S14 シルビア タービンオイルライン補修 | ナルズ工場長の出来事

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皆様コンニチハ(*^▽^*)

 

 

 

今年は梅雨なかなか抜けないね。

 

自宅では洗濯物が全然乾かないので

2日に1回ペース位にコインランドリーの乾燥機に

かけに行ってます。

 

けっこう洗濯物の量もあるんで

オイラも駆り出されてます。

 

回しに行って時間になったらまた取りに行って…と

すんごく面倒なんですが

文句垂れてると自宅に乾燥機導入しろ!って言われるので

一生懸命お手伝いしているオイラです(´・ω・`)

 

たまにはカラっと晴れてもらいたいもんですわ。

早よ梅雨明けてくれよ((+_+))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はS14シルビアの

タービンラインの修理作業です。

 

 

 

当初のお客様からの依頼は

タービンガスケット抜けの修理依頼でした。

 

シルビアのSRエンジンあるあるですが

タービンとエキマニ間、エキマニとヘッド間、

タービンとアウトレット間の計3ヶ所のガスケットが

よく抜けます。

 

その3ヶ所のなかでもぶっちぎりで多いのが

タービンとエキマニ間の四角いガスケット抜け。

 

 

 

抜ける時期はそれぞれで早い方は5万キロ位で

抜けますね。

S13、S14、S15問わず抜けます。

 

え?S15のタービンガスケットは強化品なのに

抜けちゃうの?って思う方もいらっしゃると思います。

オイラもそう思いますがS15も抜けるんですわ。

新車時の装着されているガスケットがどうなのかわからんしね。

 

あとS13やS14に強化品だといってS15のガスケットをよく組みますが

絶対抜けます。強化品にしたから抜けないのではなく

持ちがよくなると思ってください。

 

 

 

なので今回もそのあたりのガスケットだろうという感じです。

 

 

 

ちょっと気になるのが

当店に依頼される前に他店で作業している事。

 

 

 

そこで一度タービンガスケット交換しているんだけど

なんかなおってないっぽいらしい。

お客様はその後、何回かその店に店に行ってるんだけど

こんなもんだよって言われて拉致があかないんで

当店に依頼してきたみたいです。

 

 

 

うちがセカンドオピニオン的な感じなのね('◇')ゞ

 

 

んじゃお客様と打ち合わせして

車預かるよ~と言ってシルビアを動かしたら…

 

お?

 

 

あれあれ?オイル漏れしてますがな。

触ってみたらエンジンオイルっぽい。

 

この時は

これもSRエンジンあるあるでエンジンのチェーンカバーから

漏れてるんかな?位にしか思ってなかった。

まぁタービン降ろすしその時に一緒に点検しますかな。

 

でもここ停めておいたの30分くらいなんだよな…

けっこう漏れてるね。

 

 

さてさてタービンさくっと降ろしますか~と

作業している最中にオイル漏れの場所が判明。

 

 

画像はエンジンブロックをタービン側(左ストラット側)から見たところです。

手前に見えるのがエアコンコンプレッサーです。

 

 

SRエンジンのタービンはエンジンブロックから

金属のパイプにてオイルと水を供給しています。

 

画像で見てもらうとわかりやすいですが

エンジンブロックにバンジョーボルトで固定されています。

 

 

ここのオイルラインのバンジョーボルト部分から

オイル漏れが発生していました。

 

 

よく見るとオイル漏れた跡があるのがわかると思います。

※漏れを確認するのに軽く洗浄してしまった後なのでボルトあたりは

キレイですが最初はボルトもオイルまみれでした。

 

タービンを降ろす際にはここのバンジョーボルトを外して

オイルラインとウォーターラインを切り離します。

もちろんその時にガスケット(銅ワッシャー)を交換するから

それでなおるっしょ!と思ってました。

 

 

 

すると・・・

 

オイルラインのバンジョーボルトが

めちゃくちゃ固く締まっています!!

