ディスクとカバーの状態をバラして単体で

見ると、これ1回交換してるっぽいね。

 

おそらく1回、純正で交換してるみたいな

感じがします。

 

 

 

 

 

スラストベアリング

 

 

手で回すとけっこうな音が。

普通使い込んでいてもシャーって音が大きい位ですが

これはもうジャー!!とかジャリジャリ!!って音が

してました。

 

音が出ている出ていない関係無しに

このベアリングはけっこうな負担がかかっている

部品なのでクラッチ交換の際には

100%交換します。

 

 

 

 

 

んでね、

スラストベアリングとかレリーズフォークを

ミッションから外して掃除しようかなーって

思って作業していたら・・・

 

 

 

 

ここの場所ってわかります?

 

そう、ミッション側にあるピボットです。

 

レリーズフォークの支点にあり

フォーク裏にあるって感じです。

 

もちろん支点となる訳ですから

クラッチレリーズからの圧でフォークが押され

クラッチカバーのダイヤフラムを押す力を

ここで受けてる訳なんです。

 

大概、画像の様に頭がこすれて光ってますね。

 

このピボットは普通ミッションに固定されて

います。

 

 

 

 

でもね…

 

 

折れてるーーー(;゚Д゚)!!

 

 

フォークとか外していたらポロって落ちた。

 

 

そう、これが俗に言う「ピボット折れ」

 

 

完全に折れると

クラッチが切れなくなります。

 

今回は折れはしていたんだけど

辛うじて乗っかっていた感じです。

 

折れて残ったネジの断面を見ると

昨日今日折れた感じではないようですね。

 

ネジが噛んでいたとしても半山がいいとこ。

 

これは

すごく良いタイミングでクラッチ交換しましたね!

 

 

 

 

でもこれで

わかった事はこれだけじゃないのですわ。

 

 

 

先ほどのピボットの画像2枚で

気づいた方もいると思われます。

気づいていなくても

現役の整備士やチューナーな方なら

あれ?って違和感を感じるかと思います。

 

わかりづらいからどうかなーー??

 

 

そうなんです。

 

 

 

この折れたピボットをよーく見てみて下さい。

 


なんか折れたピボット、溶接されてね??

 

 

そうなんです、このピボット

1度折れたかなんだかで溶接修理されております!!

 

これで1回でもミッション降ろしてるの確定ですね。

でもワンチャン、フォークブーツ外してフォーク

ずらしてやれば出きるかも??

わからんけど。

 

 

しかも折れたピボットを溶接してるとか

絶対ダメですよΣ(・ω・ノ)ノ!

 

 

こんなところ溶接したら確実に歪んで

真っすぐになってないし

熱でピボット自体の強度も変化しちゃうし

絶対にやってはいけない事。

 

溶接するとそこは強くなるけど

またすぐ横が折れる。

人間の骨折と同じ。

 

だから次に力が大きくかかるネジ部が

折れてるでそ?

 

 

これはアカンで!!

 

 

ましてピボットって安価な部品。

強化クロモリのピボットにしても

3~4千円くらい?

ニスモのでもそのくらいで買えると思う。

安いのだと1,500円くらいのもあったと思う。

 

それをわざわざ溶接でなおすとはね。

 

余談ですが

昔とかは社外クラッチ組んだり

特殊なクラッチを組むとクラッチペダルの

ミートポイントが変わりすぎちゃって

調整するのにピボットを削ったり

ワッシャかましてみたりして調整するって

時代もあった。

今ではレリーズカラーの厚みで調整したり

ベアリングを違う物にして辻褄合わせしてるのが

ほとんど。

 

 

なんでわざわざ溶接した意図がわからん(+o+)

 

 

ピボット

 

 

もちろん新品交換します。

使うのはニスモ製。

 

強化ピボットのほとんどは土台につく

ワッシャは平ワッシャ。

純正とかだとスプリングワッシャの物が多いね。

 

 

ピポッドは新品交換するから

いいとして問題はミッションケース側の残ったネジですわ。

 

 

 

 

 

もしかしたらマイナスとかでちょいちょいってやったら

動いて取れてこないカナー?

 

ポンチとかでコンコンって叩いたら回って出て

こないカナー??

 

 

なーんて色々やってみましたが甘かったです。

全然ガッツリついていてビクともしませんw

 

もうちゃんと?取るしかないようですね。

 

 

 

逆タップで取ってみます。

 

注意してやらないとケース側ネジ山をダメにしたり

無理やり回して土台が割れるとかあります。

そうなると最悪ミッションケース交換になる訳です。

 

シルビア系の5速なら、ここ壊してもフロントケース

(通称天狗の鼻)交換で何とかなりますが

6速ミッションの場合はミッションケース交換になります。

 

土台がミッションから生えてるからね。

なんでこんな造りにしちゃったんだろう。

 

これも悪名高いアイ〇ンミッションだからなのか…

 

 

画像は折れたネジのセンターに印(ポンチ)

打ったところです。

 

 

 

 

慎重に真っすぐにドリルで穴をあけて

逆タップをねじ込みます。

 

もう全神経を集中し外していきます。

 

 

 

 

 

 

取れました!!

 

 

 

何とか無事に摘出する事に成功!

 

ネジ山に何か塗られて(ロック剤かな?)ますけど

何とか大丈夫そうです。

ふーーい(;´・ω・)

 

 

 

 

土台の方もタップを通しネジ山をキレイに

してあります。

 

ワッシャ当たり面も荒れておりましたので

オイルストーンにて面出ししました。

 

ここの取り付け部に隙間や段差があると

それもまた折れの原因になります。

 

 

 

 

 

ピボット装着

 

 

無事にピボットが装着できました。

これでバッチリなはずです。

 

強化ピボットにしておけば

当分大丈夫です。

 

ものすっごい圧着力のクラッチや

多板のメタルクラッチとかはクラッチ交換の

度にピボットも交換ですよ。

 

ちなみに激しい仕様のクラッチで激しい使い方を

すると強化ピボットでも折れる事があるらしいです。

当店でも強化ピボットが折れているのは

3回位見たことはあります。

まぁ大概折れてるのは純正ですけどね。

 

 

 

 

ってところで今回はこの辺で。

 

次回からはクラッチ、フライホイールを

組み込んでいきます。

 

 

 

続きを

お楽しみに♪

 

 

 

 

 

 

【 P.S. 】

 

 

 

 

 

先日お客様から新年のご挨拶を

いただきました。

 

 

この場をお借りして

ありがとうございますm(_ _"m)

 

 

こんな高価な物を

味音痴なオイラには勿体ないですが

何かの機会に堪能させていただきます( *´艸`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは

またねー('ω')ノ