九州湯めぐりシリーズ 第十六話
たった二日間の出来事を16回にも分けて書いている自分に
さすがに呆れてますが・・、まだまだ続きます、はい(爆)。
本日は、熊本は黒川温泉の露天風呂めぐり第2湯目。
日本秘湯を守る会のお宿、新明館さん。
現在の黒川温泉繁栄の礎を築いたお宿でもあります。
黒川温泉は、昭和39年山並みハイウェイの開通に伴って第一次ブームに沸きます。
しかし団体を中心とした宴会客ばかりのブームは長続きせず
数年で閑古鳥が鳴く寂れた温泉街に逆戻り。
この時黒川に残ったのは、ブームを当て込んで増改築した宿の大き借金ばかりでした。
でも、そんな中にあってただ1軒、客足の絶えない旅館がありました。
それが、露天風呂の神様『後藤哲也』さんが営む『新明館』さんだった。
新明館の人気の秘密は、後藤さんが自分一人で
何年もかけてコツコツと掘り続けた洞窟風呂と
山から雑木林を運んで植えた自然の景観がウリの露天風呂。
後藤さんの持論は『お風呂に魅力がなかったら、温泉に客は来ない』。
後藤さんは自分を変人あつかいして笑った近隣の宿に
自分の持つ魅力的な露天風呂造りのノウハウを惜しげもなく教え
近隣のお宿の方々も、後藤さんを師匠と仰いで
教えの通りに『自然の雰囲気』を大切にした露天風呂を
それぞれのお宿に作ると、客足と賑わいは戻って来た。
でも、立地や敷地の問題でどうしても露天風呂を作れない旅館があったんだって・・。
一軒二軒で流行っても仕方がない。
街全体で盛り上がることに意味があるんだ。
思案の末に、町ぐるみで考え出したのが
すべてのお宿の露天風呂を解放しようという『湯めぐり構想』。
街全体は一つの宿
通りは廊下
旅館は客室
このキャッチフレーズの下、どのお宿に泊まっても
入湯手形で好きな宿の露天風呂に入れるような仕組みを考え出したのね。
すごいよねぇ・・・。
後藤哲也さん!なんて懐の大きな人なんだろう・・。
この方が、自分の宿だけ流行ればいい、他人に人気の秘訣を教えるものか!
なんて考えていたら今の黒川の人気は絶対になかったし
それを素直に聞いて速やかに実行に移せた黒川の他のお宿もすごい!!
そして、露天の造れない旅館があったがために
すべての風呂にみんなが入れるように・・・って。
黒川温泉の今の人気と賑わいは
お互いを思いやる事の出来る黒川の人々の
温かい気持ちの上に成り立っているんだと知って
感慨もひとしおなのであります。
山の宿 「新明館」 HP
熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉
TEL 0967-44-0916 / FAX 0967-44-0532
日帰り入浴
料金 500円 (または入湯手形)
時間 8時半~21時
懐かしい道具が陳列されたレトロな雰囲気のフロント。
左手の帳場で、入湯手形での入浴をお願いすると
『洞窟風呂だけで洗い場はありませんがよろしいですか?』と。
新明館さんには、内湯や家族湯露天風呂などもあるが
入湯手形で利用できるのは、混浴露天の岩戸風呂と洞窟風呂だけ。
女性専用は、洞窟風呂だけとなるので洗い場はないのだ。
画像右端の秘湯を守る会の提灯が下がっている箇所が玄関。
川沿いの歩道を、向かって左手にずーーっと歩いていくと
黒っぽくちょっとモヤモヤと白い湯気の上がっている箇所がお風呂ゾーン。
温泉街も、1軒目のいこい旅館さんも都合よく空いていたけど
さすがにここは知名度が高いのか、はたまた名物洞窟風呂の魅力か
通路にも人が結構いたりして・・・。
タオル巻きNGの無色透明混浴露天は無理・・だって一人だし(^_^;)。
あ!!!旦那はね、いこい旅館に置いてきたのよ(爆)。
だって、こんな大雨の中、湯めぐりなんかしない!!って言うんだもんヽ(`Д´)ノ
あ~~~~あ、そうですか!?どうぞご自由に!!
