HCR32 スカイライン ハイキャス完全撤去 | ナルズ工場長の出来事

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皆様コンニチハ(^^)/

 

 

 

なんか本格的に梅雨入りしそうですね。

ジメジメな毎日が来るかと思うだけで

憂鬱でんがな。

 

こちら千葉県鴨川市ではコロナ影響で

休止していたシーワールドが再開しました。

でもまだ千葉県在住人のみという制限が

ありますが。

 

でもね!駐車場に止まっている車のナンバーは

ほとんどが県外ってどないやっちゅーねんw

 

ナンバーが県外でも住んでるのが県内かも

知れんがそんなにそういうパターンの人って

いる??

 

いい大人がそんな簡単なルールも

守れんようじゃコロナ収束は遠いな…

って思ってしまうオイラです(´・ω・`)

 

もう少しすれば開放されるんだから

我慢しよーぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はHCR32の

ハイキャス撤去作業です。

 

 

ご存じの通り、HCR32はハイキャスという装置が

ついております。標準装備でついてきます。

 

HCR32(タイプM)の他にもこの時代の日産車に多く

搭載されてるハイキャスです。

もちろんBNR32(GT-R)にも標準装備です。

シルビア系やその他の日産車はついているものは

メーカーオプション扱いなので中古でシルビア買ったら

ハイキャスついてた!と言うのは新車で買った方が

オプションでつけたんだと思います。

(稀に後つけでハイキャスつける方もいるんで全てでは

ないけどね)

 

 

 

 

ご存じな方も多いと思いますが

ハイキャスって種類があるんです。

 

 

 

大きく分けるとR32系のハイキャスと

それ以降のR33系でハイキャスの種類が違います。

 

簡単に言うとR32系が油圧ハイキャス。

R33系以降が電動ハイキャス。

 

そのハイキャスは速度などによりリアタイヤが

舵角するもの。

スポーツ走行には全くいらない機能かと思います。

(個人的にですよw)

GT-Rで首都高などレーンチェンジが多いコースなど

ではハイキャスは有利です。そういったシチュエーションでは

4WDとハイキャスの愛称はいいのですよ。

 

ましてHCR32でスポーツ走行、

ドリフト走行は

絶対にいらないとおもいます

(しつこいようですが個人的にですよw)

 

 

 

んじゃついてる物なら外してしまえばいいじゃない!

と言うことなんですが

時間と労力がかかります。

簡単にハイキャスを殺す(動かないようにする)のは

TOMEIのハイキャスキャンセラーがいいと思います。

※もしかしたら廃盤になっちゃったかも?

 

ハイキャスキャンセラーならまた戻す事も可能です。

 

しかしハイキャスを戻す事もない。目的はスポーツ走行

って方は撤去した方がいいと思います。

 

今回はこの後者のケースで

ハイキャスを完全撤去します。

ユニットから配管まで車両についているハイキャス関係の

部品を全て撤去する作業であります。

 

 

△注意△

以前はハイキャスを撤去するのは違法となり

車検に通りませんでした。

しかし数年前の法改正でハイキャス撤去しても

車検に合格します。

もちろんしっかりとした処理をしてないとダメです。

 

 

あとね、

実はこの車両、ハイキャスが調子悪くて入庫した

車両なんです。

 

R32系乗りのトラウマのチェックランプ

 

 

ちょいとした理由があって

ハイキャス不具合が発生。

ハイキャスを含めステアリング関係の不具合。

まだ原因もまだつかめてない状態です。

 

詳しい経緯とこの修理は後日記事にしたいと

思いますが

当初オーナーの意向で元々ハイキャスを撤去したかった

ところに不具合発生。もしかしたらハイキャス自体を

完全撤去すれば直るかも?って事で今回はハイキャス

撤去の内容となります。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

とりま撤去作業に移ります。

 

R32系のハイキャスは前記した通り油圧です。

 

