JZX100 チェイサー クラッチ不具合修理 No.2オイル漏れ作業 | ナルズ工場長の出来事

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皆様コンニチハ('ω')ノ

 

 

 

すっかり梅雨の毎日で

雨ばっかりっすね!

 

梅雨で湿度があって生温い日だったり

すると古傷が痛みます。

 

オイラの場合、片肘と片膝と腰に

古傷をかかえているので

けっこう全身がイテーですよ…

 

それに加えて手首と指が痛くて

腱鞘炎っぽいし…

 

湿気のせいじゃなくて

加齢で痛いって説の方が濃厚なオイラです(´・ω・`)

 

 

泣き言はごめんだぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は前回の続き

JZX100クラッチ不具合作業です。

 

 

 

 

前回はミッションを降ろし

クラッチをバラして点検したところです。

 

 

 

 

前回の内容はコチラ

 

 

 

 

 

 

 

前回クラッチの状態を確認した時の

滑りの要因の1つのオイル漏れについて

探求していきます。

 

エンジン側

 

 

エンジンの方にはまだフライホイールが

装着されたままです。

フライホイール自体はオイルっ気は無い様に見えます。

 

しかしフライホイールの隙間から見える

エンジン後ろ側のところがオイルで

べっちょりですね。

 

ここがオイル漏れな原因で

JZX100とか関係なく多いのがクランクリアシールからの漏れ。

あとはエンジンタペットカバーパッキンからの漏れ。

 

とりまフライホイールを外してみましょう。

 

 

 

 

オウイエ(;´・ω・)

 

 

かなりのオイルでエライ事になっとります。

 

クラッチ交換の際にバラしてると

クラッチのカスでほとんどの車両が汚れていますが

これはかなり汚れている方です。

 

クランクのリアシールからも漏れを疑っていましたが

シールからの漏れは無いようでした。

 

タペットカバーパッキンからの漏れは

若干の滲みがあったものの

ここまでミッションハウジング内をオイルで

濡らすほどのものではありませんでした。

 


これ見て1Jエンジン乗りの方はわかっちゃうと

思いますが

よーくこの汚れ方を見てみて下さい。

 

上部半分はオイルというよりカスでの汚れが

大きいですね。(多少オイル気ありますが)

どちらかというと下部半分がオイル気が

ありますね。

 

そうなんですよ。

 

ここ1Jエンジンの泣き所なんですね。

 

エンジンのブロックとオイルパンの

継ぎ目から、かなりの確率でオイル漏れが

発生しますΣ(・ω・ノ)ノ!

 

エンジンのオイルパンは2層構造となっており

第一オイルパン(正確にはなんていうか知らんw)

と第二オイルパンがあります。

 

ブロックの下についているのが第一オイルパンで

アルミの鋳物で出来てる物です。

 

第二オイルパンはその下についている物で

鉄製のオイルドレンボルトがつくオイルパンです。

 

 

そのブロックと第一オイルパンとの

繋ぎ目からオイル漏れが起こりやすいですね。

 

 

 

 

 

ここですね

 

 

なぜか漏れるのが右側が多いです。(エキゾースト側)

 

液体ガスケットの劣化なのかどうなのかは

わかりませんがけっこうここ漏れてますね。

 

しかし今回のオイルが付着していたのは

クラッチディスクの2枚目の方。

 

ミッション側の方のディスクでした。

 

確かにここの漏れがありましたが

ものすごく漏れていた訳ではなさそうなので

なんか腑に落ちません。

 

ましてここのオイル漏れでクラッチの2枚目

(クラッチ後方)にオイルが付着するか?って

言うと正確には判断できません。

 

恐らくオイル漏れの原因は

他にありそうですね。

 

 

でも今回のここのオイル漏れも

滲み程度ではなさそうなので

修理しておかなければオイル漏れによる

不具合が何かしら再度発生しそうですね。

 

 

オイル漏れの修理方法としては

エンジンのオイルパンをはぐって

液ガスを入れなおす事になります。

 

文章だと簡単なんですが

実際には第一オイルパンを外すと言う事は

メンバーを降ろして脱着するか

エンジンを降ろして脱着するかになります。

 

もちろん

時間もかかるし金額もかかります( ノД`)

 

既に予算オーバーなので余計な金額は

かけられないのですが

スルーする訳にもいきません。

 

 