ということで、旦那は日本の秘湯名湯百選の滝の湯で2時間半まったり。
まぁ、それもいい♪ヽ(^。^)ノ
下手に一軒ごとに待ち合わせして、待たされて貴重な時間が減ってイライラするより
自分のタイミングで好きに出入りできる方が、おじゃる☆も好都合ってものなのだ(^_-)-☆
お風呂エリアの入り口。
有料ですが貴重品ロッカーあります。
屋根付きの休憩所は囲炉裏に火が入って
雨でも寒くても、待ち合わせに困りません。
ここの風情もなんとも素敵♪
このずっと先に混浴露天の岩戸風呂。
右側に、女性専用の洞窟風呂です。
入口は、西口と東口、二つあるけど
中で繋がっているので、どちらでもどうぞと説明されました。
耳を澄ますまでもなく、外まで漏れる賑やかな声(^_^;)。
確か洞窟風呂は、混浴もあるはずだよね・・・。
露天が無理ならせめて洞窟風呂だけでも画像が欲しい・・。
と、行ってみる。
おお!!通路から丸見えの位置に脱衣かご(爆)。
これじゃ女性は入れんね(^_^;)・
・・・と、恐る恐る奥に進んでみる。
ラッキー♪ 無人なり(^_-)-☆
おお!!奥にももう一つの脱衣かご。
思うに外が男性用で、こちらが女性用?
洞窟風呂と言うだけあって、灯りはあるけど薄暗い。
『危険なので一人で入浴しないように』との注意書きがあります。
暗闇だし閉鎖的だし、女性はこちらに一人で入るのは危険危険!!
あ、おじゃる☆は撮影だけですからね(^_^;)。
撮影のあと女性用に移りましたが
カメラはロッカーに入れてしまったので
混浴洞窟風呂の画像を見ながら
入浴レポをお届けします。(^_-)-☆
泉質 : ナトリウム塩化物硫酸塩泉
暗くて分かりにくいけど、無色透明のお湯。
正直浴感はそれほどの特徴がありませんが
ちょっぴりヌルスベの源泉掛け流し。
湯温は源泉口付近は熱めで、離れるほど温くなり適温となる。
ただし、閉ざされた洞窟と言う空間の中なので
サウナというか天然の蒸しぶろ状態でとにかく熱い!
深さはさほどなく膝よりちょっと深い程度だというのに
お湯に浸からずに洞窟の中を歩き回っているだけでもどんどん汗が出てくるよ。
実際に入ってみると、思っていたよりずっと深い洞窟で
これだけのものを本当に一人で何年もかかって彫り上げたの?
その想いに頭が下がります・・・。
混浴と女性用の洞窟風呂が、唯一繋がっている部分があった。
この窓の部分、甲高い声が賑やかに反響して聞こえてくるけど
覗いてみても人影は見えなかったので、大丈夫みたい(笑)。
せっかくの後藤さんの愛情詰まった洞窟風呂なのだけど
おじゃる☆と入れ違いに先客さんが出てしまい・・・貸切に(^_^;)。
あーーーーーーー!!
いつもなら貸し切り嬉しいんだけどさぁ・・(/TДT)/。
おじゃる☆とお付き合いの長い方はご存知でしょう?
おじゃる☆・・・・。
閉所恐怖症だしぃ~~~、暗所恐怖症だしぃ~~~。・゚・(ノд`)・゚・。
こんなとこに一人でいられなぁ~~~~い!!
もったいないけど、滞在時間5分の洞窟風呂入体験でした(爆)。
混浴で写真撮ってた時間の方が長かったかも・・。
あの時は、隣の女性用からずっと賑やかな声が
聞こえていたから心強かったんだもん~~ヽ(`Д´)ノ
ここも泊まって混浴露天入りたい・・・。
黒川温泉復活の立役者、新明館に客足が途絶えなかったのって
洞窟風呂そのものの魅力ももちろんあるだろうけど
後藤さんの『どうやったらお客様に喜んでいただけるのか?
お客様に喜んでもらえる事をしたい!』というその気持ちが
洞窟堀りだけでなく、接客やお料理、その他のあらゆる面に
表れていたのではないかしらねぇ。
そしてそのお客様第一の精神が、黒川のすべてのお宿に伝承されたと・・。
そんな風に思えるのでありました♪