3才の絆 友達アンサンブル Sさん トランペット奏者 (40代男性未婚)


大きな体格のSさんはトランペット奏者(そうしゃ)、子供達にトランペットの個別教師を行なったりブラスアンサンブルを主宰し各地で演奏会を開催しています。


ジャズ演奏者のように音を魅(み)せるエンターテイメントな演奏というよりも、クラシック管弦楽(かんげんがく)演奏者です。


家族は両親共に特別音楽一家という事も無く、母親が小学生の頃から合唱が好きな程度の家庭で育ちました。4才歳上の兄はクラシックよりもロックが好きです。


仕事の種類は本当に多業種、多品目ありますが特にサービス業の内、芸術・音楽家へのターニングポイントは親からの勧(すす)めが多い中Sさんは、えっちゃんという友達との出逢いでした。


えっちゃんとはT幼稚園の年少さんで一緒になった男の子。実家は呉服商(ごふくしょう)を営んでいました。

3才の出逢いです。T幼稚園は体操教室や音楽教室等活発な取組みをしている当時から今も人気の幼稚園。お遊戯(ゆうぎ)会などの発表会も多くその度(たび)えっちゃんと楽しく仲良く猛(もう)練習をしました。


3才ではクラシックの子犬のワルツという曲を幼稚園で教えてもらい、母親がレコードを買ってくれて毎日聴いて

いました。幼稚園のバスで通園するのですが、バスの中でえっちゃんと大きな声でハミングして歌いました。2人以上が同時に演奏する事を音楽用語でアンサンブルといいます。年中さんからピアニカという鍵盤(けんばん)のついた楽器での練習がありました。えっちゃんとのアンサンブルはいつも息がぴったりで幼稚園の中だけの賞ですがたくさん貰(もら)った記憶があります。


その後えっちゃんとは、小学校の6年間、中学校の3年間、高校生の3年間、合わせて15年間も一緒に学生生活を過ごしました。


小学校の6年間ではリコーダーのアンサンブルをしてコンテストやコンクールで賞を貰いました。中学生の3年間ではブラスバンド部に入りお互いトランペットを練習しました。音楽高校へ進もうとピアノの先生に個別指導でバイエルからツェルニーを学んだのは中学3年生になってからです。特にソルフェージュという楽譜を読む基礎訓練はこの頃からスタートしました。えっちゃんもSさんも見事に音楽高校へ進学します。


中学生からのスタートでも音楽家への道は大丈夫ですよ!とSさんは太鼓判を押します。


その後音楽大学は別々の大学に進み、えっちゃんは現在高校の音楽教師としてブラスバンドを指導されています。


Sさんは今晩クリスマスアドベントのため夜7時からブラスアンサンブルの演奏があります。


Sさんとえっちゃんとの友達との絆から始まったトランペットの演奏、東北関東大震災を乗り越えもっともあらゆる絆の必要な私達に想いが届くといいですね。


皆様一人一人に愛と平和が訪れますように!