エンジンルームにあるパワステポンプで油圧を

発生させリアにあるシリンダーを動かしている

構造です。

 

 

ハイキャス

 

 

ハイキャスはリアのデフの上のメンバーに

シリンダーが装着されております。

 

今回はこのシリンダーをハイキャス撤去用の

キャンセルロッドに交換していく作戦です。

 

 

 

 

 

ハイキャスはリアのシリンダーからフレームをはって

エンジンルームまで配管がのびてます。

油圧ラインはINとOUTがあるので2本あるのです。

 

そのライン間にソレノイドバルブ?みたいのが

リアメンバー前に1つ(画像のところ)と

エンジンルーム内に1つあるんです。

もちろんこれら全て撤去しちゃいます('◇')ゞ

 

エンジンルームからグリルにも配管があります。

最終的にパワステポンプにいくラインも

全て撤去します。

 

作業中はパワステオイルで手がべろんべろんに

なっちゃうので画像はありません。スマソ(´;ω;`)

 

 

 

全ハイキャスライン

 

 

かなり割愛しましたが

これが全ハイキャス撤去した部品になります。

 

見た感じ、けっこうな重さになりそうな感じがしません?

計測してみたら約20kgありました!

重っ!!

 

想像以上に重っっ!!!

 

 

正確にはポンプ側の計測はしてないし

ライン内のオイルも測ってないので僅かですが

もうちょっと重さがあります。

 

あと画像の右下あたりにリアのハイキャスシリンダーが

あります。それで比較してもらうとラインの長さや

大きさが想像できると思います。

 

 

 

しかしけっこうな軽量化に貢献です( *´艸`)

 

 

リアハイキャス

 

 

リアのハイキャスシリンダーがあったところは

こんな状態となっております。

基本キャンセルロッドはリアのトーロッドは再利用します。

 

 

んでキャンセル終わり~とはならないんですよ。

 

言ってみればここまでは

前菜ですよ( *´艸`)

メインはこっからになります。

 

パワステポンプ

 

 

イカしたポンプタンクはオーナー製ですw

 

油圧ハイキャスキャンセルするのに

一番のキモとなるのがパワステポンプの処理。

 

先ほどの書きましたが

簡単に言うとHCR32はパワステのポンプで

通常のステアリングラックと

ハイキャスシリンダーの2つの油圧を発生している訳です。

 

 

なのでハイキャスを撤去してしまうと油圧がかかる

ところも少なくなりステアリングラックにかかるのみの

油圧になり、そのままではポンプ、ラックが逝きます。

※確実に逝きます。大概はポンプがお亡くなりになります。

 

なので撤去の際にはポンプを処理しなくては

なりません。

 

その処理方法もいくつかあり

オーソドックスな方法は2つ。

電動になったR33系のポンプを流用するか

いまのポンプを加工して使うかになります。

 

以前ならR33系のポンプ流用が良かったのですが

中古ポンプの個体数減少、ブラケットの入手困難、

プーリー問題があり今現在は現実的ではありません。

 

なので今回はポンプのベーン抜きで

対処していく作戦になります。

※R33ポンプにしてもR32ポンプベーン抜きにしても

結果は同じです。

 

 

ベーンって何?ってなるんですが

ポンプ内部に油圧を発生させる羽があり

それをベーンと言います。

油圧ハイキャスのパワステポンプは

そのベーンがついている油圧発生機構が

ラックとハイキャスで2個あります。

そのうちの1個のベーンを取り外して

油圧を発生しなくしようという感じです。

 

 

とりまパワステポンプを分解していきます。

 

HCR32パワステポンプのハイキャスのベーンは

ポンプ後方(ケツ側)にあります。

 

ちょうど画像にあるのが後側からバラしているので

ハイキャスのベーン(ベーン室)となります。

 

矢印の小さな板上の物がベーンとなり回転が上がると

溝から出てきて油圧を発生させる機構となってます。

 