よって応急処置的?な方法で補修します。

 

けっこう当店でやる方法なんですが

意外と漏れは止まります。

 

 

 

 

 

 

 

とりま

めちゃくちゃ洗浄、清掃します。

 

万が一もありますのでリアシールも交換です。

 

ここまでキレイにするのに3時間くらいかかっただよ…

 

さらにこれでもかと言う位に脱油して

漏れていた継ぎ目に足付けします。

 

 

 

 

 

 


補修

 

 

足付けしたところに少し溝(ここがミソ)を入れ

エポキシ系の補修材を塗りこんでいきます。

 

当店で色々なエポキシを試した結果

これがいいってのがあります。

見つけるまでエライ苦労したので企業秘密ですが

けっこうガッツリ固まって液体を止めてくれる効果が

大きいので耐久性もあります。

 

この処置でオイル漏れが収まってくれるのを

願って、この箇所の補修はこれで終わりです。

 

 

さてさてオイル漏れの原因の続きを

探っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

ミッション側

 

 

ハウジング内がオイルでべろんべろんで

ございますよ。

 

中央部分とかは先に漏れを確認するのに

多少掃除しちゃいましたが

全体的にオイルまみれですわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

オイル漏れというより

オイルとクラッチカスが混ざり合って

グリスみたいになってます。

 

実際触るとオイルっぽいところもあるし

もろグリスが固くなったみたいなところもありました。

 

 

 

 

 

 

 

ハウジング内のオイル?グリス?の付着跡を

見ると

クラッチで撒き散らしてハウジング内にへばりついたと

いった感じに見えます。

 

漏れたオイルを触ってみると

なんかやっぱりエンジンオイルって言うより

ギアオイルっぽいんだよな~~?

 

オイルの臭いもギアオイルっぽいしね。

 

 

フロントカバーの液ガスのところから漏れて

いるのかと最初思ってよく見てみましたが

そこからの漏れでもなさそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

すんごいわかりづらいのですが

これ

クラッチのスラストカラーです。

 

内部に凹みが作ってあり、そこにグリスを入れて

おく構造です。

クラッチのカラーの摺動部なので

ここのグリス切れをしてしまうとクラッチペダルの

重さや異音に関係してきます。

 

画像は外した時のままの画像です。

 

内部のグリスはほとんと入っていません。

 

通常もっとグリスは残っています。

 

純正のクラッチグリスや安価なグリスを

使っているとハード走行やサーキットやドリフト走行

してるとグリスが熱せられて流れ出して

しまいます。

 

もしかしたら

そういった要因で流れ出してしまったのかも

知れません。

 

その流れ出したグリスを撒き散らしていたのかも

知れません。

 

でもここのグリス、どんなグリス使っていたのか

わかりませんが

ハウジング内に付着していたオイルは

ギアオイルの臭いがしていたので

ちょっとまだ確定できんな。

 

 

とりま

こんな状態じゃ組めないので

ここも洗浄します。

 

まぁこの時点でオイラ的には

ある程度検討つけてたんだけどさ。

 

ここまで調べて漏る要因って

もうあそこしかないじゃん。

(答えは後ほど)

 

 

 

 

 

 

 

洗浄後

 

 

これはマジで大変だった!

 

洗浄剤も使ったり高圧洗浄したり

ワイヤブラシやスクレッパーでシコシコしたり

色々な手を使って洗浄しました。

半日は洗ってたんじゃないかなwww

 

それでもこびり付いたのが落ちないから

最終的にはペーパーで汚れ落としてます。

 

 

 

 

 

 

 

んで

もっと突っ込んで探求するべく

フロントカバーとかもバラしていきます。

 

 

154ミッションの場合は

ハウジングがボルトで止まってるだけなので

ハウジングが外せます。

 

ハウジングを外すとこんな感じになります。

 

日産車なんかは外せないので

この点は作業性がいいですね( *´艸`)

 

 

 

 

 

 

フロントカバーを外したところ

 

前回のブログにも書きましたが

このミッションは前回クラッチ交換と同時に

ミッションオーバーホールも行っています。

 

確かにここの液ガスは純正だと

こんな液ガスじゃなかった様な気がします。

(違ったらゴメンね)

 

ハウジングのボルト頭の跡や

こういった液ガスを見ると実際にオーバーホールは

していると思います。

 

 

 

んで

話それましたが

ここのフロントケースを外すと

内側にインプットシャフトが通るところに

オイルシールが入っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

んでね・・・

 

 

 

 

 

 

 

そのケースなんですが…

 

 

 

 

フロントケース裏側

 

 

わかりやすい様に洗浄してあります。

 

接地面の液ガスもキレイに清掃済みです。

 

これだとオイルシールの状態がわかりやすいかと

思います。

 

 

オイル漏れの原因を探っている最中に

ここのオイルシールからのオイル漏れかな?