 

ウォーターラインの方は通常のトルクで締まっていたので

普通に取れましたがオイルラインの方は

倍以上のトルクで締まっています。

 

 

そもそもSRエンジンのブロックはアルミなので

こんな高トルクで締めたらアカンで。

 

 

なんとかゆっくり慎重に取り外してみました。

 

やっと外れた

 

 

めちゃくちゃ固かった。

てか終始ネジ山がヤバそうな感触でした。

 

見た感じバンジョーボルトは平気そうね。

 

 

タービンも降ろしメイン作業のガスケット交換をしました。

 

予想通り抜けていたガスケットはタービン、エキマニ間の

四角いガスケットでした。

もちろんS15用のガスケットを組みます。

 

ここのガスケットを他店で交換してるはずなんだけど

またすぐ抜けてしまった原因は特にわからず。

 

おそらくですがタービンのスタッドボルトが僅かに曲がっていたので

それで上手くガスケットが密着せず抜けてしまったんだと

推測します。

 

 

なので今回スタッドボルトも一緒に交換しました。

 

 

これでガスケット抜けの方は

解決したと思います。

 

 

 

詳しいタービンガスケット交換作業の詳細は

以前のブログで紹介しておりますので気になる方は

参照してみてください。

 

シルビアタービンガスケット交換

 

 

 

 

 

 

 

 

さてタービンなどが降りた事により

スペースが大きくなって先ほどのオイルラインの

ブロック側が見やすくなりました。

 

確認してみましょう('◇')ゞ

 

え( ゚Д゚)

 

 

これネジ山やっつけてるやんけ!!

 

 

まぁ外す時の感触で予想はしてましたけども。

 

なんかバリ?山の破片?みたいのも出てるし。

 

 

これってさ

予想ですが前にやってもらったところのお店の仕業なのでは?

 

バンジョーボルトについていた銅ワッシャを見る限り

おそらくタービン降ろした時に交換はしていると思う。

 

その取り付けの時にボルトを

ナナメに入れてしまったんだと思います。

 

あくまで予想ですが人為的なミスでしょう。

 

 

とりま

漏れ箇所がわかったので何とかしないとね。

 

しかもこのオイルラインはタービンにオイルを送ってる

ところなんで、それなりにオイル圧もかかるし

そもそもここが外れたらタービンブロー間違いなしだし。

 

このままにはできませんね。

 

 

 

 

 

ネジ山がデリケートなアルミなので

修理といっても単純にはいきません。

 

 

オイルライン補修するのに作戦をたてます('◇')ゞ

 

①タップで修正

 

②リコイルで修正

 

③別ラインからオイルラインをつくる

 

④エンジンブロック交換

 

①から進めていきダメなら次②に移行。

それもダメなら③に移行。

最終手段は④ですね。

 

そもそも作業をしてみない事には

わからないのでオーナーと綿密な話し合いの結果、

この作戦決行する事になりました。

 

①でなおる事に越したことはありません。

 

 

 

オイラ自身も不安の中、作戦を決行していきます。

 

 

 

まず作戦①

タップにて修正していきます。

 

 

タップ修正後

 

 

タップを通した事によりバリなどがキレイにとれました。

 

タップを通している感触でわかりましたが

予想通りネジ山の手前が少しナナメになっているようです。

 

よく見ると手前と奥でネジ山の色が違います。

 

手前のネジ山はダメです。奥のネジ山はなんとか生きてる状態です。

 

奥っていってもネジ山が僅かなのでこれではダメですね。

 

 

万が一もあるのでバンジョーボルトも新品交換しました。

 

でも結果変わらず…

作戦①は失敗に終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

続いて作戦②に移行します('◇')ゞ

 

リコイル

 

 

オイルラインのブロック側ネジ山は12㎜のピッチ1.25、

所謂自動車ネジサイズです。

なのでこのリコイルを使用します。

 