ベーン抜きとはこの小さな板(ベーン)を抜いてしまって

油圧を作らない様にする加工です。

 

 

もちろんポンプを分解して抜くので

ポンプ本体にはシール類やガスケット類を使ってます。

 

 

でも問題ありません。ポンプのシール類がキットになった物が

まだ純正部品として出ます(令和2年現在)

値段は2千円前後です。

ポンプのオーバーホールに必要なシール類が

入ってるキットです。

 

 

 

こんな感じにベーンを取り除きました。

これで蓋すれば終わりですが、せっかく分解して

シールキットもあるんで前側のステアリングの方まで

バラしオーバーホールします。

 

全バラ

 

 

パワステポンプを全てバラした感じです。

見てもらうと先ほど説明した油圧発生させるベーン機構が

2つあるのがわかるかと思います。

 

年式的にもHCR32パワステポンプはオイル漏れ(滲み)を

起こしてるケースも多いので一緒にシール類は全て

交換しちゃいます。

もちろんプーリーシャフトのオイルシールも交換してます。

 

 

 

 

ポンプ完成

 

ベーン抜き、オーバーホールが完了しました。

 

あとは車両に戻していくだけです。

 

 

 

完成(・∀・)

 

 

取り付けしオイルのエア抜きを行い完成。

 

パワステポンプのハイキャスラインが無くなるので

メクラをしないといけません。

ここはダイハツ系のエンジンオイルドレンが

ぴったりなので流用します。

(注意!確か旧ダイハツ用です)

 

画像には写っておりませんがタンクの

ハイキャスラインからの戻りラインのところも

メクラしないといけません。

タービンの下を通ってるラインです。

もちろんそのラインは撤去して無いのでタンクに

メクラをするだけです。オイラはシリコンキャップで

メクラをしました。

本来であれば溶接等でメクラ処理をするのが

ベターです。

オーナー曰く、今後タンクを違う物にするかも

知れないと言う事でしたので簡易的にシリコンキャップで

メクラ処理しました。

 

特に画像に載せてませんがラインのオイルホースや

ホースバンドは新品にしてあります。

 

 

これでハイキャス

完全撤去となりました。

 

 

軽量化にもなるし無駄なオイルラインが

無くなる事でオイル漏れやパワステへの

影響の心配もなくなりました。

 

気分的にもすっきりしますよ(*^^)v

 

補足としては

R32系のよく壊れるハイキャスコンピューターって

ありますよね。

あのトランク内のリアスピーカーボードの

裏当たりにあるヤツ。

あれまで取り外すとステアリングに関係している

物なのでステアリングにトラブルが発生します。

おそらくハンドル重くなると思います。

 

ハイキャスコンピューターは

触らず機械的な物だけを撤去するのが

完全撤去です。

 

補足の補足ですが

もちろんハイキャスラインを外してしまうので

ハイキャスのチェックランプが点灯します。

チェックランプの球抜きかTOMEIのハイキャスキャンセラーの

付属の配線でチェックランプを消してください。

 

今回の車両は元々、TOMEIのハイキャスキャンセラーが

ついていたので配線などをそのままにしましたので

チェックランプは点灯しません。

 

この方法でも球抜きでも

今日の車検制度のチェックランプ点灯すると

合格しないといった事にも対応できます。

車検通ります(*^^)v

 

 

 

 

完全撤去するには費用も時間もかかりますが

特にデメリットもなくメリットだかけなので

やった方がいいと思います。

 

 

意外とハイキャスそのままにしてるHCR32って

多いんですよね。

当店に来るHCR32でも3分の1は残ったままです。

 

 

 

 

 

そろそろ完全撤去して

みませんか??

 

 

 

 

 

前記しましたが

この車両は別件でステアリング関係のトラブルが

ありますので後日記事を上げます。

お楽しみに♪

 

 

 

 

 

それでは

またねー('ω')ノ