って思う事もありました。

 

でもミッションオーバーホールしたって言うしね。

 

オーバーホールの時には

こういったオイルシールって交換してると

思うのですよ。

 

自分がやってる訳じゃないので

絶対はないですけどね。

 

オイラもここのオイルシールがダメで

漏ってるのかな?でもオーバーホールの時に

交換してると思うんだよな?

 

最悪オーバーホール時にオイルシール

そのままって事でも

こんなにオイル漏れるかな???

 

と考えてました。

 

考えても結果がわからないので

バラしてみたんですが

バラして正解でした。

 

 

 

 

原因がわかりました(*^^)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この画像でもわかる方はわかるかな?

もっとわかりやすい画像でお送りします。

 

 


オイルシール部

 

 

よーく見てみて下さい。

 

 

 

オイルシールが

ナナメに組まれております。

 

 

 

もしかしたら

ミッションの内圧でオイルシールが抜けて

きちゃったのかな?とも思いましたが

ありえないんですよね。

 

だってこっち内側だもの。

 

内圧上がって(ブリーザーあるから上がる事も

そんなに無いのだが)抜けるというか

もっとシールが入ってく方向になるしね。

 

 

 

 


こっちの画像の方がわかりやすいかな

 

 

ナナメってるのがわかりますか?

 

手前はけっこう入っているのですが

奥が浮いてしまっているのがわかるかと

思います。

 

ここがナナメっていう事は

オイルをシールするリップ部もナナメって事で。

 

外してる状態だからリップ部見ても

よくわからないけど

軸に対して垂直方向にまっすぐにリップが

当たらないとシールとしての

意味がありません。

 

そりゃーミッションのインプットシャフトも

どえりゃー回転で回っております。

 

ナナメに当たっていると言うことは

リップ部の2重になっているところが

キレイに当たっていないので

そら漏りますわ。

 

古い方だとAE86のリアシャフトの根元の

オイルシールを組む時に傷つけちゃったり

組付けナナメになっちゃたりすると

デフオイルでブレーキのところがオイルまみれに

なるでそ?

そんな感じのオイル漏れです。

 

 

ここからのギアオイル(ミッションオイル)が

漏れてハウジング内に撒き散らし

あげくクラッチディクスにオイルが回り

滑ってしまったというのがオイラの見解です。

 

 

んで

なんでオイルシールがナナメなのか?と言うと

恐らくとしか言いようがないですが

オーバーホール時のシール組付けミスかと

思われます。

 

 

 

 

人為的ミスって事だと思われます。

 

 

 

 

 

ここからのオイル漏れが判明した事で

クラッチが滑り

ミッションケース内にもオイルを撒き散らし

ケース外にもオイル漏れの跡があるってのも

説明つくし。

 

実際にはわからないけど

エンジン側のオイルパンの継ぎ目からも

オイル漏れはあったけど

クラッチディスクを滑らすほどじゃなかったと

思います。

 

主な原因はフロントケースのオイルシールからの

オイル漏れとなります。

 

たかがオイルシール1つですが

僅か2年でクラッチをダメしに

ここまでオイルだらけにしてしまうので

なめてはいけませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろんここのオイルシールを

新品交換していきます。

 

 

 

オイルシールを打替え

液ガスを塗りケースを組んでいきます。

 

ハウジングを外したついでに隙間の届かなかった

汚れなども再度洗浄してあります。

 

 

 

 

 

 

ハウジングを装着して

ミッション側の修理は完成です(*'▽')

 

オイル漏れはなおってくれると思います。

 

 

 

 

 

ミッションの準備ができたところで

内容が長くなってしまったし

今回はこの辺で。

 

 

 

次回からは

クラッチ側の作業に移ります。

 

まだまだ続きます(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 

 

 

 

お楽しみに♪

 

 

 

 

 

 

それでは

またねー('ω')ノ