リコイルの説明は割愛しますが

簡単に言うと付属のドリルでダメになったネジ山をさらい

(ネジ山の穴径を拡大)付属のタップでネジ山を新規で作り

専用のリコイル材にてネジ山が作られるって感じの物です。

 

画像に見えているスプリングみたいなのが最終的に

ネジ山にはまり込みネジ山になるってイメージですかね。

 

リコイルのメリットはアルミの様な強度の無いネジ山に施工すると

ネジ山もベースも強固になります。

なのでネジ山がダメになってなくても、しょっちゅう脱着を行うところは

最初っからリコイル打つ方もいらっしゃるくらいです。

 

 

今回施工するにあたってのデメリットは作業スペースの確保。

 

ドリルで穴を掘る訳ですから

いくらタービンが降りてスペースがあるっていっても

かなりスペースが限られます。

 

そもそも最初にやるドリルが真っすぐに空けられるかどうかが

リコイルの肝となりますので

スペース確保します。

 

 

本来ならエンジンを降ろし施工するのかもしれませんが

今回は予算と時間の都合上、エンジンは車載のまんまやります。

 

スペースを確保するのにエアコンコンプレッサー、コンプレッサーベース、

パワステポンプ、パワステポンプベース取り外しました。

画像にはありませんがオイルのレベルゲージのパイプも外しました。

 

これでショートドリルでなんとか真っすぐ空けれそうに

なりました。

 

 

それでもすぐ横にエンジンマウントがあるので

作業的にはかなりやりにくい場所です。

 

 

 

真正面から見るとこんな感じです。

 

付属のドリルで下穴を空けて

専用のタップでネジ山を作成していきます。

 

 

 

奥までドンついちゃうとオイルラインの出口を傷つけちゃうので

長さを計算してます。印のテープを巻いてネジ山をつくっていきます。

 

相手がアルミなんでネジ山を掘るのもスルスル行くので

なんか感触的に不安になっちゃいます。

 

 

 

リコイルを打ち込んだところです。

 

おそらく上手くいったのではないかと思います。

 

 

 

試しにバンジョーボルトを入れてみました。

 

キレイに真っすぐに

奥まできっちり入りました(*^▽^*)

 

タービンなど全て戻してエンジン始動させオイル圧かけて

みない事には確定しませんが

おそらくこれで大丈夫かと思います。

 

 

 

 

かなり途中端折りましたが

全て元に戻し、オイル入れてクーラントのエア抜きもし

エンジンを暖気したりして漏れを確認しました。

 

オイル漏れ、完治しました('◇')ゞ

 

 

作戦②が大成功しました。

これでタービンのオイルラインはしっかりとしました。

 

ブログにするとすぐですが

けっこう時間のかかる作業で

エライ大変でした。

 

苦労した分、成功すると気分も最高ですね(*'▽')

 

 

 

この後、エアコンガス注入したり試乗したりしましたが

オイルラインからの漏れは皆無です。

 

 

今回は人為的なミス(たぶんね)が起こしたオイル漏れ

でしたが何とかなおって本当にヨカタ。

 

これだけ固く締まっていたのも

ナナメに入ってしまいそのまま無理やり締めこんでしまった

結果だと思います。

銅ワッシャのつぶれが均等でなく、そこから漏れが発生したんだと

思われます。

多分やった人、わかってると思うんだけどなぁ~。

 

 

そもそもここのバンジョーボルトってつけにくいので

ナナメに入りやすいんです。

オイルラインの金属パイプがいくら慎重にとっても

僅かながらに歪むので取り付ける時に

上手く合わないのが主な原因かと。

 

予算があるならオイルラインも含めタービンラインも

社外のメッシュホースとかにすれば自由度も高いんですがね。

 

まぁそのメッシュホースも取り付け方によっては

罠だったりすんですけど。

それはまた今度の機会にでも。

 

 

 

 

 

このシルビアはドリフト車両。

 

これでオイル漏れもなおったし

ガスケット抜けもなおったんで

ガンガン踏めまっせw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは

またねー('ω')ノ