AK11 ビュート(マーチ) ヘッドガスケット交換① | ナルズ工場長の出来事

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朝から雨は降ってたけど
そんなに寒くはありません。
でも昼前あたりからめっさ寒くなってきた。

こないだまで良い天気が続いてて
久しぶりの雨だけど
やっぱし冬の雨はツライね。

手が悴みまくりな
オイラです(´・ω・`)







ちょいと間が空いてしまいましたが
AK11の続きです。

前回漏れ箇所が判明しましたので
修理を始めていきます。

ご存知かと思いますが
光岡ビュートは日産のマーチがベースと
なっています。
ベースというかマーチの外装を変えただけの
車なのです。

よって中身はまんまマーチです。

しかしエンジンを触るとなると
ビュートならではの事態がある訳で。



フロントの右フェンダーです。
ボンネットを開けた状態だとこんな感じになります。
デザイン上、ボンネットが先細りな形状のため
エンジンの前側はフェンダー内に入り込んだ
感じになります。
フェンダーを外すって言っても
フロント部と左右フェンダーが一体形状に
なっているのでフロント部分をそっくり外さなければ
なりません。
フェンダーって言うよりフロントカウルって
表現した方がわかりやすいかな。


こんな感じです


意外と簡単に外せそうですが
やっぱり工賃プラスになるし
時間もかかりそう。
そのままやる方向が良いと思います。
なのでエンジンのベルト部やウォッシャータンク、
オルタやエアコンコンプレッサーなどに
アクセスするのがすごく困難になります。
逆を言えば
そこらを理解して上手くやれば
マーチとなんら変わりはありません。

要はガンバレって事なんですわw

一個一個手順に画像を撮りながら
やる感じの作業ではなかったので
一気にバラしちゃいました。


ヘッドカバーを外して


ヘッド降りました

GC系エンジンはタイミングチェーンです。
クランクからカムまで1本物のチェーンではなく
途中でギア(スプロケ)により2本の2ピース構造です。
その途中の中間ギアをヘッドから外してヘッドを
降ろします。
この中間ギア(スプロケ)をヘッドから外さない限り
チェーンはズレない構造になっています。

ぶらーんと針金で引っ掛けて吊るしてある
チェーンがカムスプロケにつくところです。
その下にあるのが中間ギアです。

ちなみにチェーンテンショナーはヘッドのフロント部の
内部にあります。
ヘッドのフロントカバーを外すと見えます。

そのフロントカバーを外すのに
エンジンマウントを外さなければ
カバーは外れません。
マンドクセ(´;ω;`)


マウント


カバーを留めているボルトのすぐのところにマウントが
あります。
少し隙間はありますがマウントがついた状態では
ボルトはとれません。
カバーは数個のボルトでついているのですが
そのうちの1本がマウントが邪魔で外れないのです。
たかが1本のボルトのためにマウント外しです。

でも結果、マウントを外してエンジンを傾けたり
しないと作業が困難になるので
さっさとマウントは外した方がやりやすいですわ。



外したパーツ類

これが全てかと思います。
予算の都合上、ヘッドは触りません。

ヘッドボルトやカムホルダー、ホルダーボルトは
ついていた順番通りに並べておくのは基本です。

画像にあるようにヘッドはインマニとスロットルごと
外しました。

ヘッドを降ろすまで
一番困難なところは
序盤のエキマニの遮熱板を外す事でした。

遮熱板のボルトがサビまくりの腐りまくり!
すでに腐ってボルトの角がありません!
外すのに
2~3時間格闘してしまいました。
浸透剤を駆使しても全くダメ。バイスでつかんで回しても
びくともしない。てかバイスが入る隙間がギリ。
スペースがないのでめっさツラかった(´;ω;`)
最終的にボルトを壊して外しました。

さてヘッドが降りたところで
漏れてたところの確認をしましょう。


ここはエンジンブロック側の3番と4番ピストンの
前あたりです。
エキマニ側になります。
ピンクの丸印あたりからクーラントとオイル漏れ、
緑の丸印あたりからオイル漏れしてました。
特に酷かったのはピンクの方でした。

ここはエンジンブロックの後ろ側、
インマニの下あたりになります。
ちょうど2番と3番ピストンの後ろあたりですかね。
ここからはオイルのみ漏れてました。
ここからの漏れのオイルが色々伝わって
セルモーターやらエレメントなどをオイルまみれに
してました。



ヘッド側はこんな感じです。
点検時に洗い落としてしまったのであまり
わからないかも。


外したガスケット


実際のガスケットを近くでよく観察すると
漏れ箇所がわかるときもあるんですが
大体が良くわからんw
よーく観察してるとわかるけど。


漏れてたところのアップ


なんとなくわかりますかね?
どうでしょう。なんとなくわかる?

目視になりますが
ブロック側、ヘッド側、ガスケット単体をチェックしましたが
予想通りガスケット抜けでした。


外したヘッドやパーツ類を洗浄し
組み付けに入ります。
文章だと簡単ですが
この洗浄ってのがタイヘン。
エンジンオーバーホールやキャリパーオーバーホール
などオーバーホールや分解組み付けは
洗浄に主な時間と手がかかります。
逆にここを手を抜いてしまうと後からエライ目に
あうのでキッチリ洗浄するのです。
ちなみにオイラは半日くらいシコシコ掃除しました。



ブロックなんて掃除タイヘン。
ガスケットとっただけの状態です。カスもついてるし
ゴミは落とせねーわで気を使います。


ちょいとここで気になる事が。

エンジン自体ではないんですが
なにげに触ったウォーターポンプが
ゴロゴロしてる(;゜ロ゜)

上の画像でエンジンフロントの後ろ側
(バルク側)にちらっと見えるでそ。

すごいやりにくい場所にあるんです。
このウォーターポンプ。
普段だとせまいしやりにくいので
交換するなら今がチャンス!

今ならパワステポンプも外れてるし
交換はラクショーなはず。


ウォーターポンプ


わかる方は見てわかると思いますが
普段ポンプだけ交換ってなるとタイヘンそうな位置に
ポンプ様は居ますw
漏れはないんですが手で回すとゴロゴロして
若干のガタもあるようです。
ポンプの交換歴もないので新車から使ってる
ポンプでしょう。
距離も10万キロ前後、年式的も10年以上は
使っていると思います。そらダメになるね。

あとから交換になると大変なので
交換しちゃいたいんだけどポンプって
意外と高価。
お客様と相談の結果、新品交換する事に
なりました。



新品ポンプ

純正です。


サクっと交換


これで心配事の1つは改善されました。
今回一緒に交換できた事は
とてもよかったです。


今回はちと長くなってもうたので
この辺で。
次回からヘッド載せてエンジンを
仕上げていきます。

集中してやってたので
あまり画像がないかも知れません。
手がオイルまみれでベロベロだったのも
あるし。



次回お楽しみに♪








それでは
(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