JZX100 マークⅡ クラッチ交換No.5 異音修理 | ナルズ工場長の出来事

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皆様☆Hey!ヽ('ー'#)/ Hello!☆

 

 

予報によると

ようやく暖かくなってくるそうな。

 

春は花粉症の季節で憂鬱なんですが

陽気が良くなるのは嬉しいです。

 

深夜残業の工場はとても寒く

いかなる防寒をしても

手がかじかんで辛かったのが

解放されるだけでもとても嬉しいですね。

 

でも残業が辛くなってきたのは

主に歳のせいな気がするオイラです(´・ω・`)

 

今年は暖かくなってきたら

ちょいと体力作りをしましょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回もJZX100マークⅡの

クラッチ交換の続きです。

 

 

前回までクラッチを交換し

その他の不具合個所をなおし

クレビスなどを交換し

やっと完成ってところまででした。

 

前回の内容はコチラ

 

 

 

 

そこら辺がしっかりとしたので

踏みごたえのチェックやミートポイントの調整を

やっていたら

なーんか異音が( ゚Д゚)

 

 

クラッチペダルを踏みこんだ時に

ギギギって音がします。

 

 

クラッチ関係で

ペダル踏んだだけの時の異音ってなると

よくあるのがレリーズのグリス切れ。

 

 

レリーズベアリングカラーの内側のグリスが切れて

音がなっていたり

レリーズフォークのアタリ面や支点のピボッドや

ピンからの音が多くみられる異音です。

 

たまにクラッチディスクのスプラインからも音が

するケースもありますね。

 

クラッチペダルを踏み踏みしてキコキコなるのは

大体、上記のケースです。

 

 

 

しかし今回はクラッチを交換しているのです。

 

 

 

もちろんレリーズベアリングカラーや

フォーク周りなどの摺動部には

グリスアップはバッチリやってあります。

 

 

ちょいとわかりずらいですが

赤色したのがグリスです。

 

ミッションを載せる前なので

ちょっとグリス多いですが載せる前には

余ってるグリスはふき取って載せてあります。

 

なんで

レリーズベアリングカラーやフォークから

異音が出るってのは少し考えにくい。

 

当店の場合、

クラッチ交換の際には必ずレリーズベアリングは

交換します。

 

日産系などはレリースベアリングは交換しますが

カラーは再利用するのがほとんどです。

 

しかしこのJZX100の場合はレリーズとカラーが

一体になっているのでそっくり交換になります。

 

さらに組み込み前にはカラーがあたる

ミッション側の首部分をペーパーで磨き

段付きがある場合は修正します。

 

ここの部分からの異音も多いので

当店では色々なグリスを試しました。

結果、とても良いグリスを見つけ、

それからは異音が出たって事は

ありません。

 

 

じゃあ異音はどこから

出ているのでしょうか??

 

 

 

車をリフトアップし

1人にクラッチを踏み踏みしてもらい

1人が下のミッション側で音を拾います。

 

異音は決してイチバーンではありませんw

 

 

 

 

 

冗談はさておき

すぐに判明しました('◇')ゞ

 

クラッチレリーズシリンダー

 

 

JZX100のクラッチはプル式なので

レリーズシリンダーの半分はミッションの

中に入っています。

ちょうど先半分のゴムのジャバラ部分が

ミッションの中(フロントケース内)に

はいっています。

ミッション横にサービスホールがあるので

取り外してクラッチを踏んでもらったら

レリーズシリンダーから異音が発生していました。

 

 

ギコギコ言ってます( ;∀;)

 

 

レリーズシリンダーのさきっぽにも

グリス切れを起こしていると異音がします。

 

 

でもここもクラッチ交換の際にグリスアップ済みです。

 

 

 

なので

異音はレリーズシリンダー本体からが

怪しいですね。

 

レリーズシリンダーを外してチェックしてみます。

 

 

ブーツを外したところです。

 

ブーツを外す前にロッドを手で押し込み

単独で動きをチェックしましたが

手では異音も出ないしよくわからん。

 

ブーツを外したらシリンダー内壁に

サビが出ています。

 

フリュードの漏れこそないものの

カップ部のゴムが痩せピストンと

シリンダーがかじってしまい異音が出ているのだと

思います。

グリスっ気もないしね。

 

これだけシリンダーの状態が悪いので

異音の原因はここでしょう。

 

 

 

とりま

バラして本格的にチェックしましょう。

 

クラッチレリーズシリンダー

 

 

本体を取り外すのは簡単です。

 

さて中身をバラしていきますかの。

 

 

バラシ

 

 

バラした感じです。

フリュードが特に汚いって事もありませんでした。

 

 

 

ピストン

 

 

けっこう接触痕があります。

表面処理のアルマイトが削れて剥げています。

カップ部もサビ拾ってますね。

 

まぁこっちはいいんです。

オーバーホール(インナーキット交換)すれば

ピストンは交換なので。

 

問題はシリンダー(´-ω-`)

 

シリンダーが再利用できるかできないかで

ASSY交換になるかオーバーホールで済むかに

なるんです。

 

 

シリンダー側

 

 

ありゃーこりゃダメかな~(´;ω;`)

 

ピンボケってますが

手前はサビが発生していて

奥の黒っぽいのはカップ部のゴムの汚れです。

 

清掃してみてサビの腐食や

段付きがなければ再利用できるのですが

どうでしょうか…(-_-;)

 

 

清掃後

 

 

最初の見た目とはうらはら

清掃&磨きをしたら再利用できそうです。

 

手で触診しても段付きもありません。

 

オーバーホールでなんとかなりそうです。

 

追加作業なので

予算オーバー作業です。

なるべく費用が抑えられてヨカタよ( *´艸`)

 

 

 

インナーキット

 

 

参考までに品番載せておきます。

 

内容はピストンASSY(カップ組み込み済)、

スプリング、ブーツ、キャップになります。

 

トヨタだとキャップがついてきます。

最近の日産だとこれがついてきません。

昔はついてきたのにな…

 

まぁキャップは再利用でも適当なのでも

かまわないんだけど。

意外と外れちゃったんだか

キャップがついてないのが多いです。

 

シリコングリスにて組んでいきます。

 

昔はここのグリスはラバーグリス使ってたなぁ。

ラバーグリスでも問題はないですが

シリコングリスの方が「持ち」はいいですね。

耐久性があります。

その分お値段はお高いですがねw

 

シリンダーオーバーホール

 

 

インナーキットを組み込みました。

見た目じゃわかりませんw

 

手で動かした感触は分解前とは

雲泥の差です。

とても軽く滑らかな感じになりました。

 

車体に組みエア抜きをします。

 

 

 

完成(*‘∀‘)

 

 

きっちり踏みごたえが出るまで

これでもか!ってエア抜きをします。

JZX100の場合、エアは比較的抜けやすいかと

思います。

 

よく見ると配管が曲がっていたり傷がついていたり

フレア部がナメかかっていたり…

 

これオイラがやらかした訳ではなく

最初っからですよ。

むしろ配管とか曲がりを手直ししました。

 

こんなのもミッション載せ替え車両あるある

だったりもする。

 

 

さて目的の異音ですが

バッチリ直りました(*‘∀‘)

 

クラッチもスコスコ切れるし

シフトフィーリングもかなり改善されました。

ペダル踏みごたえも入庫時とは

全然違います。

 

これにて

長かったJZX100クラッチ編、

完了となります。

 

お疲れちゃん ^^) _旦~~

 

 

当初はクラッチ交換して終わりだったのが

色々不具合などが発見され

かなり作業内容が増えました。

 

クラッチの状態はマニュアル車に

とっての命です。

不具合をかかえたままのスポーツ走行とか

余分なものまで壊してしまいます。

 

シフトフィーリングとクラッチフィーリングの

良さはスポーツカーの醍醐味だと

オイラは思います。

 

せっかくのマニュアル車、

気持ちよく走らせてあげたいもんですな(*^^)v

 

 

 

 

 

それでは

(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